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2026.03.13

相性抜群な〝であいもん〟!「いもぼう平野家本店」の炊き合わせ―いもぼう―|京都が誇る「国宝級うまいもん」【4】

時代を超えて人々から支持されている店には、名物と呼ばれるひと皿がある。その上、〝この味ひと筋に〟となったら、もはやそのひと皿は国宝級の味! と編集部の感嘆から始まった本企画。今回は、京都の伝統的な〝であいもん〟を体現した「いもぼう平野家本店(ひらのやほんてん)」の看板料理いもぼう。おいしさ以上に胸が熱くなる料理体験をさぁ、京都で!

海老芋と棒鱈は京の食文化が誇る〝であいもん〟|いもぼう平野家本店の「いもぼう」

海から遠く、入手できる食材に限りのあった京都では、食材同士が味を補い、持ち味を引き立てあう調理法が考案されています。
海老芋(えびいも)と棒鱈(ぼうだら)の炊き合わせ「いもぼう」もその典型。ひとつの鍋で同時に炊くことで、海老芋から出るアクが棒鱈をやわらかくし、棒鱈から出るゼラチン質が海老芋の煮崩れを防ぐ。この料理の発案者が、店の初代主人・平野権太夫(ごんだゆう)。九州で唐の芋と出合い、それを京都に持ち帰って栽培したのが江戸中期のこと。長い時間が「いもぼう」には流れています。

「煮炊きは、それほどに技は要りません。炊き上がった大鍋を特製の竈(かまど)でひと晩寝かせること。竈をつくれる職人がいつまでいるのか、心配にはなりますが」と苦労を苦労と感じさせずに答える15代目主人・北村憲司さん。
ひと鍋で完結するシンプルな炊き合わせだけに、この料理の肝は「質のいい海老芋の確保」に尽きるとか。

「海老芋は、人の世話がたくさん入って、あの独特なフォルムになります。頭だけに栄養分を凝縮させるから、甘みも、ねっとりとした肉質もとびきりなのです」。
そんな海老芋を、この店は特大サイズを選び、頭だけを大胆に提供しています。なんと贅沢なことでしょう。

大きな海老芋なのに煮崩れしないのが不思議でしょ?

「いもぼう御膳」2,750円(いもぼう・先付三種・生ゆば刺身・お吸い物・御飯・香の物・祇園豆腐)など、さまざまなコースで提供。現在は大阪・富田林(とんだばやし)産の海老芋を使用。棒鱈は、稚内産の一本釣りの真鱈。

「質のいい海老芋の確保」が肝心

左/銅鍋で一度に100人分を炊き上げる。2日かけて煮含めた醬油の甘辛い味は、ごはんが進む。棒鱈は骨まで食べられるほどやわらかい。右/「いもぼう」に使われる質のいい海老芋。

15代目主人、北村憲司さん。「いもぼう」の提供はこの店だけ。生産者と連携してこの味を守る。

店は円山公園内にあり四季が楽しめる。

いもぼう平野家本店 DATA

住所:京都府京都市東山区円山公園知恩院南門前
電話:075-561-1603
営業時間:11時~15時、17時~20時
休み:不定休(毎月の休業日は公式サイトでお知らせ)
公式サイト:https://www.imobou.net/

京都が誇る「国宝級うまいもん」シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年4・5月号)』の転載です。
※表示した価格は税込価格です。価格や営業時間などは2026年3月現在のもので、変更される場合もあります。あらかじめ公式サイトなどでご確認ください。
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和樂web編集部


撮影/石井宏明 構成/藤田 優、古里典子(本誌)
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※『和樂』2026年4・5月号 美術展カレンダーに誤りがありました。P.224で紹介しました、福岡県・久留米市美術館で開催中の「美の新地平ー石橋財団アーティゾン美術館のいま」の入館料は、正しくは一般1,500円となります。お詫びして訂正いたします。
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