2019年も新年の正月気分があっという間に過ぎ、慌ただしい日々が戻ってきましたが、本当に寒い日々が続いていますよね。特に北日本では本格的な寒波が到来し、テレビなどでは連日大雪に注意を呼びかける報道が目立つようになっています。しかしそんな中、各地の美術展は、2月になると「ひな祭り」を特集した展覧会が相次いで開催されるなど、早くも「春」を先取りしたような企画が目白押し。東京・大阪などの都心では、2018年秋の大型美術展が終わり、春に向けた大型展が相次いでスタートします。
そこで、今月も2月以降に開催される全国各地の美術展の中から、INTOJAPANの愛読者の皆様に特におすすめしたいとっておきの展覧会を、日本美術を中心に厳選してピックアップしてみました。それでは、さっそくいってみましょう!
お薦め美術展1 「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」(東京都美術館)
日本美術研究の第一人者、辻惟雄氏が1970年に出版し、それ以来約50年間にわたって読み継がれてきた美術書の金字塔的作品「奇想の系譜」。それまで美術史の中で「異端」「傍流」とされ、低評価に甘んじてきた個性派の実力派絵師たちを最先端の「前衛」と再定義して積極的に評価し、以後の日本美術史を完全に塗り変えたベストセラーです。展覧会では、「奇想の系譜」で取り上げられた江戸時代の6人の絵師に鈴木其一・白隠慧鶴の2名を新たに加え、総勢8名の個性派絵師を特集しています。
出品作品も豪華です。特別顧問の辻惟雄氏とその愛弟子で監修の山下裕二氏が全面協力の下、国内外から「奇想派」絵師達の傑作・名作が大集結。ちょっといくつか見てみましょう。
伊藤若冲「紫陽花双鶏図」 絹本着色 一幅 139.4×85.1cm 米国・エツコ&ジョー・プライスコレクション
曽我蕭白「雪山童子図」 紙本着色 一幅 169.8×124.8cm 明和元年(1764)頃 三重・継松寺
歌川国芳 「宮本武蔵の鯨退治」 大判三枚続 弘化4年(1847)頃 個人蔵
いかがでしょうか?いずれも美しさやモチーフ・構図の奇抜さが際立ったインパクト抜群の作品ばかりですよね。INTOJAPAN編集部では、展覧会開催期間中、この「奇想の系譜展」を集中して特集していきます。展覧会レポートはもちろん、2月10日に東京国立博物館で開催される辻惟雄氏・山下裕二氏による特別講演も取材し、見どころをたっぷりお伝えしていく予定です!
書籍「奇想の系譜」で図版として取り上げられた作品も多数出展!
狩野山雪 「梅花遊禽図襖」 紙本金地着色 四面 各184.0×94.0cm 寛永8年(1631)京都・天球院 重要文化財
「奇想の系譜」が刊行されて約50年。伊藤若冲、歌川国芳らを筆頭に、書籍で取り上げられた奇想派絵師たちは、みな大ブレイクを果たしました。初日から熱心な日本美術ファンで行列必至な人気展になりそうです!
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド
場所 東京都美術館
会期 2019年2月9日(土)~4月7日(日)
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お薦め美術展2 「企画展 北斎-永田コレクションの全貌公開<序章>」(島根県立美術館)
島根県立美術館に行かないと観られない北斎の秘蔵コレクションが存在することをご存知でしょうか?それが、本展で出品される「永田コレクション」という故・永田生慈氏が蒐集し、島根県立美術館に一括寄贈した北斎やその門人たちの貴重な約2000件の作品群です。実は、現在六本木・森アーツセンターギャラリーで開催中の「新・北斎展」も、島根県立美術館に収蔵された「永田コレクション」から大半の作品が出展されているのですが、同コレクションが県外に出るのは「新・北斎展」が最後の機会。2019年以降は、永田氏の遺志により島根県内でしか観ることができなくなるのです。
そこで、島根県立美術館では2019年の本展を皮切りに、今後およそ2年おきに全5回で、約10年をかけて永田コレクションを順次その全貌を公開していくことを決めました。今回がその第1弾となります。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」島根県立美術館蔵(永田コレクション)
「凱風快晴」島根県立美術館蔵(永田コレクション)
展覧会では、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」あたりの定番作品はもちろん、今回が初公開となる北斎作品や、「新・北斎展」でも展示されない北斎や門人達の肉筆画、摺物(高級な非売品の浮世絵)など、島根県立美術館でしか観られない門外不出の永田コレクション作品を一挙展示。
蹄斎北馬「婦女風俗画帖」[通期展示(展示箇所変更)]
魚屋北溪「鮭と鼠図」[通期展示]
中国地方在住の近隣の方はもちろん、新・北斎展を見て永田コレクションのクオリティの高さに感銘を受けた人も、ぜひ思い切って遠征してみてはいかがでしょうか? 足立美術館の雪景色の日本庭園や、出雲大社など、島根観光とセットで旅行の日程に組み込んでも面白いかもしれませんね。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 企画展「開館20周年記念展 北斎-永田コレクションの全貌公開<序章>」
場所 島根県立美術館
会期 【前期】2月8日(金)~3月4日(月)/【後期】3月6日(水)~3月25日(月)
公式サイト
お薦め美術展3 企画展「小原古邨」(太田記念美術館)
2018年秋に、SNSを中心としたネット上で突如話題になったある日本美術展がありました。それが、茅ヶ崎市美術館で開催された展覧会「原安三郎コレクション 小原古邨展」です。小原古邨(おはらこそん)の版画作品を特集した展覧会では、作品の写実性や美しい彩色が注目を集め、それまで知る人ぞ知る画家だった小原古邨が、熱心なファンの間で大ブレイクしました。
そんな中、注目の「小原古邨展」が浮世絵を専門とする太田記念美術館で開催されています。たとえば、こんな感じの作品が展示されます。
小原古邨「紫陽花に蜂」(渡邊木版美術画舗蔵)前期
小原古邨「雪中群鷺」(渡邊木版美術画舗蔵)後期
小原古邨「蓮に雀」(個人蔵)前期
見て下さいこの版画とは思えない屈指の写実性と、美しい色彩のグラデーション。画像越しでもこの美しさですから、現物と向かい合ったときのインパクトは格別だと思います!
前回の茅ヶ崎市美術館とは全く別の所蔵先から作品を集め、東京では初開催となる本展は、日本美術ファンにとって見逃せない展覧会です。前回の茅ヶ崎展を見逃した人は、こちらでしっかり小原古邨の作品世界を楽しみましょう!
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 企画展「小原古邨」
場所 太田記念美術館
会期 開催中~3月24日(日)
公式サイト
お薦め美術展4 「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」(サントリー美術館)
幕末~明治期にかけて大活躍し、「奇想系絵師」のDNAを引く天才絵師としてここ数年で一気にブレイクした河鍋暁斎。以降、毎年のように全国各地で様々な切り口で展覧会が開催されていますが、2019年の暁斎展は、キュレーションのセンスの良さが抜群のサントリー美術館で開催されます。
今回の暁斎展では、画業を代表するような傑出した作品や、意外性あふれる良品をまずはたっぷりと味わうことができます。
花鳥図 河鍋暁斎 一幅 明治14年(1881)東京国立博物館
Image: TNM Image Archives【展示期間:2/6~2/18】
枯木寒鴉図 河鍋暁斎 一幅 明治14年(1881)榮太樓總本鋪 【展示期間:2/6~3/4】
また、展覧会では暁斎が「狩野派」絵師としてのルーツを大切にして、流派を問わず過去の優れた名作・古画から熱心に学んでいた痕跡を、様々な時代の作品から丹念に探っていきます。
虎図 河鍋暁斎 一面 19世紀 東京・正行院 【全期間展示】
鳥獣戯画 猫又と狸 河鍋暁斎 一面 19世紀 河鍋暁斎記念美術館
【展示期間:3/6~3/31】
自ら「画鬼」と名乗り、浮世絵師と狩野派絵師という2つの全く異なる出自を併せ持つ河鍋暁斎の変幻自在の筆さばきをしっかり楽しめる展覧会になりそうです。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」
場所 サントリー美術館
会期 開催中~3月31日(日)※展示替あり
公式サイト
お薦め美術展5 「江戸の園芸熱 -浮世絵に見る庶民の草花愛-」(たばこと塩の博物館)
江戸時代の日本は、世界的にも非常に「園芸」が発達した地域でした。人々は手軽な趣味として近所の「花の名所」(現在よりも遥かに多かったそうです)を訪れて季節折々の花見を楽しみました。特に、たばこと塩の博物館の周辺地域には、墨堤、亀戸天神、亀戸の梅屋敷、小村井の梅屋敷、向島百花園など、季節の花々を楽しめる観光名所が点在していました。
三代歌川豊国「向ふ島の夜桜」東京都江戸東京博物館蔵
また、人々は「花の名所」巡りでは飽き足らず、生活空間の中でも鉢植えで植物や花を愛でるようになりました。展覧会では、こうした「園芸」に関するモチーフが描かれた美人画や役者絵、戯画、江戸時代の園芸の実用書など様々な作品・資料を集め、江戸時代の豊かな園芸文化を紹介しています。
歌川国貞(三代歌川豊国)「ゑん日の景」個人蔵
鉢植えを手に持つ美人画は、これ以外にも多数出展されています。
三代歌川豊国「價千金春の楽 福寿草」個人蔵
鉢植えの福寿草売りにやつした歌舞伎役者。芝居の舞台にまで「園芸」が登場するほど庶民の「園芸熱」が高かったことがわかりますね。
江戸後期~幕末にかけて2度大流行した朝顔栽培。今では見なくなったような突然変異した「変わり朝顔」を紹介したマニアックな園芸書も!
江戸時代に実際に使われていた植木鉢や水盤も展示されています。
出展される作品は、前後期あわせて大量の約200点。館外の美術館・博物館や個人蔵作品から幅広くキュレーションされた力作揃いなので、浮世絵の中で描かれた園芸文化を楽しむだけでなく、歌麿や国貞、国芳など一流絵師たちによって制作された作品そのものもじっくり鑑賞できる素晴らしい展覧会です。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 「江戸の園芸熱 -浮世絵に見る庶民の草花愛-」
場所 たばこと塩の博物館
会期 開催中~3月10日(日)
前期 ~2月17日(日)/後期 2月19日(火)~3月10日(日)
※前後期で大幅な作品の入れ替えがあります
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お薦め美術展6 特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」(名古屋市博物館)
江戸末期に隆盛を誇った浮世絵の「歌川派」において、「奇想系」の個性派絵師として近年特に人気の高い歌川国芳を中心に、国芳の門人で明治期に活躍した月岡芳年や落合芳幾など、国芳ファミリーを大きく取り上げた展覧会です。
見どころは、国芳やその弟子たちが残した多彩な作品群です。歴史上の人物や物語に登場する武人を描いた「武者絵」、幽霊や妖怪など怪奇なクリーチャー達を描いた作品、そして美人画、戯画など非常にバラエティに富んだ作品を楽しむことができます。
歌川国芳「相馬の古内裏」名古屋市博物館蔵(高木繁コレクション)
歌川国芳「としよりのよふな若い人だ」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)
月岡芳年「東名所墨田川梅若之古事」名古屋市博物館蔵(尾崎久弥コレクション)
本展で一番嬉しいファンサービスとしては、展示されている全ての作品が写真撮影&SNS投稿OKであること。特に画面内に徹底的に人物やモノなどが描きこまれ、情報量が非常に多い細密な国芳や芳年の作品は、あとで手元のスマホで撮影して自宅でゆっくりと見返すことができれば、意外な自分だけの発見や鑑賞ポイントが見つかるかもしれません。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」
場所 名古屋市博物館
会期 2019年2月23日(土)~4月7日(日)
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お薦め美術展7 特別展「フェルメール展」(大阪市立美術館)
上野の森美術館で開催され、約68万人を動員した「東京展」が好評のうちに終了し、2月16日からはいよいよ「大阪展」が始まるフェルメール展。全世界に35作品しかないフェルメールの作品のうち、6点が大阪市立美術館に集結します。
ヨハネス・フェルメール「恋文」1669-1670年頃 油彩・カンヴァス 44×38.5cm アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum. Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1893
東京展での目玉作品は「牛乳を注ぐ女」でしたが、大阪展での最注目作品は大阪展でしか見ることができない「恋文」です。
ヨハネス・フェルメール「取り持ち女」1656年 油彩・カンヴァス143x130cmドレスデン国立古典絵画館bpk / Staatliche Kunstsammlungen Dresden / Herbert Boswank / distributed by AMF
また、「取り持ち女」は日本初登場作品。フェルメール作品の中でも1~2を争う大きさで、東京展で観たファンの感想では、「思ったよりも発色がきれいで見ごたえがあった」とかなり高評価な様子。
その他にも、東京展からは引続き「手紙を書く女」「手紙を書く夫人と召使い」「マルタとマリアの家のキリスト」「リュートを調弦する女」の4点も登場。熱心なファンの中には、上野まで遠征した人も非常に多かったようですが、展示空間が変わればまた違った見え方で楽しめるはず。東京・大阪と両方の作品展示の印象を比べてみるのも面白いかもしれません。
展覧会は、入場日時指定制だった東京展とは違い、通常通り普通にチケットを買えばいつでも入場可能。その分、土日祝日などは非常に混雑し、入場待ち行列も長時間になる可能性があります。防寒対策をしっかりしてからおでかけくださいね。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 特別展「フェルメール展」
場所 大阪市立美術館
会期 2019年2月16日(土)~5月12日(日)
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お薦め美術展8 「北野天満宮 信仰と名宝」(京都文化博物館)
菅原道真公を祀った「天神社」は全国で一万数千社ありますが、その総本社として名高いのが京都にある北野天満宮。日本美術を鑑賞していると、様々な展覧会で北野天神由来の社宝や関連展示を見かけることがありますが、本展「北野天満宮 信仰と名宝」では、地元の「地の利」を活かして北野天満宮を徹底的に大特集。
国宝 北野天神縁起絵巻(承久本) 第六巻(部分) 鎌倉時代(13世紀) 北野天満宮蔵
美術ファンとしてまず注目したいのは、国宝絵巻物として名高い「北野天神縁起絵巻」。
菅原道真公の生涯や、配流され不本意な死を遂げた道真公の怨霊による災い、日蔵上人による地獄めぐりなどを描いた、鎌倉時代の社寺縁起の代表的な作品です。北野天神縁起絵巻は後世になって多数制作されましたが、本展で展示される鎌倉時代に成立した承久本は国宝指定されており必見なのです!
海北友松筆 雲龍図屏風(左隻) 桃山時代(17世紀) 北野天満宮蔵(後期)
また、桃山時代の巨匠・海北友松の手による六曲一双の迫力ある龍の屏風絵は後期展示の目玉作品。2年前に京都国立博物館で開催された「海北友松展」でも後半展示のハイライトとして、多くのお客さんが足を止めてじっくり見入った屈指の傑作です。これも見逃せません!
重要文化財 太刀 銘 安綱 号 鬼切丸(別名 髭切)平安時代(11〜12世紀) 北野天満宮蔵(後期)
そして、北野天満宮といえば、名刀「髭切」を擁する刀剣乱舞ONLINEの聖地巡礼地でもあります。その「髭切」も、本展に伴って京都文化博物館にやってきます!
本展は、数々の貴重な美術工芸品を通して、北野天満宮のなりたちや歴史、信仰のあり方を紹介する展覧会。まさに地元・京都ならではの豪華な展示内容です。今回、展覧会の期間中に本展と北野天満宮の梅苑、宝物殿を一緒に楽しめるお得なセット券も販売されていますので、北野天満宮への訪問など、初春の京都観光と併せて回るのも風流で良いですね。
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 特別展「北野天満宮 信仰と名宝 ―天神さんの源流―」
場所 京都文化博物館
会期 2019年2月23日(土)~4月14日(日)
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お薦め美術展9 「奥村土牛展」(山種美術館)
2019年は、山種美術館が現在の広尾に移って10周年となりますが、その記念すべき10周年特別展の第1弾が、同館の近代・現代日本画コレクションの中心画家の1人である奥村土牛を特集した展覧会です。
同館創立者・山﨑種二が生前特に土牛と親交が深かったことを受け、同館の奥村土牛コレクションは、135点と豊富に所蔵。本展では、そのうち代表作である「醍醐」「鳴門」などをはじめ、約60点が出品される予定となっています。
奥村土牛「醍醐」1972(昭和47)年 紙本・彩色 山種美術館
特に作家が力を入れて制作した再興日本美術院展への関連出品作は、同館所蔵作品全35点が一挙に展示されます。初期から最晩年まで、土牛の画業を俯瞰するような展覧会になりそうです。近代・現代日本画ファンは必見です!
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 山種美術館 広尾開館10周年記念特別展「生誕130年記念 奥村土牛」
場所 山種美術館
会期 開催中~3月31日(日)
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お薦め美術展10 特別展「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」(九州国立博物館)
空海の直系の弟子にあたる聖宝を開祖とし、開創以来1000年以上の歴史を持つ京都・醍醐寺。最近では「生かされてこそ文化財」という思いから保存修復を進めるかたわら、ドイツや中国など海外でも展覧会を行うなど、所蔵する文化財を積極的に公開しています。そして、今回の「醍醐寺展」でも約15万点もの所蔵品からよりすぐった、国宝32件を含む全104件の寺宝が展示されています。
展覧会でぜひ注目したいのは、真言密教の古刹ならではの質の高い仏画や仏像群。いくつかピックアップして紹介してみます。
重要文化財「如意輪観音坐像」平安時代、10世紀、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館(撮影:森村欣司)
重要文化財「五大明王像」平安時代、10世紀、醍醐寺蔵、画像提供:醍醐寺
重要文化財「太元帥明王像(三十六臂)(太元帥法本尊像のうち)」 鎌倉時代、14世紀、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
展示期間:2/26~3/24
※太元帥明王像の読み方=たいげんみょうおうぞう
※太元帥法本尊像の読み方=たいげんほうほんぞんぞう
中でも、とりわけ存在感が大きく目立っているのが、上醍醐薬師堂の御本尊・薬師如来坐像と、その両脇に控える日光菩薩立像・月光菩薩立像です。真ん中の薬師如来坐像は、座った状態で像高が176.1cmあるので、正面に立つと非常に大きく感じます。
国宝「薬師如来および両脇侍像」平安時代、10世紀、醍醐寺蔵、画像提供:奈良国立博物館(撮影:佐々木香輔)
九州国立博物館の広い展示スペースと美しいディスプレイで、ふだんとはまた違った雰囲気で仏像を楽しめそうですね。東京展を見逃した方もぜひ九州展で!
===== 展覧会情報 =====
展覧会名 特別展「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」
場所 九州国立博物館
会期 開催中~3月24日(日)
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春直前! いよいよ美術展も本格的に始まっています!
いよいよ大型展をはじめ、2019年の春、要注目の展覧会がスタートしています。まだまだ寒いです。美術館・博物館に行かれる際は暖かくして、館内ではマスクを着用するなど、風邪には十分に注意してくださいね。地方での大型展などは、梅や桜など春を先取りするような観光地と一緒に旅行をしながら楽しんでみるのもありですね!
文・撮影/齋藤久嗣