食が多様化している時代だから、うつわも無国籍な雰囲気で
「essence kyoto」京都・岡崎
京都の新しいカルチャーエリア・岡崎に、2018年に開業。海外から訪れる人も多いため、和のうつわでも、料理や使い方を限定しない雰囲気であることを、意識しているそうです。
「日本人の食生活は国際化していますし、用途が決まっていなければ汎用性も高まります。これから手に入れるなら、そこをポイントに選ぶと、一生つきあえるうつわになるのでは」と、荒谷(あらたに)里恵さん。紹介する3つのうつわは、作家の独自の表現がありながらも奇抜ではなく、使っていくうちに、しみじみいいなと思えるもの。扱いやすいから、自然と毎日手が伸びるようにもなります。家族の一員となりうるうつわが、見つかるかもしれません。
小野哲平さんの「薪窯 中鉢」
力強いけど温かい作風に元気をもらって
日本だけでなく海外のファンも多い人気の作家。アジアを旅し、人々の純朴さに触れ、その経験は作陶にも生かされているという。「小野さんの心の深いところが、そのまま表れているようです。自分の情熱をうつわに投影することで、使う人を励ましたいという高い志に、世代を超えて共感する人が多く、僕も大ファンなんです」(啓一さん)
●直径19×高さ9㎝ 参考商品
督田昌巳さんの「深リム皿 錆漆」
一見では木工と思えない自由な表現に心惹かれる
鹿児島の木工作家・督田昌巳(とくだまさみ)さんは、より直感的にものづくりをしたいと、うつわを手がけるように。緻密な形だが、デザインはフリーハンドで起こしている。桜の木地に漆と砥粉(とのこ)を塗ったこの皿は、錆漆(さびうるし)のざらっとした手触りが心地いい。中央に料理を盛ったり、アンダープレートにするなど発想は自由。水洗いできるので扱いやすい。●直径24×高さ1㎝ 参考商品
二階堂明弘さんの「やきしめ三角鉢」
土を愛して生まれた究極にシンプルな形
素朴な焼き締めでありながら、洗練されたモダンな雰囲気も漂う二階堂明弘さんの作品。益子(ましこ)、伊豆と、極力自分が活動する場所の土を使い、シンプルな形に仕上げた美しいうつわは、土に触れることを愛する作家ならでは。薄く、軽いので扱いやすく、和洋問わずどんな料理とも好相性。うつわ好き、料理好きの心をとらえて離さないのも納得。●直径18.5×高さ7㎝ 参考商品
店舗情報
essence kyoto(エッセンス キョウト)
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町36-1 2F
電話:075-744-0680
営業時間:11時~18時
休み:月曜 ※不定休あり
https://essencekyoto.com/
撮影/伊藤 信 構成/湯口かおり、後藤淳美(本誌)
※本記事は雑誌『和樂(2023年2・3月号)』の転載です。掲載商品は税込価格です。1点もの、もしくは数量が限られているため、在庫がない場合もあります。