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2025.09.30

直径54cm! 藩主が所望した「日本一大きなお菓子」。 雲水堂「松風」【和菓子の聖地・奈良の絶品銘菓2】

「お伊勢参り」や「西国三十三所観音巡礼」の道筋でもある奈良には、旅がブームになった江戸時代から、たくさんの人が訪れ、おいしいものを口にしていました。古くから愛されてきた名物が多い奈良は、実は和菓子の聖地。創業400年を超える、田原本にある雲水堂の「松風」は、味わいも大きさ(!)もピカイチ。奈良の和菓子の奥深さを知ることができるでしょう。

平野藩主御用達「日本でいちばん大きなお菓子」雲水堂の「松風(まつかぜ)」@田原本

豊臣秀吉の天下取りを支えた7人の武将のひとり、平野長泰(ひらのながやす)。秀吉から5000石を拝領して田原本(たわらもと)に拠点を置いた平野氏は、ここに京の和菓子職人を招きます。
それが「雲水堂」の始まりで、創業は慶長8(1603)年。代表銘菓「松風」は、平野氏が日本一大きな菓子を所望したことから生まれました。

「松風」とつく伝統菓子は全国に数あれど、これは珍しい。
知る人ぞ知るものであり続けたのは、「廃藩置県の後、明治4(1871)年から一般にも販売が許されることになったので」と19代目・福岡真人さん。

焼き上げるのは、この道50年超の凄腕職人。備長炭を詰めた専用窯の前に陣取り(体感温度は50℃超!)、大きな鍋を手で回しながら表と裏を焼いていきます。
生地の中央から端まで、満遍(まんべん)なく火を入れるために、つど鍋の置く位置を考えて。焼き上がると、熱いうちに円筒状に丸めて整えます。
巧みな手わざにほれぼれ。これぞ奈良の至宝、食べる文化財と呼びたい!

ケシの実が香る風味豊かな玉子煎餅「松風」。お好みに割ってどうぞ!

くるりと丸めたものが「長丸(ながまる)」! 「長丸」(箱入)3,900円。半分の「半丸」ほか、あらかじめ切り分けたものも販売。賞味期限1か月。※お届けまで時間がかかる場合もあります。

直径、なんと一尺八寸(約54㎝)!

「『長丸』は〝円を描き、かつ見通しがいい〟と引き出物や仕事の手土産に使われてきました」(福岡さん)

昔ながらの菓子舗の趣にあふれた「雲水堂」。「長丸」の包みは、まるでお軸が入っているかのような重厚感。

雲水堂 DATA

うんすいどう
住所:奈良県磯城郡田原本町堺町434 
電話:0744-32-2103 
営業時間:8時30分~18時
休み:水曜
※近鉄橿原線田原本駅すぐの「駅前店」もあり。
公式サイト:http://www.unsuido.co.jp/
★お取り寄せ:公式サイトより購入可

※本記事は雑誌『和樂(2023年12・2024年1月号)』の転載です。掲載価格はすべて税込です。価格や営業時間などは2025年9月現在のもので、変更される場合もあります。お出かけの前にご確認ください。

「和菓子の聖地・奈良の絶品銘菓」シリーズ一覧はこちら

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和樂web編集部


撮影/石井宏明 構成/藤田 優
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