〝あんこ〟名店東西11店の中から、第4弾は京都の名店・御倉屋「夕ばえ」をご紹介!
その他の名店はこちらからどうぞ。
特集 美味しい!美味しい!あんこ銘菓店GP!
焼いた白あんの妙味を味わう。御倉屋の「夕ばえ」
「夕ばえ」は白あんそのものを焼いてつくられた菓子。白いんげんの中でもクセのない大手亡(おおてぼう)に白ザラ糖をあわせたこしあんを成形して焼くまでにひと工程が加わるそうですが、「それは家族だけの秘密です(笑)」と「夕ばえ」づくりに携わる後藤昌子さん(3代目主人・後藤嘉之さんの妻)。
口どけのよさは、さすが茶席菓子を専門とする店の技だとして、ホロホロとほどける生地の仕掛けがわからなくてもよし、後味に美味の記憶が残るのがこの菓子の最大の魅力です。
昭和22(1947)年創業。アイディアマンだった初代は「夕ばえ」以外にも唯一無二のお菓子を次々と生みました。昌子さんは初代の手ほどきを受けて「夕ばえ」の成形の担当になったそう。
「女性の手であんを〝寄せる〞ぐらいの力加減がいいみたいで。焼いて膨らむときに、こう割れてくれたらいいなぁと想像しながらつくります」。季節によって、焼き色も割れ方も毎回違うという話も興味深いところです。
崩れやすいので手でつかんでそのまま口へ
店舗情報
御倉屋 みくらや
住所:京都府京都市北区紫竹北大門町78
電話:075-492-5948
営業時間:9時~18時
休み:毎月1日・15日
撮影/石井宏明 構成/藤田 優、後藤淳美(本誌)※本記事は雑誌『和樂(2019-2020年12・1月号)』の転載です。