東京大茶会に行こう!!
みなさん、日本の首都「東京」の中枢で行われる和の世界、「東京大茶会」をご存知ですか?
「東京大茶会」は、日本の伝統文化・芸能を国内外へ広く発信し、「和の心」を次世代に継承することを目的に、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京が、開催しているお茶会です。昨年の来場者数は、2会場合計で、なんと2万人!今年は12年目にあたり、10月5日(土)と6日(日)は江戸東京たてもの園にて、10月19日(土)と20日(日)は浜離宮恩賜庭園にて行われます。
茶道や茶会というと難しくてハードルの高い印象をお持の方もいらっしゃるでしょうが、東京大茶会は、日ごろ茶道に馴染みのない方や、子ども、外国の方など、誰でも気軽に参加できるイベントです。初めての方でも、「和の心」を感じ、楽しんでいただけることを保証します!ご家族・お友達・恋人と、もちろん一人でも、是非とも足をお運びください!
来年は東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、海外の方と接する機会も益々増えてくるでしょう。海外の方に自信をもって日本の文化を紹介できるよう、私たち日本人の「侘び寂び」の価値観、日本の総合文化である茶道の世界を、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょう?
茶席や野点が気軽に楽しめる!
東京大茶会では、江戸東京たてもの園と浜離宮恩賜庭園の2会場で、たくさんのプログラムが予定されています。どれも気軽に茶道を体験いただけますので、気軽に足を運んでみてください!
両会場共通プログラム
1、本格的な茶会が体験できる「茶席」(700 円)※
2、屋外で気軽に茶道の楽しさに触れる「野点(のだて)」(300 円)
3、二人一組でお茶を点てながら茶道の基本を学ぶ「茶道はじめて体験」(300 円)
※茶席の事前申し込みは終了しました
共通プログラム+江戸東京たてもの園のプログラム
4、日本語と英語で茶道を説明する「WELCOME!英語で楽しむ茶席」(700 円)
5、子供たちが茶道に触れる「子供のための茶道教室」(200 円)
共通プログラム+浜離宮恩賜庭園のプログラム
6、「WELCOME!英語で楽しむ野点」(300 円)
7、煎茶のお点前が楽しめる「煎茶で楽しむ野点」(300 円)
8、高校生たちがお茶をふるまう「高校生野点」(300 円)
ルーツは桃山時代、秀吉の「北野大茶湯」
1587年(天正15)10月1日、豊臣秀吉は天下統一を成し遂げた後、北野天満宮にて「北野大茶湯」を開催しました。これが、東京大茶会のモデルとなっています。
秀吉は、「お茶が好きであれば、身分も貧富の差もなく誰でも参加できる」茶会として、全国から1000名以上の参加者を集めました。設けられたお茶席は800席とも1500席ともいわれています。秀吉みずから亭主をつとめ、素晴らしいお道具の数々も披露されました。
しかし、10日間の開催を予定していたにも関わらず、わずか1日で終了してしまいました。肥後で一揆が起こったことが原因と言われていますが、他にも秀吉の気まぐれ説や、人があまり集まらなかった説もあります。
そんな北野大茶湯の、誰もが平等にお茶を楽しめるという素晴らしいコンセプトは、東京大茶会にも引き継がれています。
東京大茶会の会場ガイド
江戸東京たてもの園
「江戸東京たてもの園」は、JR中央線の武蔵小金井駅、または西武新宿線の花小金井駅からバスで5分、東京の中の大自然、都立「小金井公園」内にあります。江戸東京博物館の分館として、江戸時代から戦後までの文化的価値の高い歴史的建造物30棟を移築し、復元・保存・展示し、文化遺産として次代に継承しています。
「茶席」会場の一つである「高橋是清邸」は、第20代の総理大臣・高橋是清の住居の主屋だった部分です。また、移行された建造物の中には、「子宝湯」など、スタジオジブリの作品「千と千尋の神隠し」のモデルとなった建物もたくさんあります。
浜離宮恩賜庭園
「浜離宮恩賜庭園」は、都営大江戸線の汐留駅・築地市場駅、ゆりかもめの汐留駅から徒歩7分、JR・東京メトロ銀座線・都営浅草線の新橋駅から徒歩12分、まさに「都心のオアシス」です。江戸時代は徳川将軍家の別邸であり、明治維新の後は皇室の離宮になりました。
東京湾から水を取り入れており、都内唯一の海水の池があります。また、汐留の再開発により、汐留の山のような高層ビルの借景も、都心ならではの美しい景色となりました。国の特別名勝および特別史跡に指定されています。
東京大茶会を楽しむために
最後に、このお茶会を楽しんでいただくために、幾つかのポイントをお伝えしたいと思います。
まず、茶道のマナーですが、東京大茶会は、誰でも気軽に参加できることをコンセプトにしているため、さほど気にする必要はないかと思います。ただし、Gパンなどは避けた方が無難でしょう。また、茶碗などの道具を傷つけないよう、時計や指輪は外した方がよいと思います。とはいえ、あまり堅苦しく考えないで、何よりも、お茶を美味しく飲んで、和の雰囲気を心から楽しみましょう。
そして、初めてお茶会に行かれる方には、是非、お茶を通して、季節を楽しんでほしいと思います。
春や秋はお茶会のベストシーズンでもあります。掛け軸、お点前の各種道具、お茶碗やお菓子にも、例えば、紅葉、収穫、月、虫など、たくさんの「秋」が表現されていることと思います。屋外で行われる野点では、自然の中で「秋」を感じられることでしょう。五感を使って「秋」を満喫していただきたいです。
日常生活の中で季節を感じることが少なくなってきている現代、日本の美しい四季を再確認し、四季の楽しみ方を思い出す機会になると思います。
そして、東京大茶会の大きな特徴ですが、1つの流派が行う茶会とは異なり、1度にたくさんの流派のお茶が楽しめます。いくつかのプログラムを回る中で、流派ごとの違いも見てみるともっと楽しめますよ。
都心で行うお茶会として、忙殺された日常から一瞬だけでも離れ、季節を楽しみ、心落ち着ける時間を過ごしてみては。
東京大茶会2019公式webサイト:https://www.tokyo-grand-tea-ceremony2019.jp/