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2023.09.13

茶室に見立てた木箱まで美しい! 亀末廣「京のよすが」【秋めく京都の干菓子図鑑・壱】

今、京都で買うなら何がおすすめ? 『和樂』編集部の〝推し〟は、干菓子です。 京都の自然の景色や、みやこびとが愛した文様や物語が、指先にのる大きさに表現されている干菓子は、小さいからこそ形の美しさが勝負!  干菓子の造形を決める木型は店の宝であり、長い時間を経て選ばれた意匠が今に続いています。京都の古きよき美意識に触れる近道である干菓子の名店の名品から、お取り寄せ可能な8作を6回に分けてご紹介します。

第1回は【亀末廣「京のよすが」】です。

茶室に見立てた木箱は別名〝四畳半〟
亀末廣の「京のよすが」

箱の中はまるで干菓子の見本帖。寒天製の「すり琥珀(こはく)」やあんの入る求肥(ぎゅうひ)製の餅菓子、きな粉を練って薄い煎餅で挟んだ「種あわせ」などの半生菓子(干菓子に比べて水分を多く含む)と「落雁(らくがん)」「有平糖(あるへいとう)」など、10種以上の技法が楽しめます。品のよい甘みをそれぞれ異なる食感で味わうこの贅沢!

よすがとは、古い言葉で「よりどころ」のこと。京の四季の移ろいをお菓子で伝える趣向です。四畳半の茶室に見立てた箱の景色は1年で約14回もさまを変えるので、「少しずつ用意をして、箱詰めにしていきます」と8代目・吉田かな女(め)さん。祇園祭や大文字など期間限定で登場する意匠もあるという手の込みよう。「この箱を見て、京都のことを思い出してくれたら。そう思ってつくっています」。もてなしの気持ちを表すために菓子を用いてきた京都の人にとって、このお菓子ほどハレの日の贈り物に適したものはないでしょう。

創業は文化元(1804)年。広く商いをしていたこの店は戦後、店主と1名の職人からの再出発となりました。「暗い世の中になんとかしてお菓子に目を向けてもらえるようにと、6代目である祖父が工夫を凝らして考えたのがこのお菓子と聞いています」。かわいさ満載の裏にこんな物語も秘められていました。

亀末廣の秋の名物〝菊尽し〟

「京のよすが」1箱3,900円(税込)。写真の「菊尽(きくづく)し」は9月下旬ぐらいから登場。ほぼ2段重ねで干菓子が収められている。日もちは約1週間。少量にまとめた紙箱入りもある。黄色い菊は和三盆風味の「打ち物(うちもの)」。菊の葉は「生砂糖(きざとう)」製。「有平糖」と呼ばれる紅白の飴菓子の意匠は琳派の尾形光琳に由来する「光琳菊」。白とピンクの菊は「すり琥珀」、寒天のシャリ感が楽しめる。

左は「松露(しょうろ)」と呼ばれるあんこ玉にすり蜜をかけたもの。ホックリした白あんが美味。

店舗情報

亀末廣(かめすえひろ)
住所:京都府京都市中京区姉小路車屋町東入ル車屋町251 
電話:075-221-5110
営業時間:9時~17時 
休み:日曜・祝日
●お取り寄せ:電話で受け付ける

撮影/石井宏明 構成/藤田優
※本記事は雑誌『和樂(2021年10・11月号)』の転載です。掲載データは2023年9月現在のものですが、お出かけの際は最新情報をご確認ください。

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和樂web編集部

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