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2021.09.07

キモいなんて言わないで!香川県の謎キャラ「うどん脳」辛い下積み時代と今後の野望を語る

この記事を書いた人

“うどん”と聞いて真っ先に思い浮かぶ場所は讃岐の国、香川県ですが、あなたはこの地に住む妖怪「うどん脳」をご存じでしょうか。登場した当初はそのインパクトのあるいでたちから「怖い」「キモイ」など心無い反応もあったといいますが、今では「47都道府県別生活意識調査2020ソニー生命保険㈱」のリサーチにて、香川県民の好きなご当地キャラとして選ばれるまでになりました。街中にはグッズを身に着けた人たちを多く見かけるようになり、イベントに登場すればファンが押しかける人気ぶりです。

「うどん脳」って、たしかに想像するだけでちょっとキモ……怖いかも…。

ここで「え? ちょ、待てよ。当たり前みたいに始まったけど、そもそもうどん脳って何? 」と素朴な疑問が頭をもたげたあなた。正解です。ここでうどん脳について少しご紹介しておきます。

うどん脳とは

元は人間。饂飩(うどん)が大好きで、饂飩ばかり食べてたら……ある朝、目覚めると妖怪「うどん脳」になっていた。自分の姿にビックリして、サンポート高松の赤灯台で泣き崩れていたら香川県在住のうどんが大好きなオカピおじさん(作者)に保護されて、そのまま、居候中。
名前:ツルきゃら うどん脳
性別:不明
誕生日:2011年7月7日の釜あげ生まれ
血液型:イリコ型
大きさ:7㎝〜約2m
うどん脳公式HPより抜粋

え、元は人間だったんだ!大きさ7cmから2mって……

キモイ、怖いと言われた時代を経て起死回生、人気キャラに上り詰めた秘密はいったい何なのか?   

「うどん脳」とのアポイントに成功した私は人気の秘密と今後の野望をインタビューするべく、指定されたとある場所に向かいました。

うどんと脳が似ているという驚きの発想がルーツ

うどん脳サイドから指定されたのは名勝「玉藻公園」(現在一部工事中)

迎えてくれたのはうどん脳の生みの親、(株)オカピデザイン代表取締役・うどん脳事務局の岡谷敏明さん。うどん脳を待つあいだ、岡谷さんにうどん脳誕生の秘密をうかがいました。

— まずはうどん脳誕生のいきさつをお聞きしたいです

岡谷:バブル崩壊後、不景気の波が広がり、それまで担当していたキャラクターの活動停止・連載休止や、出版物の休刊などが続いた約10年前。

行政や企業系のキャラクターは、どうしても担当者の好みで左右され、例えば赤色が嫌いだからこのキャラクターは駄目、誰かに怒られそうだから駄目駄目のオンパレードでした。なら、どうして、依頼をしてきたのか?と、疑問に思うことも多々ありました。

それなら、自分の好きなモノを自由に描くことはできないかな?と思い誕生したのが「うどん脳」です。

— なるほど。うどん脳が誕生するまでは試行錯誤があったとうかがっていますが。

岡谷:誕生するまで数年かかりました。途中、考えついたキャラは何かインパクトが弱く……ある日、「うどん」と「脳」が似ている……「あ!うどん脳」。これはいける!! と思いました。思いつくまで時間はかかりましたが、デザインは数分でした。

ペンで描いたものを、ほぼ、そのまま採用したので誕生当時の、手描きのうどん脳は、頭と顔にあたる部分が斜めに変形していいて、目の形が左右違ったため、印刷ミス? と思われた事もあります。

考えていた当時から「きもくて、印象に残る!」面白いキャラクターにしたかったので、気に入っています。

独占インタビュー「うどん脳の逆襲」ツル!! 

— おっと、誰か来たようだ。って、ついにリアルうどん脳の登場です。早速ですが誕生した当初、一部で「怖い」などの声もあったと思うのですが。その時の正直なお気持ちを聞かせてください。

ちょっぴり恥じらいながらうどん脳登場(撮影:玉藻公園)

うどん脳:怖い! きもい! と言われることは覚悟していたけど、誕生当時は想像以上に言われたので、落ち込んだツル。でも”1万回くらい”言われたので、若干なれてきたツル。

会って数分後「帰っていいよ」といわれた辛い過去

— 当時、きもい、きもかわいいといったキャラは、ほとんど存在しなかったですものね。当初、自治体やマスコミなどからの反応で印象に残っていることはありますか?

うどん脳:登場して2カ月後に、香川県の「うどん県」が発表され、ドキュメンタリー風のプロモーションビデオなどに話題が集中してしまったこともあり、その当時はうどん脳への反応・取材はほとんどなかったツル。

で~ろ~り~ん(撮影:玉藻公園)

アポイントを取ってお伺いした某所では会って数分後、突然「帰っていいよ」と言われた事もあったツル……。(で~ろ~り~ん)

また、「脳むき出しで、クレームが来る」と言われた事も……。

思い出すと切なくなる過去も(撮影:玉藻公園)

— 悲しい思い出に触れてしまってすみません……。気を取り直して。そこから一転、人気となってきたきっかけとは?

うどん脳:巨大化の術(人間界の言葉は着ぐるみ)をしてから、タイミングよく「本場さぬきうどん協同組合」さんの公認うどん大使としてデビューすることができたツル。

たくさんのテレビ・雑誌・新聞などに紹介してもらえたツル。なんと外国でも紹介されたんツル。その約半年後、突然の「ご当地キャラブーム」が到来したツル。

メディア露出とともに、「キモかわ」という言葉が認知され出したのも、追い風になったかもしれないツル。

人気のV字回復を果たし胸を張るうどん脳(撮影:玉藻公園)

— 人気が出てきたと実感したエピソードがあれば教えてください。

うどん脳:一日が問い合わせ対応で終わることが続くことがあったツル。
人気が出てきたというのはおこがましいツルが「47都道府県別 生活意識調査2020ソニー生命保険㈱」のリサーチにて、香川県民の好きなご当地キャラで「うどん脳」が選ばれたことは、とても嬉しかったツル。

最近の人気ポーズをキメるうどん脳(撮影:玉藻公園)

— 奥義“玉分身”について教えてください。

うどん脳:うどん脳の出演依頼が増え、東京と香川の往復や、毎日どこかのイベントや撮影をしている状態で、移動時間もなかなか取れないため、分身の術で3玉になったツル!! メンバーは妖怪うどん脳(ツルちゃん)とうどん脳Zくん(ゼットくん)、暗黒麺邪喰くん(ジャーくん)ツル!!

特に、分身の術に失敗して生まれた黒いうどん脳こと「暗黒麺ジャーク(邪喰)」は、予想以上に人気がああって、イベントに呼ばれたりしているツル。

ピンクリボン運動に参加する際には、うどん脳はうどん脳ツル子としてピンクのドレスとリボンを付けたりしているツル。

また居候仲間として、香川県生息の伝説の生き物「つるのこ(つちのこみたいなモノ)」、空き家からうどん脳が救出した猫「にゃんこ」、ミラノ万博で友達になった鳩「ツルポッポ」などもいるツル。

奥義!玉分身の術!!!

クラウドファンディングは開始12時間で100万円を達成

— 人気のあまりくたびれてきたボディをキレイにしたい! その資金を集めるため「ボロボロ!変色! 剥げた体をキレイにして活動したい『うどん脳エステプロジェクト』」と題したクラウドファンディングを行われたところ、なんと一晩で目標額を達成し、大変話題となっていますね?

うどん脳:活動して10年、身体がボロボロになり、イベント会場で一般のお客さんに笑われることもしばしばで……。

数年前から、「エステでピカピカのツルツルにしたいね。」と思っていたうどん脳……。コロナによる「うどん脳商品販売店」の休業や休店で、売り上げが激減。普段の活動資金も0に近くなってしまったツル。

また次々と中止になるイベントの代わりに、写真や動画配信してきたけど、騙し騙し活動してきたツルちゃんの身体は限界になってしもたツル。

悩んだあげく、現状を発表し、キャンプファイヤーでクラウドファンディングをする事になったツル。

初めての試みだったけど、開始12時間後の朝、目標金額100%(100万円)達成し、その3週間後にはネクストゴールの230%(230万円)を達成! 沢山の方に支援頂き、本当に感謝の気持ちでいっぱいツル。

感謝の気持ちをストレートに土下座で表すうどん脳(撮影:玉藻公園)

— 今後挑戦してみたい事、興味があること、そして大いなる野望があれば教えてください。

うどん脳:すでに動き出しているけど、うどん脳の自動販売機を香川県全域に設置し、現在コロナで厳しくなっているうどん店や飲食店が新しい聖地になり、うどん脳巡りとして活性化したいと考えているツル!

また「うどん=香川=ご当地」というくくりだけではなく、「うどん=日本の食文化」として世界中で活躍したいという野望があるツル!

うどん脳イラストの自動販売機設置店第一号は香川県高松市の「ふる里うどん」。除幕式も盛大に? 行われました

自動販売機が新たな名所になって欲しいツル!! 

— 全国の和樂web読者にメッセージをお願いします!

今はコロナでなかなか旅行できないけど、収束したら香川県に遊びに来てなー。
待ってるツル! ツルツルウエイ!

撮影:高屋神社~天空の鳥居~

朝目覚めたら脳がうどんの妖怪になってた?という恐ろしいエピソードを持つ元人間の妖怪「うどん脳」。「キモイ」「怖い」という逆境を乗り越え、うどんと地元を愛する気持ちが人々に伝わり、現在では大人気キャラクターに変貌しました。今後も讃岐から世界に飛び出すうどん脳の活躍に注目していきたいと思います。

撮影:屋島 長崎ノ鼻

うどん脳HP:うどん脳公式HP
(出演オファーなどはHPの問い合わせフォームから)
Twitter:うどん脳公式Twitter
Facebook:うどん脳公式Facebook
Instagram:うどん脳公式Instagram

書いた人

せとうちに暮らすカエル好きライター。取材先に向かう山道で迷いイノシシに遭遇した経験あり。京都国立博物館トラりんの強火おたく。ジャニヲタ。No J No Life。HP:https://ww-kitamura.com/ Twitter:@yukkisetouchi