2018年9月2日まで、徳川美術館で開催中の「名刀紀行―五箇伝巡り―」。現在、国宝「短刀 無銘 正宗(名物 庖丁正宗)」を公開中です。
短刀 無銘 正宗(名物 庖丁正宗) 国宝 14世紀 1口 刃長23.9cm 元幅3.6cm 徳川美術館 愛知 展示期間:展示中~9月2日
徳川家康が愛蔵した名工・正宗の刀
日本でもっとも著名な刀工・正宗は、14世紀前半に相模国(神奈川)鎌倉で活躍し、「相州伝」と呼ばれる作風を完成させ、刀剣界に大きな影響を与えた。掲載した短刀は、かつて徳川家康が所持し、形見分けで尾張徳川家のものとなり、その後、名古屋の徳川美術館に収められた由緒あるもの。反りがなく、身幅の極端に広い形が包丁に似ていることから、「庖丁正宗」の名称が付いた。刀身には、表裏に貫通するように、不動明王の化身を表す剣が彫り抜かれている。また、焼入れの際に地肌に生じる「地沸」という粒子や、ゆったりと寄せる波のような「のたれ」と呼ばれる刃文の美しさも、見どころである。
◆ここで見られる!
徳川美術館 公式サイト