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2019.08.15

縄文人の芸術の都、長野県諏訪地方で体感! 土器と土偶に見る八ヶ岳山麓の爆発的クリエイティビティ

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あゝすばらしき、意味不明な縄文土器の世界!

縄文人が何を思い、どういう考えでこの地に大集落を築き、1,000年もの間暮らしたのか? それを知りたかったら、まずは縄文土器をゆっくりじっくり見ることです。縄文土器には、縄文人の「世界観が表現されている」とも「神話が描かれている」とも言われるからです。ではまいります。

わ、わからない・・・! しかしこの躍動感、「これでもか」と執拗に施された文様、鍋として使うには邪魔すぎる、上方に向かって延びる縁部分!!「作ってたら楽しくなってきちゃって、無駄に派手になっちゃった」という可能性が全くないわけではありませんが、見る側に訳のわからない興奮を強いるこんな形の土器が、この辺りの遺跡からはわんさか出土するのです。確かに神話を読み解くのは難しいですが、あふれる生命力と彼らの創造性の高さは確かに伝わってきます。


大型の中空突起がつけられた土器(左)と、「使えない」取手付土器(右)。(いずれも尖石縄文考古館蔵)

左の土器は、重心が上になってしまって使いづらい上に、巨大な中空の突起が明らかに無駄だし、右の土器についている「取手」は、確かに掴みやすそうではありますが、実際に取手として使ったらすぐに壊れてしまうでしょう。しかしどちらも文様は丁寧に施され、とても「失敗作」だとは思えません。きっと、「こうでなければならなかった」彼らなりの物語性が秘められているのです。

書いた人

横浜生まれ。お金を貯めては旅に出るか、半年くらい引きこもって小説を書いたり映画を撮ったりする人生。モノを持たず未来を持たない江戸町民の身軽さに激しく憧れる。趣味は苦行と瞑想と一人ダンスパーティ。尊敬する人は縄文人。縄文時代と江戸時代の長い平和(a.k.a.ヒマ)が生み出した無用の産物が、日本文化の真骨頂なのだと固く信じている。