江戸時代から庶民の憧れ♥ 物語が詰まった味を召し上がれ!
神田まつやの「鍋焼うどん」
店のある神田須田町(かんだすだちょう)は江戸時代以来、東京有数の繁華街として発展。風格ある店のたたずまいは、そば・うどんの一杯の景色にも表れます。「鍋焼うどん」に入る天ぷらは、ころもが華やかな〝いかだ揚げ〟。笹形に切ったかまぼこなど、煮込む間に具材の旨みがつゆに溶け込むような工夫と手わざが光ります。千住(せんじゅ)ねぎの味わいも、冬は一層美味。卵、餅、三つ葉の入る豪華な「寄せ鍋うどん」もありますが、こざっぱりしたこの一品が根強い人気です。



「神田まつや」DATA
住所:東京都千代田区神田須田町1-13
電話:03-3251-1556
営業時間:平日 11時~20時30分(L.O.20時)
土曜・祝日 11時~19時30分(L.O.19時)
休み:日曜・月曜
公式サイト:http://kanda-matsuya.jp/
※支払いは現金のみ。
〝アルマイト鍋焼きうどん〟がご当地の愛媛・松山市

松山市民のソウルフードといえば、アルマイト製の小鍋からそのまま食べる熱々のうどん。
気楽にどこでも食べられるけれど、「この2軒の味は別格」と地元民が太鼓判を押す人気店を訪ねました。
いりこだしのうどんをいなりずしが引き立てる。交互に食べるのが地元流
先にお断りしておくと、アルマイト鍋そのものは松山の特産品ではありません。廉価で丈夫、火の通りが早く効率のいい調理器具として、昭和のあるときまで定番だったアルマイト製の鍋の中から「うどん玉ひとつ分ぐらいがちょうど入るサイズ」に目をつけ、それを鍋焼きうどんに仕立てた。この斬新な発想の持ち主が、松山に開業した「アサヒ」の初代店主でした。それが昭和22(1947)年のことで、2年後に「ことり」が開店。
戦後、あらゆることに余裕がなかった時代に歓迎された〝即席鍋焼きうどん〟。
開業当時は30円ぐらいで、10年前は500円ほどで食べられたそう。時を経て、手軽な食べものとは呼び難くなっても、いまだ人気は衰えず。2軒ともに繁盛店であり続けているのが、すごい!
驚いたのは、見た目は似ていても2軒の味がまったく違うこと。
瀬戸内産のいりこと昆布で出汁を引くことは同じでも、「ことり」はいりこの旨み、香りを最大限に生かしたすっきり系。
対して「アサヒ」は砂糖が貴重だった時代に生まれたレシピを踏襲して、つゆは甘みがたっぷりでふくよか。
中に入る具材やいなりずしも、両店ともにつゆの味と調和するように考えられているとのこと。
ごく細かく刻んだ油揚げや薄切りの牛肉をほんのり甘く炊き、甘みを繊細に重ねる「ことり」、焼き・揚げなど製造方法の異なる練り物で複雑に旨みを加えた「アサヒ」と、どこにでもある具材からおいしさを引き出す手法は、鍋焼きうどんひと筋で長く続いてきた店ならでは。
レトロかわいい見た目と裏腹に、両店の研ぎ澄まされた味覚に圧倒されてしまいました。
煮込む時間が短いだけに、各具材の味つけがつゆに混ざらないのも、この鍋焼きうどんの面白さ。
牛肉のコクがしみ出ているエリア、きざみ揚げの甘さを感じるエリアなど、うどんの上に広がる味の分布図を感じるのも宝探しのようで楽しい。
「アサヒ」には卵入りの選択肢もありますが、ぜひ最初は卵なしで!
いりこ出汁を吸い込んだうどんの芳しい香りをご満喫ください。
いりこの出汁の深い味わいにうっとり!「ことり」




「ことり」DATA
住所:愛媛県松山市湊町3-7-2
電話:089-921-3003
営業時間:10時~14時(麺がなくなり次第終了)
休み:水曜(不定休あり)
Instagram:@nabeyakiudon.kotori
※支払いは現金のみ。営業日など最新情報はインスタグラムを確認してください。
甘みがたっぷりでふくよかなつゆの「アサヒ」




「アサヒ」DATA
住所:愛媛県松山市湊町3-10-11
電話:089-921-6470
営業時間:10時~15時30分(麺がなくなり次第終了)
休み:月曜・火曜・水曜
※支払いは現金のみ。
※掲載している価格は税込価格です。

