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2023.12.18

金沢の名料亭「日本料理 銭屋」で極上の加能ガニを食す!

年末年始、そして華やかな気分が続く1月2月、親しい人と食卓を囲みたい冬のごちそうといえば…やっぱりカニ!  カニの中でも別格と呼ばれるのが日本海に生息する「ズワイガニ」です。このズワイガニを愛する地元民と、カニ料理に熱を注ぐ料理人が集中する都市といえば、「金沢」で決まり! この冬、金沢を旅するという人も、家でのんびりしたいという人もこれを読めば、食べたくなること必至です。

赤い甲羅を目にするだけでときめく!
冬のごちそうNo.1 ズワイガニを食べるなら今!!

「日本料理 銭屋」のズワイガニコース中盤に登場する「焼きガニ」。半透明のつややかな身は、生ガニの焼き上がりを見逃さず、つきっきりで世話してできあがる。焼き上がったカニの身はふっくらふわふわ♡

金沢の名料亭「日本料理 銭屋」に聞く
地元の人が好むカニの食べ方はどんなもの?

「加能(かのう)ガニ」とはオスのズワイガニの石川県での呼び名で、観光地金沢の注目度に比例して価格も上昇中。価格と見合う満足度! と地元で評判のカニ料理をご紹介します。

「焼きガニ」。2名で1杯分の爪と脚をいただく贅沢な一品。殻の奥からジリジリと音が聞こえたら焼き上がりの合図。カニ身の繊維の弾力、みずみずしさに驚き!

犀川(さいがわ)の流れに沿って広がる繁華街・片町。金沢の歴史ある飲食店が軒を連ねる一角に「日本料理 銭屋(ぜにや)」があります。現当主・髙木慎一朗さんが父から2代目主人の座を継ぎ、それに伴い実弟・二郎さんが料理長として実家に戻って以降、兄弟の活躍は目ざましく、現在ミシュラン二つ星を獲得。世界のレストラン加盟店にも認定されるなど、近年評価を集めています。
「金沢の数ある料亭の中でも、うちは個室が6つにカウンターが6席と小規模。だから料理をお客様の目の前でサービスできるんです。お客様は地元の方が半分以上を占めるのですが、金沢の人は店主や女将(おかみ)の顔が見えないといやがる。心が触れるつきあいのほうが、〝星付き〟の評価よりもずっと大事です」と二郎さん。

その「銭屋」の手厚いもてなしを最大限に味わえるのが加能ガニの「ズワイガニコース」というわけです。たとえば「焼きガニ」。二郎さんは炭の上に置いたカニの殻からのはぜる小さな音にじっと耳を傾け、同時に身のふくらみ加減にも目を光らせます。ここぞ、というタイミングで殻から取り出した身のふっくら、美味しそうなこと! 目の前のお客様に「今です!」と差し出すまでの緊張した数分間も、笑いが出るほどのカニの美味しさも、いずれもドラマティックに記憶に残ります。

「甲羅味噌をのせたご飯」(左)。香箱(こうばこ)ガニ、焼きガニ、カニミソ蒸しと続くコース最後、口直しに、冷たい出汁(だし)を合わせてカニ身を麺仕立てに料理が出てくる! 余ったカニミソにネギや田舎味噌などを加えたものをご飯にかけるのがコースの〆め。もっちりした能登のはざかけ米にぴったり。

コース終盤、スタッフとのやりとりになじんだところで、麺仕立てのカニ身をすするのもまた一興。ひと通りの料理で大きなオスガニをひとり1杯弱食べることになるので、味付けもそれなりに控えめです。
「カニは鮮度さえよければ、カニそのもののもち味で十分で、地元の人もそれを好まれますね。少し火が入ると甘みが増すので、身をレアな状態に仕上げるのが僕のこだわりです」と二郎さん。「香箱ガニでも、うちの場合はお客様の到着時間に合わせてゆで始めます。内子(うちこ 卵巣内の卵)がまだ温かいうちに召し上がるのを喜ばれます」。
生きたカニを入手するために日々4ルートから確保に努めるそう。カニ身の質にこだわり、加能ガニの提供もこの店では1月いっぱいで終(しま)いに。
「カニだけは、ほかの店に負けたくない」と二郎さんの語り口にも熱が入るのでした。

「カニの美味しさは鮮度に尽きます」。「日本料理 銭屋」料理長・髙木二郎さん。

店舗情報

「日本料理 銭屋(にほんりょうり ぜにや)」
住所:石川県金沢市片町2-29-7  
電話:076-233-3331 
営業時間:17時30分~22時(L.O.19時) 不定休 
※予約は2名より受付。ズワイガニコース60,000円(税・サービス料別途要)は前日までに要予約 ※1月末まで。
通常のコース料理はカウンター席30,000円~(税・サービス料別途要)。

※本記事は雑誌『和樂(2022年2・3月号)』の転載です。お出かけの際には最新情報をご確認ください。
撮影/石井宏明 構成/藤田 優

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和樂web編集部

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