Dyson 尚子

京都出身のフリーライター。北海道から九州まで日本各地を移住。現在は海と山に囲まれた海鮮が美味しい町で、やはり馬車馬の如く執筆中。歴史(特に戦国史)、社寺参詣、職人インタビューが得意。

全275件、1-18件を表示中

そこまでする?地下トンネルに、上着に詰め込む禁制品!「抜荷」と長崎奉行所の仁義なき攻防戦

かつて江戸幕府の直轄地のひとつであった長崎。
その地に、今なお現存するのが。
長崎奉行所の判決記録『犯科帳』だ。

寛文6(1666)年から慶応3(1867)年の幕末まで。
およそ200年間の記録で、全部で145冊ほどになるという。
当時の膨大な資料が、原爆の被害を受けた長崎に残っているのは、
まさに奇跡と言っていいだろう。

『犯科帳 長崎奉行の記録』(森永種夫著)によると。 
前後通じて犯科帳に記録された犯罪の数は、約8200余件。
そのうち一番多い犯罪はというと。
──「抜荷(ぬけに)」
今でいう「密貿易」のことである。

当時の長崎では。
一攫千金を夢見る有象無象が。
甘い花蜜に群がる蝶のように。
引き寄せられては、散っていったのである。
Dyson 尚子

真意はどこにある?情けをかける加藤清正、荒療治の武田信玄!戦国武将爆笑エピソード集(狡猾編)

「狡猾」って言葉。
じつはそこまで嫌いじゃない。

──ずるくて、悪賢い
そんな意味で、大抵の辞書には説明されている。
裏でいひひひと嗤(わら)う卑怯者というイメージだ。

でも、「ずるい」とか「悪賢い」って。
一体、誰の視点で判断されてるんだって。
ちょっと疑問に思ったりする。

結局さ、何を一番に考えるかで。
物事の善悪はごろりと変わっちまうんだ。
特に、生と死がいつも隣り合う戦国時代ではさ。
Dyson 尚子

計れない「強さ」をアピールしたいなら。豊臣秀吉・伊達政宗の場合 戦国武将爆笑エピソード集(怪異編4)

「ねえ、どれくらい、わたしのコトが好き?」

目をキラキラさせたわたしは、いずこへ?
そんな甘ったるい言葉を口にした日から
ゆうに100年ほど経ったように思うのは気のせいか。

この「どれくらい」という言葉には。
どうやら魔物が潜んでいるように思う。
「どれくらい好き?」
「どれくらいキレイ?」
「どれくらい強い?」
答えは無限大。
日本で、世界で、地球規模でって、広げればキリがない。

だからこそ。
逆に、具体的に特定されず、あえてぼかしたい時にはとても便利である。
誰にって?
決まってるじゃん。いつもの、彼らだよ。戦国武将たちだよ。
Dyson 尚子

クールな姿で涼しさアップ?分析する徳川家康、意外なオチの蒲生氏郷!戦国武将爆笑エピソード集(冷静沈着編)

夢から覚めると、自分の姿が毒虫に変わっていた……。
そんな衝撃的な設定で始まる名著、カフカの『変身』。
その中にこんな一文がある。

──やけになって決心するよりも冷静に、きわめて冷静に思いめぐらす方がずっといいのだ

是非とも、このアドバイスをとある人々に捧げたい。
生き延びるだけでも過酷な戦国時代で、大変苦労した名もなき人々。
いつだって、彼らは捨て身覚悟の毎日なのだ。
Dyson 尚子

博多にある「濡衣塚」ってナニ?「濡れ衣」の語源となった奈良時代の悲劇に迫る!

ある日の昼下がり。
記事のネタ探しで、鼻歌交じりにマウスを動かしていたその時だった。
自然と手が止まる。

目に飛び込んできたのは「濡衣塚(ぬれぎぬづか)」という文字。

──ああ、可哀そうに
──きっと誰かが濡れ衣を着せられたんだねー

そう、ひとり呟きながら。
一体、どんな罪を着せられたのかと調査していくと。



ダイソン、久しぶりに固まった。
まさかのまさか。
先ほどの「濡衣塚」が本家本元。

つまり、この塚こそ。
かの有名な「濡れ衣」の言葉の語源といわれる事件の塚だったのである(諸説あり)。
Dyson 尚子

「ういろう」の伝来は博多から?戦国時代の豪商らが眠る妙楽寺へ(ダイソンの寺社探訪―妙楽寺・福岡県)


静かだ。
とても静かだ。

目を閉じれば。
先ほどの街の喧騒がウソのよう。
駅前に押し寄せる人の波も、大通りを行き交う車の姿も。
何もかもが幻だったかと思うほど。

「静かだと。皆さん、そう言われますね。うちは博多駅の近くですけれども、参道が長いおかげで、外の車の音とかあまり聞こえないですね」とご住職。

そうなのだ。
まさか、ここが。
あの賑やかな博多の町の中だなんて。

そんな驚きから始まった、今回のダイソンの寺社探訪。
もちろん、これだけではない。
さらなる「新発見」が待っていたのである。
Dyson 尚子

懐の深さは折り紙付き?豪快な豊臣秀吉、余裕の伊達政宗 戦国武将爆笑エピソード集(F・F編)

今回の記事は、本編に入る前に。
まずは、サブタイトルの解説から。

じつにこれまで長い間。
「戦国武将爆笑エピソード集」を書いてきたが。
最近になって、困りごとが出てきた。
というのも、サブタイトルがスパッと決まらないのだ。

「怪異編」「シゴデキ編」「胸キュン編」。
これらはビビッと閃いたからか。
内容を端的に表していて、とても気に入っている。

だが、今回のように「懐が深い」逸話となると。
なかなか、どうして。
ゴロの良いモノが浮かばない。
さらに、次回予定している「冷静沈着」な姿が魅力の逸話となると。
その苦労は言うに及ばず。

そんな悩みから、ダイソンが導き出した戦略は……
「省略」か「造語」。
この2択だったのである。
Dyson 尚子

レア度MAX!「白ナマズ様」が美肌を運んでくれる? 佐賀県豊玉姫神社【ダイソンの寺社探訪】

「ほほう……コチラが、例の……」
誰に話しかけるでもない。
思わず心の声が漏れ出た。

遠くからでもはっきりと分かる。
小さなお社の中に見えるのは。
なんともフォルムが独特の生き物。

薄くて平べったくて。
白くてつやつやして。
少し濡れてる「白ナマズ様」。

とはいえ、実際に生きているワケではない。
白磁の「白ナマズ様」である。

今回の記事は、なんとこの「白ナマズ様」が主役なのだ。
Dyson 尚子

道で困っている人に出会ったら?織田信長と徳川家康の優しさにキュンキュン!戦国武将爆笑エピソード集(胸キュン編)

春はキュン。

えっ? 「春はあけぼの」じゃないのと思われた方。
いいえ、違います。断じて違います。
ダイソンが自信を持って否定します。

春とくれば、キュン。
だって、春ってさ。
切ない別れと共に、胸ときめく新しい出会いが訪れる季節じゃないか。
なんなら桜も咲いて、景色までピンク色に染めてしまう。

つまり、春はキュンキュンする季節であり、
キュンキュンとくれば、戦国武将というコトで。
ゆえに、春は戦国武将にキュンキュンする季節なのである(少々強引)。
Dyson 尚子

謎の死を遂げた「松平忠恕」が悲運の藩主と呼ばれる理由【「島原大変肥後迷惑」続編】

寛政4(1792)年4月1日(現在の暦で5月21日)。
長崎県島原半島を襲った大災害。
島原の町は山崩れと大津波で壊滅状態となった。
俗にいう「島原大変肥後迷惑」である。

その18日後の同年4月19日(現在の暦で6月8日)。
1人の男が巡視のために島原城下を訪れた。

四月十九日城内外ヲ巡視スルヤ大手門ニ至リ市街ノ災場ヲ見テ涙下リ
(島原市仏教会編「たいへん : 島原大変二百回忌記念誌」より一部抜粋)

大手門外の床几(しょうぎ)に腰をかけ、ゆっくりと城下を見渡す。
土砂で埋まり、家屋は流され、見る影もない島原の町。
言葉を失うほどのあまりの惨状に、ただ涙をこぼしたという。

男の名は「松平忠恕(まつだいらただひろ)」。
「島原大変肥後迷惑」で被災した当時の島原藩藩主である。

その涙から8日後の同年4月27日(現在の暦で6月16日)に死去。享年51。

一体、彼に何があったのか。
その真相を探るには、彼が生きた時間を遡る必要がある。

島原藩藩主「松平忠恕」が歩んできた人生。
それを知って初めて。
彼の涙の意味、死の真相に近付けるのだ。
Dyson 尚子

犠牲者約1万5千人!史上最悪の自然災害「島原大変肥後迷惑」の跡を訪ねて

「対岸の火事」という言葉がある。

対岸で起こった火事、つまり、こちらの岸ではないのだから、災いの及ぶ心配がない。
そこから、自分には関係がなく、何の苦痛もないという意味を表す。

そう、普通なら。
対岸の出来事は、そこで終わるもの。
だが、しかし。
今から234年前のこと。
対岸など関係なく、海を飛び越え、両岸を襲う大災害が起こったのである。
Dyson 尚子

信長の「比叡山延暦寺焼き討ち」から逃れた仏像が長崎に?時代を超えた謎を追って

今回は、珍しくストレートに。
冒頭で記事のテーマを発表することにしよう。

なんでも、とある場所に。
あの信長の「焼き討ち」から逃れた……があるそうな。

「えっ?」(by読者の皆さん)

だからぁ。
ほら、あの織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちしたやん?

「えぇ…(いや、聞きたいのはそこじゃなくて)」(by読者の皆さん)

どうやら、その時にさぁ。
延暦寺から持ち出された……があるらしくて。

「えぇ…(大事な部分が聞こえないんですけど)」(by読者の皆さん)

もうビビり過ぎて、声も出ーへんやろ?
今回の記事は。うーん。せやな、一言でいうと。
その貴重な……を拝みに行くっちゅうコトで。
Dyson 尚子

日本一のお多福面だけじゃない? 隠された御利益に迫る・長崎県諫早神社【ダイソンの寺社探訪】

これは、2025年夏、諫早(いさはや)市内の美容室を訪れた時の会話である。
九州内にある神社の話でしこたま盛り上がったところで。
某神社の名前が出てきた。

「今年、くぐられました?」
「えっと……何を?」
「お多福面」
当然のように言われて、正直、面くらった。
「おた、おたふく……めん?」
「そうですよお、お多福面。あのおっきいの」

なんじゃ、そりゃ。そもそも、お多福面ってなんやねん。
心の中で関西弁が思いっきり暴れ回る。
「お多福」はわかる。
いや、「お多福面」までもフツーに想像できる。
ここまでは理解が追い付くのだが。いかんせん「お多福面をくぐる」と続くと、急に意味不明の文章になってしまう。

そんな会話をふと思い出した、2026年1月下旬。
私はその「お多福面」の前に静かに立っている。
あの時の「くぐる」という言葉の意味を
今ようやく理解したのである。
Dyson 尚子

こんな主君はイヤだ! 武田信玄の“お気に入り美男子”がまさかの… 戦国武将爆笑エピソード集(怪異編3)

チャイコフスキーの代表作の1つである「弦楽セレナード」。
この曲名だけでメロディを思い浮かべられる人は、そう多くはないだろう。
だが、TVの某有名CMで流れた曲だといえば、どうであろうか。

会社内で伝書鳩を飛ばす社員、馬に乗って出社する社長……。
「上司に恵まれなかったら……」
「会社に恵まれなかったら……」
──オー人事、オー人事
ああ、あれねと。
少し古いCMだが、メロディを思い出すには十分だ。

さて、今回の記事は。
是非とも、この「弦楽セレナード」をバックミュージックに添えていただきたい。
なぜなら、これは。
生き延びるだけでも大変な戦国時代での「哀しき家臣たちの涙の物語」だからだ。
Dyson 尚子

宮崎の最南端に「ウマの楽園」? 日本の在来馬「御崎馬」と絶景に出会う旅

車が1台。
歩く私たちを、ゆっくりと抜き去っていく。

それからしばらくして。
遥か先で車はゆるゆると止まり、そのまま動かなくなってしまった。
見ていると、運転席から1人の男性が慌てて降りてくる。
スマホ片手にくるりと振り向き、車の向こう側を背景にピースで自撮り。
数枚撮影した後、運転手はしばし立ち尽くしていたが、車内へ。

一体、何事かと思っていると。
今度はその車がそろりとバックしてくる。
止まったかと思うのも束の間、すぐにまたバック。その繰り返しだ。

そして、とうとう。
近くまで下がってきたところで、驚きの光景に目を奪われた。

──かわいい仔馬が、車に頭突きをかまそうとするシュールな姿

確かに、これなら車も衝突を避けて下がるしかないだろう。
ようやく一連の不可解な動きのナゾが解けたのである。
Dyson 尚子

その「無視」が命取り。今川義元・大内義隆、悲劇の結末とは? 戦国武将失敗エピソード集(怪異編2)

──失敗したことはない。うまくいかない1万通りの方法を発見しただけだ

かの有名なアメリカの発明家「トーマス・エジソン」の言葉である。
だから、挑戦を続けていれば必ず道は開ける。成功へと繋がるのだと。
そんな意味合いで、相手を叱咤激励する場合に使うことが多い。

だが、失敗が成功に変わるためには。
1つの前提条件がある。
それは「生きる」というコト。

そもそも、すべては「命」あってのこと。
命が尽きれば「失敗」でさえも経験できないのだ。
Dyson 尚子

あれもこれも「カエる」? 約1万のカエルが出迎える幸せの寺・福岡県如意輪寺【ダイソンの寺社探訪】

風鈴の音色に誘われるがまま。
足を踏み入れると。

ここにも。
あそこにも。

新緑の木々の間から見え隠れする、あの丸みを帯びた形。
大きいモノから小さいモノまで。

──そこは、カエルが集まる異空間でした
Dyson 尚子

菅原道真公も愛した梅の木6000本! 太宰府天満宮「梅守」に聞く、特別な絆とは?

「ちょうど、ものすごい量の紫蘇(しそ)が(あるから)ね」と1人目の男性。

「そう、明日から紫蘇摘み。この色をつけるために」
2人目の男性が指さす透明の容器。
入ってるのは濃い赤紫色に染まった見事な「梅干し」だ。

「みんな、(紫蘇を)手でちぎって。揉んで、塩を振って。原材料は梅、紫蘇、食塩だけ」と3人目の男性が笑う。

そんな3人のやり取りを前に、時折、自分のいる場所を忘れてしまう。
一体、私はどこで何の取材をしているのかと。

ズバリ言おう。
ここは「梅干し」の会社ではない。
日本全国の天満宮の総本宮、学問の神様としても有名な菅原道真公を祀る「太宰府天満宮」なのである。
Dyson 尚子

人気記事ランキング

最新号紹介

10,11月号2026.09.01発売

愛♡日本美術の超名品100

※『和樂』6/7月号「和樂スタッフの「推し民藝」P75「『勝山スズ竹伝統工芸』の米とぎザル」の記載に誤りがありました。
(誤)静岡(正)山梨 となります。お詫びして、訂正します。
※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア