文化人ゆかりの日本庭園や建物を探して「東京・目白」で気ままな一日旅

文化人ゆかりの日本庭園や建物を探して「東京・目白」で気ままな一日旅

地図を片手に旧華族や芸術家、文化人ゆかりの庭園や建物を探して

旅の前半で目白の森を堪能した後は、神田川沿いから新江戸川公園の横、通称・幽霊坂を上がって、再び目白通りへ。豊坂(とよさか)、小布施坂(こふせざか)、富士見坂、日無坂…目白の台地は味のある坂だらけです。どの坂も傾斜が強いので、登りはひと頑張り!スクリーンショット 2017-05-24 11.09.31富士見坂と日無坂がつながるY字路の坂。

鬼子母神(きしもじん)表参道入り口からは、商店街を進みます。樹齢700年といわれる大きなイチョウの木に出迎えられて、鬼子母神堂の境内へ。お堂を見上げていると、「ここの鬼には角(つの)がないって知ってる?」と、男性の声。鬼が改心して安産・子育の神になったため、子母神像は菩薩姿であり、角がつかない「鬼」という字を使うことを地元のおじさんが教えてくれました。スクリーンショット 2017-05-24 11.10.42鬼子母神堂に奉納されたざくろの絵馬。
 

午後からは山手線を越えて、西池袋の「自由学園明日館(みょうにちかん)」を訪ねました。大正時代に女学校として創立された自由学園。その創設時の校舎が明日館で、フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新(あらた)が設計を手がけた幾何学的な意匠が特徴です。窓枠や照明、椅子など細部まで絵になる建物です。スクリーンショット 2017-05-24 11.11.25「自由学園 明日館」の講堂の窓。
 
すぐ近くの「豊島区立 目白庭園」を覗いて、再び目白通りへ。歩き疲れたときは、老舗和菓子店「志むら」の喫茶室でひと休みするのもよし、お土産に名物の「九十九餅(つくももち)」を買うもよし。落語家の五代目柳家小さん師匠も贔屓にしていた店です。スクリーンショット 2017-05-24 11.28.21左 瀟洒(しょうしゃ)な回遊式庭園「豊島区立 目白庭園」 右 「志むら」の九十九餅。
 

その近くに「目白骨董通り」といわれている通りがあることを知りました。その聖地ともいえるのが「古道具坂田」。ガラガラと古いガラス戸を開けると、そこは、主の坂田和實(かずみ)さんの眼で選ばれた古い物たちがひっそりと佇む美しい世界。イギリスのカトラリー、フランスの農具、ガンダーラの仏像。初めて訪れた客にも出し惜しみされるふうもなく、坂田さんは古美術のこと、美意識のこと、目白の街のことを教えてくれました。スクリーンショット 2017-05-24 11.34.30目白で40年間古美術を扱い、洗練された見立ての美学を貫く「古道具坂田」。

特に週3日、1日3時間しか営業しない、小さな店だけど偉大なパン屋「かいじゅう屋」は、タイミングが合えば、帰りに忘れずに寄りたいところ。スクリーンショット 2017-05-24 10.34.26丁寧につくられたパンを目当てに、開店時間には絶え間なく客が訪れる「かいじゅう屋」。

さらに、「すぐ近くに、帯を制作されているところがありますよ」と、教えていただいたのは、「花邑(はなむら)」。名古屋帯の創案者の伝統を受け継ぐ帯司(おびつかさ)・すぎえすみえさんの工房・ギャラリーです。スクリーンショット 2017-05-24 11.48.49帯教室も開催されている「花邑」。磁器に絵付けされた「クリエイティブパーティ」の帯留め。
 
今回、歩いた目白近辺は、明治期から昭和の戦前まで多くの画家や作家が集う地域としても知られます。「新宿区立 中村彝(つね)アトリエ記念館」など文化人の記念館が点在していて、まだまだ歩くとさらなる発見がありそうです。スクリーンショット 2017-05-24 11.52.42復元建築が2013年3月から公開された「新宿区立 中村彝アトリエ記念館」。

一日たっぷり、より道しながら歩くと、ご近所の街でもグッと親しみが増すというもの。さあ、次はどの街へ旅をしましょうか。

前半の記事はこちらから!

-2013年和樂6月号より-

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