東京に聖火が灯る日まで9カ月。熱狂の1年が、まもなく幕を開けようとしています。「スポーツの祭典」といわれるオリンピックですが、その歴史を辿るとアートとの密接な関わりがありました。
スポーツの新たな楽しみを開拓するように、2020年はアートの世界へ一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょう。今回はオリンピックとアートの関係から始まり、「JAL ART Calendar」の掲載作品と共に絢爛たる日本美術の世界の入り口をご案内します。
かつてオリンピックに芸術競技のある時代があった
1896年、ギリシャのアテネでスタートした近代オリンピック。驚くべきことに、かつては絵画、彫刻、文学、建築、音楽といった種目がありました。1912年開催の第5回ストックホルム大会から1948年の第14回ロンドン大会、そのうち合計7回の大会において「芸術競技」が正式競技として実施されていたのです。
そもそも古代オリンピックは、信仰の要素が色濃い行事。肉体美と強さで神を表現するスポーツと同じく、アートも神を表現する手段とみなし、近代オリンピックも「肉体と精神の向上の場」として「芸術競技」が採用されてきました。スポーツをテーマに芸術作品を制作し、採点で順位を競う中、日本人選手(アーティスト)たちも、絵画やデッサンの部門でメダルを獲得した歴史があります。
日本美術の入り口にふさわしいアートカレンダー
オリンピックの競技としては現在行われていない「芸術」ですが、テクノロジーの進化にともない、人種や国籍、性別、年齢、あらゆる境を超え競技とは異なるアプローチで、世界中にその楽しみが広がっています。しかし一方で、選択肢が増えたことにより、自国のアートに触れる機会は少なくなっているかもしれません。
日本各地で育まれてきた伝統的な絵画、彫刻、染物、陶芸の数々。私たちは、日本のアートをどれだけ知っているでしょうか? 日本が誇る芸術とその背景を学ぶためには作品を鑑賞するのが一番ですが、時間もお金もかかるために諦めている方も少なくありません。まずはご自宅で「日本のアートの入り口」に触れてみてはいかがでしょう。
今回ご案内する「JAL ART Calendar」は、日本が誇る貴重な美術品に解説を添えた2020年のカレンダー。美しい日本の芸術作品の数々を、月ごとにじっくりと堪能できる贅沢な仕様です。
1年を彩る作品の一部をご紹介
「JAL ART Calendar」の掲載作品は、12作品(+上記の表紙1作品)。制作された年代も背景も異なる作品の数々が、四季を彩ります。この記事では、その一部をご紹介いたします。
2月「色絵松竹梅文瓶子」
焼き物の瓶子(へいし)でこれほど凛とした気品が漂う造形は貴重。造形を生かしきった構図が特徴的な、備前の鍋島藩窯(はんよう)最盛期の逸品です。
5月「帝釈天騎象像」
真言密教の根本道場・東寺の講堂に安置されている仏像二十一体からなる立体曼荼羅のうちのひとつ。この帝釈天は、後世の修理のあとがみられますが、その端正な顔立ちから多くの仏像の中でも特に人気があります。
9月「深鉢形土器」
関山式土器とも呼ばれる、底部から口縁部にいたる面に多様な縄文を組み合わせ、幾何学模様などを描いた作品。縄の撚り目(よりめ)や回転方向、複数種類を組み合わせた構成から、当時の技術力の高さをうかがえます。
11月「金銅透彫尾長鳥唐草文華鬘」
華鬘(けまん)とは、仏堂の柱などに吊るして室内を飾る仏具のこと。日本では奈良時代(8世紀)以降、盛んに制作されるようになりました。全体的に繊細で優しい表現が、時代的な特徴を示しています。
日本が誇るアートと共に、記憶に残る1年を
「JAL ART Calendar」では、日本文化が生み出した貴重な美術品の数々を、さらに詳しい解説と共にご紹介しています。英語版は英文解説となっており、日本へ訪れる海外のお客様への贈り物としてもおすすめです。記念すべき2020年を迎えるにあたり、ご購入を検討されてみてはいかがでしょう。
「JAL ART Calendar」の商品情報
JALが国際線の就航を果たした1954年、海外へ日本の文化を紹介するために生まれたカレンダーです。JALカレンダー第一号として、創刊から現在に至るまで長きにわたり、国内外の多くのお客さまへ日本の美や文化を紹介し続けています。
価格:1,980円 (税込)
サイズ:30×42cm(展開時60×42cm) 12枚
商品詳細(日本語版):https://store.jalbrand.co.jp/products/detail.php?product_id=73
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