Travel

2024.01.11

日本旅館で松葉ガニや但馬牛に舌つづみ!「西村屋本館」その3【〝おもてなし〟を体感できる至高の湯宿】

至高の温泉地と湯宿をご紹介する全13回シリーズ、第6回は「西村屋本館」その3をお送りします。

シリーズ一覧はこちら

文豪や政財界からも愛された「西村屋」は
今や、世界が認める安らぎの宿

左/建物の端に位置するため、離れのような落ち着いた雰囲気の「飛鳥の間」には気持ちのいい露天風呂がある。右/純日本旅館の「西村屋本館」だが、中国庭園のデザインを取り入れた大浴場「福の湯」など、少々目先を変えた趣向も。

江戸時代最後期の安政年間(1854~1860年)に創業した「西村屋」は、160年という歴史と伝統を今に伝える湯宿です。「海内第一泉(かいだいだいいちせん)」(日本一の温泉)と呼ばれた兵庫県・城崎(きのさき)温泉のなかでも、特に文豪や政財界の重鎮たちに贔屓(ひいき)にされてきました。大地震で建物も調度品も焼失しましたが、翌年には1、2、3号館に母屋、大宴会場を再建。「その際に、さまざまな方から客室にでも飾ってほしいと、多くの美術工芸品を寄贈していただきました」とは、館内を案内してくれた広報担当の柳本真琴さん。現在それらの一部は館内の展示室で公開されているので、美術鑑賞好きにはお楽しみがもうひとつ、といったところです。
また、昭和35(1960)年には、数寄屋(すきや)建築の巨匠・平田雅哉(まさや)による平田館を増設。日本庭園を囲むようにいくつもの棟が立つ、現在の「西村屋本館」が完成しました。

正統的日本旅館の粋をすみずみに!

左/ベッドを備えた客室をつくったり、100畳の大宴会場を朝食会場に改装するなど、時代やニーズに合わせた進化は止まらない。右/早朝の散策も気持ちいい日本庭園。

左/玄関を入ると迎えてくれるのは、ゆるやかな香り。日本庭園の眺めとも相まって、外国人客はここでノックダウン!? 右/平田館の一室。心身をリラックスさせるための温泉宿と、数寄屋建築の静謐さが融合した空間。

魚介はもちろんのこと、黒毛和牛の但馬牛(たじまうし)、山菜やコウノトリ米など地元食材が豊富。11月から3月までは、松葉ガニ目当ての客が国内外からやってきます。泉質は保湿力が高く湯冷めしにくいという弱食塩泉。湯船から壁、天井に至るまで檜(ひのき)材を使用した「吉(きち)の湯」、異国情緒漂う「福の湯」、中庭を望む平田館の「尚(しょう)の湯」と、館内でもたっぷり温泉浴が楽しめます。
この宿のすみずみに貫かれた〝もてなしの心〟と〝共存共栄の理念〟。それは、働く人々の穏やかな笑顔や物腰が物語っています。

冬の味覚の王様も! 朝食のご飯も! お土産も!

毎年11月6日に漁が解禁される松葉ガニ。新鮮な活(いけ)カニを提供できるのは、地元の漁港で水揚げされるから。時季には「本生かに会席」や「松葉かにのフルコース」などの宿泊プランも。同じく地元のコウノトリ米は、お代わり必至の美味しさ! 「西村屋本館」の隣には、ギフトショップとダイニング、1日利用も可能なサロン「さんぽう」が。厨房自慢の味は「さんぽうギフトショップ」でも販売。

【湯宿DATA】

西村屋本館(にしむらやほんかん)
住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島469
電話:0796-32-2211
宿泊料金:2名1室利用時1名48,830円~(1泊2食付)
アクセス:JR山陰本線「城崎温泉駅」より徒歩約15分(旅館組合運営の無料送迎バスあり)
公式サイト:https://www.nishimuraya.ne.jp/honkan/

撮影/篠原宏明 構成/小竹智子
※本記事は雑誌『和樂(2023年2・3月号)』の転載です。
※表示の宿泊料金は税金・サービス料込みの金額です。別途入湯税や、入浴料などがかかる場合があります。また、連休や年末年始など、特別料金が設定されている場合もあります。
※お出かけの際には宿のホームページなどで最新情報をご確認ください。

Share

和樂web編集部

おすすめの記事

奄美の森でタイムスリップ? 生きた化石「アマミノクロウサギ」に出会った夜

Dyson 尚子

世界的に有名な奇跡「信徒発見」の舞台はここ! 大浦天主堂【異国情緒あふれる長崎の国宝を訪ねる!その1】

山本 毅

固めプリンが美味しい、京都の喫茶店5選【茶味こそが京都!】

和樂web編集部

絶景ひとり占め。リッチな専用ビューバスを楽しむ「ホテル紫苑」プレミアムルーム

土屋 利沙

人気記事ランキング

最新号紹介

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア