次の関西出張の折にはぜひゆっくり立ち寄りたい…と目論んでいるのが、新神戸駅から徒歩5分という素敵な立地にある竹中大工道具館。建設会社の竹中工務店が1984年に設立した、大工道具や建築にまつわるあれこれを展示する日本唯一の大工道具の博物館です。
写真左:館内に設えられたスケルトン茶室。京都大徳寺の塔頭、玉林院の「蓑庵(さあん)」という茶室を写したもの。写真右:新神戸駅から徒歩約5分、緑も美しい竹中大工道具館。
スケルトン茶室!?
3月1日発売の和樂4・5月号でもご紹介しているのですが、この博物館にはなんとスケルトン茶室があります。壁や畳を入れずに骨組みだけで建っているもので、日本美が大結集したような茶室の構造がよくわかります。それが館内に建っているのです。茶の湯や茶室に興味がなくても、これはきっと楽しめるはず。茶の湯になじんでいる方なら言わずもがな、です。
そして、美しいものをつくるための道具は美しいに決まってる…ということで、日本の建築を支える大工道具も美しい!ジャンルにかかわらず、「道具」って惚れ惚れしますよね~。
マリメッコデザインがもつ「パターン、カラー、かたち」を、「空、森、庭」で表現した展示。サウナ小屋と茶室(写真奥)を建て、フィンランドと日本の文化を対面させています。
人気の北欧スタイル、マリメッコに極まる!
そんな竹中…つながりで、竹中工務店の東京本社1階にあるギャラリーエークワッドでの展示をご紹介しましょう。
フィンランドを代表するブランド〝マリメッコ〟による展覧会「marimekko SPIRIT Elamantapa(エラマンタパ)~マリメッコの暮らしぶり」です。マリメッコは「マリのドレス」という意味で、大人乙女な柄や、シンプルでキュートなデザインで人気。ワンピースやカットソー、テーブルウエアや家具などの商品から、自作の洋服やインテリアグッズができちゃうファブリックの販売もしています。
写真上:薪ストーブ式のサウナ小屋。ホットストーンが置いてあるので、実際に体に当てて温まることもできます。
写真下:マリメッコ茶室の「真理庵」。床の間にはマリメッコのファブリックの軸がかかり、マリメッコのテーブルウエアなどを茶道具に見立てた点前座が。炉にはガラス製の釜がかけられています。
茶室とサウナの深イイ関係
そんなマリメッコが、茶室とサウナを題材にしたこの展覧会。一見「茶室とサウナ?」と思うかもしれませんが、そもそも侘茶を大成させた千利休よりずっと前の茶の湯は、「まぁひと風呂浴びて、ちょいと飲みましょうや」といった、ぐっとリラックスしたものだったとか。フィンランドの生活に欠かせないサウナ文化と、リンクするところがあるのですね。
マリメッコ好きはもちろん、〝茶の湯な方々〟や、テキスタイルや建築に興味のある人まで、きっと楽しめるこの展示。2月28日(水)までなので、急いで急いで!(たまこ)