2017年12月17日まで、畠山記念館で「新収蔵記念 近代数寄者の交遊録 -益田鈍翁・横井夜雨・畠山即翁」が開催中です。
稀代の茶人3人の交流を辿る企画展
近代の日本経済界を牽引した実業家であり、有数の日本美術コレクターで、茶人でもあった益田鈍翁の80年忌にあわせ、その茶友・横井夜雨、さらに畠山記念館創立者の畠山即翁の、3人の数寄者の交流にスポットを当てる企画展。それぞれの旧蔵品や好み物、自作の書画や茶道具が並びます。特に見逃せないのは、重要文化財に指定されている柿の蔕茶碗「銘 毘沙門堂」。
重要文化財「柿の蔕茶碗 銘 毘沙門堂」朝鮮時代 畠山記念館蔵
柿の蔕茶碗は高麗茶碗の一種で、茶碗を伏せたときの様子が柿の蔕のように見えることにその名は由来します。実は、畠山記念館には「毘沙門堂」という茶室があり、この庵号は即翁が柿の蔕茶碗「銘 毘沙門堂」を手に入れたことにちなんで、鈍翁が揮毫したものなのだとか。名碗との出合いを喜ぶ茶人たちの姿が目に浮かぶようなエピソードです。
渡辺喜三郎作 棗「銘 日の丸」大正〜昭和時代 畠山記念館蔵