このところ、自宅がしっちゃかめっちゃかです。そしててんやわんやです。で、てんてこ舞いでめちゃくちゃです。
頭の中がこんな感じなのは通常運転ですが、今のこれはまた別件なので早いところ何とかしないといけません。
ところで、和樂webの記事ジャンル並みにカオスな状況にあって、ふと思ったのです。「しっちゃかめっちゃか」って、「めちゃくちゃ」って、どういう意味なんだろう? 「てんやわんや」って何か食べ物のお店? 「てんてこ舞い」ってどんな舞?
己の大パニックを収めるべく、ちょっと冷静になって意味と語源を探ってみました。
さあ出でよ、小学館『日本国語大辞典』!(こんなこと言ってて本当に冷静なんだろうか……)
「しっちゃかめっちゃか」とは?
「しっちゃかめっちゃか」の意味は、
物事の混乱したさま。めちゃくちゃ。
……あれ? 語源が出ていません。別の辞書にも掲載はなく、ネット上の諸説はいずれも出典不明。有力な語源説は今のところないのかもしれませんね。
「めちゃくちゃ」とは?
「めちゃくちゃ」の意味は、
(1)まったく筋道のたたないこと。前後を考えずに事を行なうこと。また、そのさま。めちゃめちゃ。めちゃ。むちゃくちゃ。
(2)どうにもならないほどこわれること。まったく悪い状態になること。また、そのさま。めちゃめちゃ。めちゃ。むちゃくちゃ。
(3)程度が並はずれてはなはだしいさまを表わす語。めちゃめちゃ。むちゃくちゃ。
なお、
「くちゃ」は語調を整えるために添えたもの。「滅茶苦茶」「目茶苦茶」はあて字
だそうです。
「くちゃ」に意味がないのなら、「めちゃ」は何なのか。ということで、今度は「めちゃ」の項目へ。
「むちゃ」の変化したものか。
何かこう、たらい回しされている感があるわけですが、めげずに「むちゃ」へ。
(1)仏教語ムサ(無作)から出た語か〔国語音韻論=金田一京助〕。仏教語無作から出た語で、中世から近世にかけて行なわれた副詞ムサトのムサの転か〔上方語源辞典=前田勇〕。
(2)来客に茶を出さないのは常識外れとされたところから〔ことばの事典=日置昌一〕。
なるほど。ようやくたどり着きました。
ちなみに、「めちゃくちゃ」をさらに強くした「ちゃちゃめちゃくちゃ」というのもあるそうなのですが、解説欄の同義語一覧は以下の通り。
ちゃちゃむちゃ。ちゃちゃむちゃく。ちゃっちゃむちゃ。ちゃっちゃむちゃく。ちゃっちゃむちゃら。ちゃちゃむちゃこ。ちゃちゃむちゃく。ちゃちゃめちゃくちゃ。ちゃちゃほうちゃ。ちゃちゃもちゃ。
ゲシュタルト崩壊しそうです……。
「てんやわんや」とは?
「てんやわんや」の意味は、
各自が勝手にふるまって騒ぎたてること。大勢が先を争って混乱すること。また、そのさま。
語源もすっと出てきました。
各自が勝手にの意の「てんでん」と、むちゃくちゃの意の「わや」または「わやく」が結合してできたもの
予想に反して、食欲系はまったく関係ありませんでしたぁ!
「てんてこ舞い」とは?
「てんてこ舞い」の意味は、
(1)あることの準備や対処のため、きわめてあわただしく立ち回ること。
(2)喜んで小踊りすること。
(3)うろたえてたち騒ぐこと。あわてること。
へええ、喜んで小踊りする、という意味もあったんですね!
語源は、
「てんてこ」は太鼓の音。太鼓の音に合わせて舞うこと。
だそう。踊らされて主導権を失い、きりきり舞いしている、といったところなのでしょうか。
なお、漢字で「天手古舞」と書くこともありますが、「天手古」は当て字なのだそう。
あ、「きりきり舞い」は
片足をあげて体を勢いよくまわすこと。また、そのように、忙しくあわてふためいて立ち働いたり、困難にぶつかってあわてたりすること。てんてこまい。
だそうです!
以上、現場からお伝えいたしました!
参考文献:
・『日本国語大辞典』小学館
アイキャッチ画像:岳亭春信『かやう六番つづき』メトロポリタン美術館より