Culture
2024.08.15

『竹取物語』にも登場する瑠璃色ってどんな色?【編集部スタッフが繋ぐ、日本文化の思い出】

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編集部スタッフが繋ぐ、日本文化の思い出。今回のお題は「瑠璃色」。

私、和樂webで業務コンサルタントとして働いておりますkojirooと申します。普段は、全体の流れを見ながら改善点提案などを行っております。別メディアでライターとして記事を書いた経験がある、ということで私にもバトンが回ってきました。今まで書いた記事はツール紹介系やイベント体験記事。リレー形式記事は初めてなので、どきどきしながら思い出を語らせていただきます。

お題を聞いたときに「なぜ瑠璃色にしたし」と心の中のギャルがツッコミを入れてしまいました。それぐらい思いもしなかったお題。

そもそも瑠璃色ってみなさんご存知ですか? 僕は聞いたことはあるけど、わかっていない色でした。どんな色か調べつつ、思い出を探ってみます。

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編集部スタッフが繋ぐ、日本文化の思い出

瑠璃色は何色?

webに関わる仕事をしている身なので、色彩コードから探してみました。
瑠璃色は#1e50a2。「あざやかな青紫系の色」のようです。

紫色と言えば、平安時代の人々にとっては藤原氏が栄華を極めた貴族文化を彷彿とさせる高貴な色と考えられていたようです。日本以外の国でも、身分の高い者しか身に纏うことが許されなかったこともあり、禁色と言われていた時期も。瑠璃色はそんな紫色が入っている色ですから、当時の人々からすると高貴な色の一つだったのでしょう。

紫、平安時代……思わず紫式部!と言ってしまいたくなりますが、瑠璃色で思い出したことが一つありました。『竹取物語』の一文「金、銀、瑠璃色の水、山より流れいでたり」です。

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かぐや姫はわがまま?

『竹取物語』の一文「金、銀、瑠璃色の水、山より流れいでたり」は、「金・銀・瑠璃色した水が山から流れ出ています」という風に現代語訳できます。『竹取物語』を読んだのは、小学4年生の頃。「瑠璃色ってどんな色だろう」って考えた記憶が蘇ってきます。

瑠璃色を調べた今でさえ、青紫色の水って考えると「毒」ではと思ってしまいます。当時の貴重なものの比喩表現、と頭では理解していても心が追いつかない。頭と心がちぐはぐになるのは、まるで恋のようです。

そんなことを考えていたら思い出したのが、子供の頃のかぐや姫の印象。かぐや姫は求婚してきた男たちに無理難題を伝えて結婚を諦めさせたり、果てには月に帰ってしまい誰も報われない、といった形で男を振り回す女性に見えていました。求婚していた男たちの中には富も名声ある男も多く、最大の権力者である帝でさえも例外なく全員振られるという事態。物語と言えども、ショッキングな内容でした。

その印象から「惚れた女性に振り回されるのは当たり前、だからこそ女性には優しくしよう」なんて考えたように思います。この考えは僕の人生にけっこうな影響を与えてきたため、もし『竹取物語』と出会っていなければ、僕はまた違った人生を歩んでいたでしょう。

瑠璃色は夜のイメージ

あらためて『竹取物語』を読んでみると、『天人の持参した不死の薬』ってもしかして瑠璃色だったんじゃないか? なんて妄想も捗ります。帝に渡すシーンも夜中っぽいイメージだし、実際の夜中から夜明け前あたりの澄んだ空気のイメージに瑠璃色が近いように感じます。

考えてみれば昔から好きな色は青系だし、夜中から夜明け前の時間も好き。この文章を書いている時間も実はそのあたりの時間と、実は瑠璃色は身近なものだったのかもしれません。

次のテーマは「瑠璃色」

次のバトンは我らがボス、鈴木深編集長。テーマは……あれ? なんかいつの間にか決まっちゃってた&被っちゃってませんか? でも、『編集長の今日のNAVY』シリーズでネイビーカラーへの愛をささやいている深さんにぴったりのテーマかもしれませんね。

編集長の今日のNAVYシリーズ