東京国立博物館で11月26日まで開催中の「運慶展」。円熟期の運慶によって手がけられた肖像彫刻など、普段は遠くからしかみることができない作品を、近くで鑑賞できる貴重な機会!
仏師・運慶に関する史上最大規模の展覧会が東京国立博物館で開催される。30体ほどしか存在しないといわれている運慶仏のうち、22体が集結する。無著菩薩立像(むぢゃくぼさつりゅうぞう)は、運慶が円熟期に手がけた古代インド学僧の肖像彫刻。
無著菩薩立像 国宝 建暦2年(1212)頃 木造 彩色 玉眼 像高 193.0㎝ 奈良、興福寺
水晶を用いた目は生気を宿してキラキラと輝き、皺や柔らかな口元が年齢を感じさせる。まるで本人を目の前にして造ったかのような、迫力ある描写だ。興福寺で特別公開されることもあるが、遠くからしか見ることはできない。会場で近寄って像高約2メートルの迫力を堪能したい。