誌上で2年間にわたって連載していた「辰巳芳子さんと日本美を探して」が、この度、単行本『辰巳芳子のことば 美といのちのために』として、1冊にまとまりました。連載中、度々私たち読者の心をぐっととらえた、まさに“美味しい”名言の数々を抽出し、日本美を伝える写真とともに掲載しています。
美しく生きるための「気づき」に満ちた名言集
『辰巳芳子のことば 美といのちのために』は、辰巳芳子さんの93歳の誕生日(12月1日)を記念して発売されました。連載時と同じく、序章と最終回特別編(上智大学竹内修一教授との対談)を加え、十二章立て。連載時に掲載できなかった多くの写真も新たに加わり、辰巳さんのことばをより印象的にデザインすることで、美しい「ヴィジュアル名言集」となりました。
今回の本には、辰巳さんからの「単行本刊行によせて」という文章も加わっています。この中で辰巳さんは、
「日ごろ料理に携わる者として、金柑を煮るときの煮姿にも、大根おろしにも、そして、さらし葱にも『美』があると感じていたので、一緒に日本の美を考えるという、お仕事をお引き受けいたしました」
と、連載開始時のエピソードを明かしてくださいました。また昨今の緊迫した国際情勢、深刻化した温暖化や人口問題を前に、
「どんなに世の中がひっくり返るようなことが起こっても、決して『美』はなくなることはないと私は確信しています」
と締めくくっています。全168ページ、コンパクトな新書判ですので、いつも身近におき、辰巳さんの滋味深い言葉を繰り返し読み返してください。
『辰巳芳子のことば 美といのちのために』
¥1,512(税込)新書判 168ページ