和に通じる静けさを湛えた端正モードな名品バッグ
ビスポークテーラーが立ち並ぶ通りとして知られるロンドンのサヴィル・ロウにちなんで名付けられた「ザ・ロウ」。アメリカで2005年に生まれ、時代を超越したクラシックさにモダンさを共存させた唯一無二のアティチュードで人々を魅了しています。

その名に託したのは、最高級の素材使いと、非の打ちどころのない精緻(せいち)なディテールと仕立てから生まれるものづくり。ミニマルで存在感のあるフォルムは、なめらかな手触りと、シックな彩りによってさらに際立ちます。

芳しい草花を生けた竹籠は、14本の竹ひご素材を束ねて編み上げたもの。本田聖流(ほんだしょうりゅう)作の「束編花籃(たばねあみはなかご)」(和光本店地階アーツアンドカルチャー)
そんなメゾンの美意識が息づくバッグは、機能的で美しく、収納力があり、大人の日常に寄り添うタイムレスなデザイン。なかでも今注目を集めているのが、このクラシックな佇まいの「インディア」です。
丸みをおびたフォルムに、ほっそりと伸びるチューブ状の優雅なハンドルとのバランスの美しさは、見惚(みほ)れてしまうほど。細部に至っては、無粋になりがちなハンドルの付け根も、縦長のボトルシルエットで繊細に。またロゴは南京錠にあしらうと同時に、あえてバッグの後ろ側に小さく刻印するという、控えめな姿勢にいたるまで、和の精神にも通じる、すべてにおいてエレガントな名品です。

こちらは少しサイズアップして、タブレットなどが入る『INDIA 12』。オンタイムにも使い勝手のいいサイズ感で、出番が増えそう。シボ感のあるグレインカーフレザーで、丈夫で汚れが目立ちにくいのも魅力。ライニングは柔らかなラムスキンレザー。『INDIA 12』[縦24×横30×マチ12㎝]¥650,100(ザ・ロウ・ジャパン)

いずれのモデルもサイドには、裏にロゴがさりげなく刻印されたメタル製パドロック(南京錠)付き。ファスナーの取っ手のデザインも、ハンドルの付け根と同様の縦長ボトルモチーフでまとめて、細部まで優雅に仕上げられています。深すぎず、程よく広がる開口部も上品な印象に。
撮影/戸田嘉昭(パイルドライバー)
スタイリスト/Chizu
竹籠提供/斎藤正光 花生け/花屋 西別府商店
デザイン/金田一デザイン
構成/藤田由美、古里典子(本誌)
問い合わせ
ザ・ロウ・ジャパン
03-4400-2656
www.therow.com
※この特集での価格表記は、すべて税込価格です。
※本記事は『和樂(2025年12月・2026年1月号)』の転載です。

