Art
2017.12.28

若冲、国芳、ダ・ヴィンチ、ゴーギャン…観るだけで幸せを感じる名作たち

この記事を書いた人

和樂INTOJAPANでは、「HAPPY」をテーマとし、作品を観た人が幸せの瞬間を思い出してしまうような、日本美術と世界のアートを集めています。今回は、今もペットとして大人気の仔犬や猫、そして生命に満ちあふれた楽園を描く作品たちをご紹介します。伊藤若冲から歌川国芳、ダ・ヴィンチ、ゴーギャンなど。巨匠たちの傑作が勢ぞろい。みなさんはどの作品にHAPPYを感じますか?

「かわいい」は人を幸せに!

自分だけのパラダイスがあれば、人生は楽しい。そのことを想像するだけで頬がゆるみ、にやけてしまう——自分だけのパラダイスがある人は、きっと一生HAPPYです。

それは、モフモフの仔犬や外国の絵本など、「かわいい」ものに触れて童心に返る時間かもしれません。

(9)_芳中仔犬中村芳中「光琳画譜 仔犬」享和2(1802)年 千葉市美術館/ほのぼの愛くるしいワンコの寝顔に胸がキュン。描いたのは大阪の絵師、中村芳中。琳派に憧れ、先達・尾形光琳に倣って描いた画集「光琳画譜」を出版した。俳諧にも親しみ、世の流行に敏感だった

XIR217859 Theory of Elephants, 1896 (pencil on paper) (b/w photo) by Toulouse-Lautrec, Henri de (1864-1901); Musee Toulouse-Lautrec, Albi, France; French,  out of copyrightトゥールーズ=ロートレック「象の行列」/19世紀末のパリで活躍したロートレック。カフェやキャバレーのポスターが人気だが、実はこんなに素朴な鉛筆画も。丸みを帯びたふくよかな象のお尻から、卓越したデッサン力と動物への愛情が伝わる。©Bridgeman Images/PPS通信社

守ってあげたい愛しのペット

猫を抱っこしている時間が何より幸せ!猫好き絵師・歌川国芳の浮世絵に、楽園を見る人も多いでしょう。

11国芳_V歌川国芳「山海愛度図会 ヲゝいたい」嘉永5(1852)年 大判錦絵/猫の日常を愛情たっぷりに描いた猫好き浮世絵師・国芳。この絵は題名を「〜たい」で統一した連作より。猫に抱きつかれた女性が「痛い!」と叫んでいる。©Bridgeman Images/アフロ

12_白貂を抱く貴婦人_Vレオナルド・ダ・ヴィンチ「白貂を抱く貴婦人」1490年 油彩 チャルトリスキ美術館/実は「猫は動物の最高傑作である」と語るほど猫好きだった天才ダ・ヴィンチ。腕の中にいるのはフェレットだが、小さな動物をかわいがる仕草は一緒。©album/PPS通信社

人生を彩る、私だけのパラダイス

巨匠たちが描いた楽園を眺め、心穏やかに過ごすのも幸せなひとときです。ポスト印象派の画家ゴーギャンは、故郷を離れて南太平洋のタヒチに渡り、光に彩られた甘美な楽園をひたすらに描きました。また、動物と鳥が集う「鳥獣花木図屏風」を描いた伊藤若冲は、その絵に、生きとし生けるものはすべて仏になるという仏教の思想を反映させました。つまりそこは鳥獣たちが仏になって暮らすパラダイス。

DMA-13 ゴーギャン編集ポール・ゴーギャン「アレアレア」1892年 油彩 オルセー美術館/アレアレアとは、楽しみや喜び、笑い話を表すタヒチの言葉。楽園を求めて南国タヒチに滞在したゴーギャンは、人間や動物と自然界が調和した世界を描いた。©album/PPS通信社

DMA-p110-111-鳥獣花木図屏風伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」右隻 紙本着色 168.7×374.4cm 江戸時代・18世紀 エツコ&ジョー・プライスコレクション/画面を約1cm四方の枡目で句切り、ひとつずつ丁寧に彩色。奇想の絵師若冲による前代末聞の技法「枡目描き」の作品