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10,11月号2024.08.30発売

大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Gourmet
2019.11.05

愛知、犬山城下町で1日お散歩観光!インスタ映えスイーツやおすすめスポットをまとめて案内。

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国宝犬山城は、日本最古の木造天守を持ち、行きたいお城ランキングでも常にトップ10に入る名城ですが、その魅力は天守だけにとどまりません。犬山城は城下町と一体となったいわゆる総構えの町づくりで、400年以上前の江戸時代から変わらない町割り(町の区画)がそのまま残っている貴重な城下町なのです。

今、その犬山城下町がオリジナルスイーツであふれ、若い女性を中心に大人気となっているのをご存じですか?
週末ともなれば、原宿竹下通りの様相で、スマホ片手にインスタ映え写真を撮る姿があちこちで見られます。さらに人気のお店には大行列が!まさに天下無敵のスイーツパラダイスとなっているのです。

串グルメからパフェまで、スイーツ求め行列をなす

犬山名物の一つ、味噌田楽にちなんで、串カツ、串焼き、なんでも串に刺して味わおうと、食べ歩きが楽しめる「串グルメ」が人気を呼んでいます。

うなぎの寝床のような「昭和横丁」

ディスプレイやPOPも昭和レトロで懐かしい味わい!

ハイカラ恋小町セットは、フルーツやあんなど8種類の味が楽しめる見た目もとってもかわいいカラフル団子にグリーンティがついて600円。季節ごとの味が楽しめます。

◆茶処 くらや
電話番号 0568-65-6839
営業時間 11:00~17:00
定休日 火曜日

手作り甘ダレが絶品の「山田五平餅」


初代犬山串キングとなった美濃地方ではおやつとして親しまれている五平餅。ここは、わらじタイプではなく、丸い団子状で、くるみ、ゴマ、ピーナッツを味噌であえた香ばしく甘いたれが絶妙です。1本100円。

◆山田五平餅
電話番号 0568-61-0593
営業時間 11:00~16:30
定休日 月曜日

町ぐるみのイベントでお腹も心も満たされる!

レトロな街並みと話題のスイーツがあいまって若い女性や外国人が急増の観光地となった犬山。街中をよしもとの若手芸人が引く人力車に乗って観光ができたり、有志の甲冑隊が戦国ムードを盛り上げてくれたり、市や観光協会、企業、NPO、学生などが一体となって、町ぐるみのイベントやキャンペーン企画を立ち上げています。地元の人々が、訪れた人たちをもてなそうとする意気込みが随所から伝わって、江戸情緒を満喫しながら、美味しく食べて、楽しめて、そして歴史にも触れられる、満足度の高いレジャースポットになっているのです。


城最中とコーヒーゼリーの相性抜群!


お城ごと食べちゃうビター&スイーツの和風コーヒーゼリーパフェ(680円)。ご自宅の一角をカフェにした店内からは、犬山城天守が眺められる隠れたビュースポット。
◆さくら坂
営業時間 11:00~15:30
電話  0568-63-2577
定休日  水木金
※本町通りから一本裏に入ります。

大人好みの甘すぎないパフェ


浮かび上がるお城がなんともキュートな抹茶パフェ(950円)。築100年の古民家を改装した和カフェでいただく犬山焼の器を使用したランチもおすすめ。「ミニ田楽定食」や「醤油玄米だんご」など犬山名物も楽しめます。

◆本町茶寮
営業時間 11:00~17:00
電話番号 050-5885-0478
定休日  期間中無休

かわいいを詰め込んだ欲張りパフェ


乙女心をくすぐるネーミングもズバリの姫パフェ(990円)。お土産にも最適なオリジナルの和雑貨を取り扱っています。抹茶のティラミスや姫ソーダもおすすめ!
◆むすび茶屋
営業時間 10:00~19:00
電話番号 0568-48-7870
定休日 火曜日定休

着物レンタルが手軽にでき、着物姿の写真投稿で商品をゲットしたり、お店で特典がつく「犬山着物キャンペーン」や金城学院大学の女子大生が企画協力し、11店舗が地元産食材や名物を取り入れてバラエティに富んだパフェを創作! 見た目もキュートな「犬山ワンダフルパフェ」が2019年12月18日(日)まで開催されています。食べ歩きの〆にぜひ、味わってみて!

犬山ワンダフルパフェ

江戸の伝統文化が息づく、町ごと全部ミュージアム

でもせっかくなので、和樂webでは、スマホ片手にではなく、古地図片手に江戸情緒&スイーツを楽しめる犬山城下町歩きもご紹介します!

もともと城下町というのは、戦国時代から始まった町づくりの形態の一つですが、敵からの侵入を防ぐための防衛施設でもあると共に、行政、商業都市の中心として機能するよう造られました。ただ、度重なる戦いや大火、明治維新での廃城や戦火などで消失し、現存に近い形で城や城下町を残している場所は、日本全国探しても本当に少ないのです。


犬山城下すぐ近くにある「城とまちミュージアム」には、江戸時代の街並みをジオラマ化し、展示しています。国指定重要無形民俗文化財に指定されている『犬山祭』の天保11年(1840年)旧暦8月28日の当日の様子を再現したもので、よく見ると車山を引く人々や祭りの見物人で賑わっている町の雰囲気が伝わる大変よくできたジオラマです。

さらに、全ての山車には、精巧なからくり人形が設置されているのですが、その人形たちの表情も間近で見ることができます。糸を引く仕組みや動く様子、実演や実際にからくり人形を操る体験などは、別館の「からくり展示館」で楽しめます。

また、城とまちミュージアムでは、無料で「犬山城下町まち歩き指南書」を配布しています。これは天分五年(1740年)の絵図と天保十一年(1840年)当時の犬山城下町と現代の犬山城下町の地図を一度に見られる貴重なパンフレット(無料というのが太っ腹)となっています。この古地図を片手に町歩きが楽しめてしまうのが、犬山城下町の凄さなのです!

かつての大手門から本町通りは、時代劇に紛れ込んだよう!


江戸時代から続く「柏屋」の屋号で呉服屋を営んでいた「旧磯部家住宅」は、平成16年に犬山市へこの建物を寄贈。その後、市が整備・管理し、倉庫となっていた主屋や裏座敷、土蔵、奥土蔵、展示蔵を茶室や貸しギャラリーとして一般開放しています。すべての部屋が国の登録有形文化財となっており、犬山市内で唯一「起り屋根」が残っている町屋で、柱や梁、なまこ壁や土蔵などと、長きに渡って受け継がれた時代の息遣いを感じさせてくれます。

お茶室では、ボランティアの方がお抹茶を提供してくれます。犬山焼の茶碗で味わうお抹茶と和菓子は贅沢の極み。

◆旧磯部家住宅
電話番号 0568-65-3444
営業時間 9:00~17:00
定休日 12/29~31のみ
入場料 無料

お抹茶とお菓子(350円)

戦乱の世を乗り越えた古城で、天守から見渡す町は感慨深い!

スイーツをお腹いっぱい楽しんだら、犬山城で歴史散策を! 犬山城は、言わずと知れた尾張・美濃地方を代表する名城で、錚々たる武将たちの居城となったお城。この歴史に触れられるのもこの散策の醍醐味です! 

織田信長の叔父、織田信康が天分六年(1537年)に築城し、信康死後は、息子、信清に継がれますが、信清が織田信長に造反したため、怒りを買ってしまい、信長が家臣池田恒興を入城させます。本能寺の変で、信長が亡くなると、後継を争って、豊臣秀吉と徳川家康・織田信雄との「小牧・長久手の戦い」が繰り広げられ、秀吉が陣を構えます。

その後も続く戦乱の世で、城主が目まぐるしく変わり、関ケ原の戦いで徳川家康の家臣、小笠原吉次が入城し、江戸時代に入り、ようやく徳川尾張藩の付家老、成瀬家が代々城主を務め、明治維新を迎えます。

日本の木造建築の素晴らしさを堪能

犬山城は、標高80mに建てられ、背後を断崖に守られた後堅固の城。天守内は三重四階地下二階となっており、城郭は大手道が本丸まで貫き、本丸前の二の丸は4つの区画で形成される連続枡形という珍しい縄張(区画)でした。現存する建物は天守のみですが、掘や石垣は残っています。このシンプルな構造が攻めにくかったという説もあります。数々の有名戦国武将が通った道だと思うと、気分はさらに盛り上がります。

今、犬山市や犬山城は26年後の築城500年に向けて、さらに町づくりを活性化していこうとしているそうです。歴史と伝統を市民がしっかり受け継ぎ、若い世代をも巻き込んで新たな時代を築いていく姿勢は、どんな戦乱の世にも耐え抜いた犬山城や城下町としての誇りが息づいているのだと感じます。500年前を想像しながら天守から町を見下ろせば、壮大なロマンがさらに広がりそうです。

◆国宝犬山城
所在地 愛知県犬山市犬山古券65-2
電話番号 0568-61-1711
営業時間 9:00~17:00(入場は16:30まで)
入場料 一般550円 小・中学生110円 
定休日 12/29~31のみ
※現在、12月下旬を予定として、耐震補強と一部の修理工事を実施しているため、天守全体は足場を設置してるため、見えにくくなっています。
公式ホームページ

◆城とまちミュージアム
所在地 愛知県犬山市犬山北古券8
電話番号 0568-62-4802
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
入場料  100円(中学生以下は無料)
定休日 12/29~31

◆からくり館
所在地 愛知県犬山市犬山北古券8
電話番号 0568-62-4802
営業時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
入場料 100円(中学生以下は無料)
定休日 12/29~31のみ

書いた人

旅行業から編集プロダクションへ転職。その後フリーランスとなり、旅、カルチャー、食などをフィールドに。最近では家庭菜園と城巡りにはまっている。寅さんのように旅をしながら生きられたら最高だと思う、根っからの自由人。