2018年9月30日まで、大和文華館で開催中の「大和文華館の中国・朝鮮絵画」。現在、国宝「雪中帰牧図」を公開中です。
雪中帰牧図 李迪 国宝 中国・南宋時代(12世紀後半) 紙本墨画淡彩 双幅のうち 24.2×23.8cm 大和文華館 奈良 展示期間:展示中~9月30日
中国・宮廷画家による精緻な水墨画
雪の積もった道を、牧童が牛の背に揺られながら進んでいく。牧童は、寒さをしのぐために身を縮め、獲物の雉を吊した杖を携えている。凍てついた空気感や、静まり返った空間に響く「ザク、ザク」という牛の足音まで伝わってくるようだ。李迪は、中国・南宋時代に活躍した宮廷画家。南宋時代、牛をテーマにした牧牛図は多く描かれたが、本作は、毛の流れを工夫して表した牛の立体感や、白点を散らした繊細な雪の表現などから、並々ならぬ技量で描かれたことがうかがえる。
◆ここで見られる!
大和文華館 公式サイト