この楊枝入れかわいすぎ!京都で出合える“布の骨董”

この楊枝入れかわいすぎ!京都で出合える“布の骨董”

「お茶の時間が楽しくなる、かわいい道具」を探すなら、京都の骨董店やヴィンテージショップへ出かけてみませんか? 茶碗や菓子器などのうつわが充実しているのはもちろんですが、この町では、古裂(こぎれ)と呼ばれる“布の骨董”にも出合えるんです。

古裂

私たちがお茶を楽しむときの道具といえば、まず手に入れたいのは茶碗。次に探したいのは菓子器や茶入れでしょうか。そしてもうひとつ。これがあるとお茶のシーンがぐっと華やかになるのが「古裂」です。古裂とは時代を経た布、つまり布の骨董のこと。江戸時代の小袖(着物)に使われていた絹織物や、インドから渡ってきた文様染めの木綿布・更紗(さらさ)などが古裂と呼ばれます。お茶の世界でいうと、帛紗(ふくさ)あるいは茶碗や棗を包む仕覆(しふく)として古裂が大活躍!

古裂これはなんでしょう? 答えは明治35年創業の「ちんぎれや」へ。

かわいい古裂の宝庫「ちんぎれや」

珍しい裂(きれ)を扱う店だから「珍裂屋(ちんぎれや)」――老舗骨董店が軒を連ねる縄手通(なわてどおり)の名店です。店内には、桃山時代の衣装裂から明治初期の木綿布まで、時代もデザインもさまざまな古裂が並んでいます。それらを手に取ってまず驚くのが、古裂の柄がとてもかわいいこと。そして、数百年も前のデザインとは思えないほどモダンなこと。海外のファッションデザイナーの中には、ニッポンの古裂をアイディアソースにしている人が多いという話にも納得です。

古裂
店内では裂そのものを販売するほか、古裂を使って仕立てたオリジナルの小物も。更紗の古帛紗3,000円など。

古裂
古裂で仕立てた楊枝入れ。藍染500円~、更紗800円~。

古裂
古裂で仕立てた長財布は懐紙入れにぴったり。上から/無地・各3,500円、ひさご柄の和更紗4,300円、熊野染4,800円。

古裂
ヨーロッパ更紗で仕立てた数奇屋袋。25,000円。

「茶道とともに残ってきた裂も多いんですよ。たとえば“仕覆くずし”。昔の茶人が仕立てた仕覆が、いったんほどかれ、裂の状態で残っています」と話すのは店主の中村年希さん。残された裂を通して、昔の人々の好みや美意識を知ることができるというわけです。また、「布味(ぬのあじ)」と呼ばれるあたたかな手触りも古裂の魅力。長い年月を経た織物だけがもつ風合いは、いつまでも触っていたくなるほど心地いいのです。

古裂
今も昔も人気の縞模様。インドやヨーロッパからの舶来ものとして珍重された縞織物“唐桟(とうざん)”や、千利休も愛した“甲比丹(カピタン)裂”など、どれもモダンでカッコいい! 

こういった古裂や裂小物があれば、お茶の時間を華やかに演出できること間違いなし。さらに、古帛紗を花器の下に敷いたり、楊枝入れをメイク道具のカバーにしたりと、アイディア次第で自由に使えるのも布モノの面白いところ。ちいさな京都土産としてもぴったりです。

古裂

◆ちんぎれや
住所 京都市東山区縄手通三條南入ル

美しい古渡り更紗は「日日/冬夏」で

いにしえの茶人たちに珍重された金襴緞子から、江戸の粋を今に伝える藍染の木綿裂まで、ひとくちに古裂といってもその種類はさまざまです。が、中でもファンが多いのが、エキゾチックな文様染めの裂「更紗」。とりわけ、18~19世紀にインドから世界へ広まった「古渡り更紗(こわたりさらさ)」は、布好き&骨董好きの憧れです。

古裂
古渡り印度更紗は1枚10,800~21,600円。A4~B4くらいのサイズ。

そんな更紗に出合えるのが、京都御苑から歩いて数分の「日日/冬夏(にちにち/とうか)」。庭のある古い日本家屋で、美しい暮らしの手仕事を紹介するギャラリーです。ふだんは作家や職人の企画展を行うことが多いのですが、実は古渡り更紗が充実。美術館の学芸員も絶賛したほど質のいい逸品がそろっています。

古裂

古渡り更紗の魅力といえば、かつて大名や茶人にも愛されたというエキゾチックな佇まい。長い年月とともに味わい深さを増した茜色や、植物がモチーフになった可憐な柄にも心ひかれます。そして何よりすばらしいのが、織りの細かさと美しさ。繊細でやわらかで、手ざわりもうっとりするほど心地いいのです。

古裂
古渡り印度更紗。18世紀。7,560円。棗は漆作家・山本隆博の作。

どの柄もそれぞれにかわいくて、選ぶのが大変。A4~B4くらいの使いやすいサイズで販売しているので、茶碗や棗の下に敷いてもいいし、仕覆などを仕立ててもいい。シンプルな額に入れて絵のように飾るのも素敵かもしれません。お気に入りの1枚が見つかったら、併設のティールーム「冬夏」へ。茶葉をじっくり熟成させた“ヴィンテージ煎茶”でひとやすみするのがおすすめです。(W)

古裂
古裂
ティールーム「冬夏」では、無農薬栽培の茶葉を使った煎茶各種を楽しめる。稀少種の一番茶を熟成させ、神社の名水で淹れたもの。3種のオーガニックカカオなどの菓子付きで2,000円。

◆日日/冬夏
住所 京都市上京区信富町298
公式サイト

*掲載した商品の価格は税込です。すべて1点もののため売り切れの場合もあります。

撮影/篠原宏明

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