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扉を開けるとそこには、美味を極めた珈琲と居心地のいい時間が
毎日訪れて美味しい珈琲を飲み、語らうことが生活の一部。そんな人々とともに、独自の喫茶店文化が脈々と受け継がれている京都。
名喫茶と呼びたくなる店の魅力を探ると、そのたたずまいに、珈琲の淹れ方に、心鎮まるような時間の流れに数々の茶味が宿っていました。
茶味ある空間で美味しい珈琲を。京都を訪れる楽しみがまたひとつ増えました。
毎日でも通いたい! 茶味香る老舗&新定番の珈琲店へ
三条河原町にありながらのんびり時間が流れる。
親子3代で受け継ぐ「六曜社珈琲店」
京都でも古株の1950年創業の「六曜社珈琲店」。現在は1階を3代目奥野薫平(おくのくんぺい)さん、地下を2代目修さんが切り盛りしています。
約10年前、薫平さんが店を継ぐことを決めたのは「珈琲だけでなく、常連さんたちの場所と時間を守りたかったから」だとか。店の歴史と愛する地元の街を思う誠実な気持ちこそ、この店の〝茶味〟。
祖父のネルドリップ式を受け継ぐ昔ながらの喫茶店は、多くの地元客や観光客で賑わう繁華街にあって、ほっと和める憩いの場になっています。
4年前には自家焙煎の豆に切り替えるなど、この店らしさを高める薫平さん。3代続く、大衆的でちゃんと美味しい深煎り珈琲にも茶味な香りが漂う。祖父の時代から愛され続けるドーナツとともに、ゆるりとした時間を。
六曜社珈琲店(1F)ろくようしゃこーひーてん
住所:京都市中京区河原町三条下ル大黒町40
電話:075-221-3820
営業時間:8時30分〜22時(L.O.) 水曜休
公式サイト:https://rokuyosha-coffee.com/
撮影/伊藤 信 構成/川村有布子、福持名保美(本誌)※本記事は雑誌『和樂(2021年4・5月号)』の転載です。