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2016.03.16

鳥取・民芸の器を探す旅。たくみ工芸店、大江ノ郷牧場ココガーデンなど観光まとめ

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 いつもの『和樂』の取材なら、鳥取県の因州・中井窯を訪ねたら終了・・・・・・のうつわ旅ですが、『和樂商店』担当となった和樂インテリア班Wにとって今回は責任重大な買い付け旅。いったん中井窯を後にして、町へリサーチに出かけました。

DMA-15122 1174-1鳥取藩最大の宿場町・智頭宿(ちずしゅく)にある「石谷家(いしたにけ)住宅」。3000坪の敷地に建つ邸宅は、江戸・大正・昭和の様式が調和する近代和風建築の傑作。土間の吹き抜けは高さ14m!! 鳥取県八頭郡智頭町智頭396 営業時間10時~17時 水曜休(4~11月は無休)

割烹やカフェでも中井窯を発見!

たくみ工芸店

 最初の取材先は、鳥取駅から歩いて3分の場所にある「たくみ工芸店」。鳥取民藝の父・吉田璋也が始めた、日本初の民藝店です。
 普段は山陰の民藝を中心とした各地の手仕事を扱っていますが、この日はちょうど中井窯の展示会中。開店直後から続々訪れるファンを目撃し、その人気ぶりに驚いていたところ、店の方がこんなことを教えてくれました。
「民藝の温かさもありますが、なにしろモダン。マンション暮らしや、海外の食器が並ぶ食卓にもなじむので、幅広い層に人気があるんです」。

写真/鳥取の美しい手仕事が充実した日本初の民藝店「たくみ工芸店」は、鳥取民藝の父・吉田璋也が始めた民藝店。山陰の民藝を中心に日本各地の美しい手仕事を展示・販売する。写真は展示会中の様子。鳥取県鳥取市栄町651 営業時間10時~18時 水曜休

鳥取で民藝の器を探す旅に出かけよう!

たくみ割烹店

 続いて訪れたのは、鳥取の食材を使った郷土料理を民藝のうつわで出す「たくみ割烹店」。「中井窯の皿や鉢は、店を始めた当初から使っています」というご主人がつくる家庭料理の数々に、思わず「あ、このうつわ!」。
 赤ガレイの煮つけを盛った白黒の皿は、さきほど中井窯で見た、あの深皿ではありませんか。藁灰釉を掛けた白い陶肌が、使い込まれていい味わい。
「食べ物がおいしそうに見えるうつわです。特に、魚料理や卵料理、果物が映えますよ」 という言葉とともに、緑×黒の掛け分け小皿も登場。なるほど、色の境目をまたぐようにして料理を盛ると、美しく見えるのですね。
「他のうつわに比べて、扱いやすいし洗いやすい。しっかりしているけど軽いんです」 という奥様の言葉をノートに書き留めつつ、市内から車で30分ほどの八頭町(やずちょう)へ向かいます。

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民藝のうつわで味わう郷土料理の店「たくみ割烹店」で地元食材を堪能。カレイ煮つけ¥1,200、ノドグロ塩焼き¥1,800、カニミソ¥800。鳥取県鳥取市栄町652 営業時間11時30分~14時、17時~22時(日曜・祝日は21時まで) 第3月曜定休(8月、12月は無休)

大江ノ郷牧場ココガーデン

 開店前から行列ができる人気カフェ「大江ノ郷(おおえのさと)牧場ココガーデン」でも、中井窯のうつわは大好評。バウムクーヘンをのせた掛け分けの皿やコーヒーのカップ&ソーサーが、北欧風のインテリアになじんでいます。
 こちらで気になったのが、内側まで緑釉がかかったコーヒーカップ。カップの縁の部分が薄くつくられていて、口あたりがとっても気持ちいいのです。また、見た目はシュッとモダンなフォルムですが、内側には丸みがついており、飲んでいるときに見えるカップの中の〝景色〟がやわらかい。
 不思議に思って後で坂本さんに聞いたところ、「いつも目にする姿はシンプルな形がいい。でも、どこかに手仕事の味わいも残したい。そう思って内側だけに優しいカーブをつけました」。使う人にしかわからない喜びは、愛着につながることでしょう。これ、買ってみようかな。

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「大江ノ郷自然牧場ココガーデン」は平飼い鶏の〝天美卵(てんびらん)〟を使ったスイーツで大人気。バウムクーヘン¥450、パンケーキ¥680、オーガニックコーヒー¥470。中井窯のうつわを使ったたまごかけご飯も要チェック。鳥取県八頭郡八頭町橋本877

さらに鳥取散策は続きます

 さて、実際に使ったり話を聞いたりしたことで、今回買い付けるうつわはほぼ決定。となれば、あとはのんびり鳥取散策です。
DMA-15122 0380写真/縁結びで人気の「白兎神社」の境内に向かう階段には白ウサギの石像が。DMA-15122 0423写真/古事記にも記された神話「因幡の白兎」の舞台といわれる美しい海岸。

 鳥取はかつて因幡国(いなばのくに)と呼ばれた地域。神話「因幡の白兎(しろうさぎ)」の舞台、白兎(はくと)海岸は外せません。白い砂浜が弓なりに連なる美しい海岸には、ウサギに騙(だま)されたワニザメの背中に似た岩礁も。白兎神(はくとしん)が祀(まつ))られた白兎神社へお参りしたら、桜の名所・鳥取城跡でひとやすみして、鳥取駅へ戻ります。

これは見逃せない!鳥取名物その1

DMA-15122 1099tたまごせんべい鳥取市ふるさと物産館本店」で見つけた、ほんのり甘くて素朴な鳥取のおやつ。うさぎやラクダの焼き印がかわいい! 1箱5枚入りで¥500(税込)。

 帰路は、車内の洗面台が中井窯の掛け分け手洗い鉢(!)という急行列車「スーパーはくと」をチョイス。
 こうして中井窯の魅力を味わい尽くしたうつわ買い付け旅。悩みに悩んで選んだ品は「『和樂商店』オープン! 第一弾は「因州・中井窯」のうつわです」で紹介しています。

これは見逃せない!鳥取名物その2

「亀甲や」の鳥取ブランケーキ
鳥取でいちばん古い菓子の老舗といえば、だれもが知っている「亀甲や(きっこうや)」。鳥取ブランケーキのパッケージに中井窯のうつわが描かれている。鳥取ブランケーキ(ハーフサイズ)¥600 http://tottori-ichi.jp/kikkoya/

撮影/篠原宏明

鳥取で民藝の器を探す旅に出かけよう!