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2023.09.29

クイズ!どちらが「役者絵」でしょう!「美人画」との見分け方を解説!ヒントは額のアレ

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浮世絵の人気ジャンルとして、「美人画」と「役者絵」があります。 吉原遊郭の花魁や町で評判の看板娘など、年齢も職業も様々な女子の姿を描いたのが「美人画」。歌舞伎役者を描いたものが「役者絵」です。

さて、次の浮世絵はどちらでしょう!!

三代目歌川豊国「東海道五十三次の内 平塚 万長娘おこま」 国立国会図書館デジタルコレクション

正解は…

役者絵!

見分けるポイントのひとつはここ

「紫帽子(むらさきぼうし)」「紫の帽子」と呼ばれる紫色の布です!
この「紫帽子」を前髪に当てているのが女方を描いた「役者絵」です。

現在の私たちがイメージする帽子とはちょっと違いますが、江戸時代の被り物の一つでした。時代により、形や大きさなどが異なりますが、紫色という色は共通しています。江戸時代は鬘(かつら)の技術がまだ未熟で、生え際をうまく処理することがでなかったため、紫帽子を使用して生え際を隠しました。

※なお、役者絵では女方の紫帽子はお約束ではなく、紫帽子がない女方を描いていた役者絵もあるのでご注意ください。浮世絵の褪色により、紫帽子が紫色に見えないこともあります。

ちなみに、襲名公演などの「口上(こうじょう)」の舞台では、真女方(まおんながた/女性の役のみを演じる女方)の場合は中振袖に裃が正装で、前髪に「紫帽子」という布をかけて、家紋を彫った簪(かんざし)で留めています。これは「口上の帽子」と呼ばれ、歌舞伎の黎明期に男性が女性を演じる際に、頭に手拭いをのせて月代を隠すと色気が漂うことを発見したことが源だと言われています。

安達吟光「大江戸しばゐねんぢうぎやうじ 披露目の口上」 国立国会図書館デジタルコレクション

現在の歌舞伎でも、襲名披露の口上で、女形俳優が紫帽子をつけている姿を見ることができます!

「役者絵」についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
浮世絵で美人画か歌舞伎の役者絵か見分けるポイント・特徴を解説

アイキャッチ画像:(左)一勇斎国芳「山海愛度図会 くすぐったい」(右)三代歌川豊国「蛍狩当風俗」より 国会図書館デジタルコレクション