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京都の旬の味を肩ひじはらず、シンプルに
酒瓶もグラスも置かれていないカウンターに、土壁には花一輪。茶室のようなバー「酒陶 桺野(しゅとう やなぎの)」は『和樂』でもお馴染みの名店。お酒と一緒にお造りや天ぷら、煮物など、〝ちょっと食べたい欲〟も満たしてくれる「酒陶 桺野」の新展開がこちらのお店です。
2023年1月オープンの「ととよし」を切り盛りするのは、「酒陶 桺野」で13年勤めた料理人、杉井雄大(すぎいゆうだい)さん。実家は錦市場の鮮魚店、「この街で小さいころから食べてきた、あたりまえの魚のおいしさを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と、10品前後のコースは、魚料理が中心です。
自慢のお造りほか、お椀や炭火焼き、天ぷらなど、「酒陶 桺野」時代同様、奇をてらうことのない直球料理はしみじみ美味しく、お酒もすすみます。
「シンプルが一番。せっかくなら、旬の、ほんまにおいしいものを食べたいでしょう」と話す、オーナーの桺野浩成(ひろなり)さんは内装や器、料理のディレクションを担当。
「ああでもない、こうでもないと日々、桺野と話し合うのも貴重な時間です。ひとりで考え込むより、絶対いいものができますから」と杉井さん。進化が楽しみな一軒です。
カウンター名店DATA
「ととよし」
住所:京都府京都市中京区竹屋町通寺町西入ル甘露町666
電話:075-741-6434
営業時間:17時~22時 要予約
休み:水曜、ほか不定休あり
料金:おまかせコース15,000円~(季節の食材により変動あり)
撮影/長谷川潤 構成/田中美保
※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※営業時間や休みなどが変更になっている場合があります。お出かけの前に最新情報を確認してください。