澤田真一の読み物

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工芸
武士の間で愛された「硬くて柔らかい」関の刀!今こそ日本の最後の砦、刃物産業を知るべし!

刃物産業の町、岐阜県関市。 筆者は三十路もしばらくしてから、この町に関わるようになった。自分がナイフマニアだからこその必然とも言えなくもないが。誰に指示されたわけでもなく、己の意思のみでまったく縁のない土地に出向いた行動力は自分でも大したものだと思う。 国内有数の刃物メーカーが軒を連ねる関は、世界的にもその名が知られている。関で鍛冶の修業を積んだ海外の職人が、ヒストリーチャンネル『刀剣の鉄人』でチャンピオンになったこともある。 そんな関が1年のうちに最も賑わうのは、10月の『関刃物まつり』である。 2019年は中止 10月11日は筆者の誕生日だ。しかし令和元年の誕生日は、パーティーやプレゼント […]

工芸
「俺のナイフにも刃文をつけたい!」海外の職人も魅せられた日本のナイフクオリティ

日本のナイフ産業は、極めて高い技術力を有している。 このことは筆者の他の記事でも言及してきたが、残念ながら日本では「ナイフは危険なもの」という悪印象だけがひとり歩きしている。 昭和30年代の刃物追放運動は、あくまでも民間の団体が始めたものに過ぎなかった。当時の政治家はこの運動に慎重か、もしくは反対の姿勢を示していた。しかし池田勇人首相は、自分の先代の宰相が「デモの力」で退陣に追い込まれた光景を目の前で見てきた。所得倍増計画を達成するために、国民が政権に反発する要素を少しでも減らしたかったのだろう。 だが、そのために日本人自身が「日本のナイフのクオリティー」について考える機会は失われた。 一方で […]

工芸
錆びたら錆びたでまた研ぎ直せばいい。鉄屑寸前の錆包丁を復活させよ!

和包丁は手入れが難しい、と言われている。 確かに、和包丁は錆びやすい。しかし、錆びたら錆びたでまた研ぎ直せばいい。実は和包丁はレストアが容易な代物で、道具さえあれば大した時間をかけずとも実用可能のレベルに戻すことができる。 突き詰めて考えたら、これほど自然環境に優しい設計の道具はない。 ボロボロになっても捨てずに自分で直す。それを可能にしている構造上の工夫が、和包丁からは見て取れるのだ。 1000円のジャンク包丁を復活させる! インターネットというものは便利なもので、こちらが外出しなくともあらゆるものを買うことができる。 今回はヤフオクで1000円の出刃包丁を購入。もちろんこれは錆包丁で、刃も […]

旅と食
モネの池だけじゃない!美味すぎる秘境の名水「吾妻清水」に行くべしべし!【岐阜】

岐阜県関市。この自治体を地図で見ると、「どうしてこうなった?」と叫ばざるを得ない。 まるでブーメランのようなV字型。これは2005年のいわゆる「平成の大合併」の結果である。それにしても、このV字に挟まれた美濃市はよく合併されなんだと思ってしまうが、美濃市は関市とはまた違った特産品や文化を有している。市町村合併と「地元の文化」は、常に反りが合うとは限らない。 それはともかく、関市である。 刃物産業の町として世界的に有名な関市だが、一方で「インスタ映えする景色」に溢れた地域でもある。 紅葉シーズン真っ只中の光景 関市のV字の左側最奥、かつては板取村と呼ばれていた地域は原生林が広がる山間部だ。 筆者 […]

工芸
かつがなくていいなんて!三条市の伝統打刃物職人が送り出す「片手持ちの鉞(まさかり)」

「斧(おの)」と「鉞(まさかり)」は、一体どこがどう違うのだろうか? 鉞の場合は柄とブレードの接続部が刃の部分よりもくびれている、というのが一応の区切りである。しかし現実問題として、斧を日常的に使っている人が「これは斧、これは鉞」ときっちり呼び分けているとは筆者には考えづらい。そのあたりで斧と鉞、或いは手斧(ちょうな)、ヨキはだいぶ混同されているはずだ。 さらに、同じ鉞でも地域毎に形状が異なる。動物と同じで、刃物もその地域の様々な条件に沿った独自進化を達成するのだ。 そういう意味で、斧や鉞はナイフとはまた違った難しさがある。 黒い柄と割込工法 だが、難しいからと言ってそれをいつまでも避けている […]

芸能と文化
サケ、ゲイシャ、鳥居!勘違い日本が舞台の珍ゲーム「Nippon Marathon」が面白過ぎた

80年代のハリウッド映画で、なおかつ日本が舞台の作品を想像していただきたい。 「これって本当に日本!?」と思わざるを得ない日本が出てくるのではないだろうか。 明らかに間違っている日本語、神社の鳥居が大通りのど真ん中にある町、唐突に出てくるスシ、サケ、ゲイシャ、サムライ。そういえば、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』に日系企業の重役フジツウ・イトウという人物が登場した。勘違いもほどほどにしてくれとつい口にしてしまいそうだが、見方を変えれば「変な日本」を探してみるのも洋画鑑賞のひとつの醍醐味。 そんな感じのジャパンを題材にしたゲームがあることを、読者の皆様はご存知だろうか。 それがイギリスの […]

芸能と文化
年収240万円は超高収入。ドラマ鑑賞がもっとおもしろくなる昭和の金銭感覚

近現代史を考察する上で、「物価」は避けて通れない。 人間はどうやら忘れっぽい動物のようで、数十年前の物の値段を今のそれになかなか置き換えることができない。たとえば、現代の小中学生にとって500円は大した額ではないかもしれないが、1970年代の子供たちにとっての500円は恐ろしいほどの大金だった。それだけ持っていれば、子供が欲しがる大抵のものは買えたのではないだろうか。 というわけで、この記事では「物価」について考えていきたい。 ブレトン・ウッズ体制下の日本 筆者が小学生に入学した頃、既にバブル経済は終焉を迎えていた。 そのため、幼少期から今に至るまでの筆者の体感物価指数に殆ど変動はない。敢えて […]

工芸
「短刀」が「Tanto」に!日本の刀剣が今、ナイフの世界基準になっている?!

ナイフ用語における「ポイント」とは、切っ先部分を指す。 クリップポイント、ドロップポイント、ケーパーポイント、スピアポイント、ニードルポイント。形状はいろいろあるが、中にはタントーポイントと呼ばれるものもある。タントーとは、あの「短刀」だ。 日本語の「短刀」はあくまでも普通名詞に過ぎないが、国際単語としての「Tanto」はひとつの形式を指している。日本の刀剣が、意外な形で海外のナイフ製造分野に影響を与えているのだ。 「アウトドアナイフの宝庫」アメリカ アメリカは、家内制手工業レベルのナイフ製造が盛んな国である。いわゆるカスタムナイフ分野だ。 もちろん、アメリカといってもそこは恐ろしく広い国で、 […]

工芸
日常から刃物が消えた!日本のナイフ産業を襲った「刃物追放運動」とは?

日本国内のナイフコレクター、職人、そして肥後守を始めとする日本の伝統的ナイフのファンは、異口同音に「昭和30年代の刃物追放運動がなければ」と語る。 「刃物追放運動」または「刃物を持たない運動」が日本の刃物産業に多大な悪影響を与えたのは事実である。 肥後守は、その固有名詞自体が登録商標で、兵庫県三木市の刃物製造業者の組合員であれば同型ナイフに「肥後守」と刻印することができた。それが今では永尾かね駒製作所のみが肥後守の生産を続けている状態だ。 この記事では、日本のナイフ産業を急激に衰退させる分岐点になった刃物追放運動について考察していきたい。 日常から刃物が消えた! 1960年(昭和35年)10月 […]

工芸
これぞ男のロマン!肥後守「切り出し型」にナイフマニアも驚愕

兵庫県三木市の永尾かね駒製作所が生産する肥後守について、筆者は和樂Webで何度か記事にしている。 肥後守の記事はいずれも多くのPVを取っていると聞いて、嬉しい限りだ。 肥後守は日本の伝統的ナイフであると同時に、世界からその合理性と機能性を評価されている製品。フリクションホルダーナイフの中で極めて大きな知名度を誇る肥後守は、世界各国にファンを抱えている。 そんな肥後守にも様々な種類のものが存在するが、今回は非常に珍しい型の肥後守を取り上げようと思う。 日本の黒歴史「刃物追放運動」 本題に入る前に、筆者のInstagramアカウントについてここで紹介させていただきたい。 この投稿をInstagra […]

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