京都国立博物館で11月26日まで開催中の開館120周年記念 特別展覧会「国宝」。雪舟の「ライブ感」あふれる山水画が鑑賞できる機会です。
日本で「国宝」が誕生してから120年の節目を記念した京都国立博物館の特別展覧会「国宝」に、現在、室町時代の画僧・雪舟の「国宝」全6件が集結している。そのひとつが晩年の大作「天橋立図」。
天橋立図 雪舟 国宝 16世紀 紙本墨画淡彩 一幅 89.5×169.5cm 京都国立博物館 展示期間:展示中~10月29日
一見、現実にはありえない鳥瞰構図に驚かされるが、近づくと遠景を描く速い筆の動き、天橋立対岸の智恩寺にある宝塔のぞんざいな描き方など、随所に雪舟の生々しい筆遣いが感じられる。しかも、20枚の紙を継ぎ、絵柄がつながらない箇所、描き直した跡などもあるため、完成度の高さにもかかわらず、下絵の可能性すらあるという。いわば「下絵」ならではの、ライブ感を味わえる作品だ。