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2026.03.12

無限に広がる味の組み合わせを! 「志る幸」のお椀―汁いろいろ―|京都が誇る「国宝級うまいもん」【3】

時代を超えて人々から支持されている店には、名物と呼ばれるひと皿がある。その上、〝この味ひと筋に〟となったら、もはやそのひと皿は国宝級の味! と編集部の感嘆から始まった本企画。今回は割烹料理店「志る幸(しるこう)」の多彩な「汁(お椀)」。名物料理にかける主人の心意気の詰まった逸品をご案内します。

割烹料理店が供する選び抜かれた素材のお椀|志る幸の「汁いろいろ」

割烹(かっぽう)料理店ですが、「汁(お椀)」に特化して品書きをそろえる唯一無二のこの店。具材の書かれた大きな黒い木札が、ずらりと並べられて壁を占める様子は圧巻です。汁の味噌は白、赤、合わせの3種類。すまし汁もあり、具材は季節で入れ替わります。

主人・小堂(こどう)修平さん曰く、「常連さんは、一品料理を召し上がって、お汁を1杯、2杯……と注文されますよ。汁を飲むのは一回きりの決まりはありません。うちはそういう店です」。

出汁の要である水は京都の地下水脈を流れるまろやかな井戸水を使用。利尻産の昆布、枕崎産の鰹節(かつおぶし)で、その日使う分の出汁を朝一番にとります。割烹料理の流儀にのっとり、すべての具材のこしらえは注文が入ってから。魚を切り、下ゆでするところから始まります。下準備を含めて、1人前ずつ小鍋で用意するのは、たとえば下ゆでで鯛から出る旨みと蛤(はまぐり)から出る旨みは異なり、それぞれ別々に汁に生かしたいから。その日の魚の状態を見ながら、基本の出汁や味噌の量を瞬時に調整できるのは、熟練の腕があってこそ。

無限に広がる味の組み合わせを、「志る幸」の汁に着地させる極意は、「のどを通ったときに出汁の味が勝つようにしています」。くじらや鯛のあらなど、具の味が強いほど、その真髄がわかります。

京都といえば白味噌ですが、ほかにも・・・

おとしいも×白味噌

「おとしいも」900円

鯛×すまし汁

「鯛」1,400円

蛤×赤味噌

「蛤」時価。

もうひとつの名物「利久辨當(りきゅうべんとう)」につく汁は豆腐の白味噌。「利久辨當」を注文して、好みの汁に替えることもできる(差額代が必要)。春はたけのこに木の芽を浮かべた白味噌や、若竹汁もおすすめ。

具材の表記には「汁を濁らせない」心意気が!

小堂修平さん。昭和7(1932)年に創業した初代の娘さんと縁あり、2代目主人に。背後の壁には具材の書かれた大きな黒い木札がずらり。具材の表記に濁点が付かないのは、「汁を濁らせない」心意気から。

左/趣ある玄関。右/座敷に店の人が座り、客は椅子席という斬新な配置の店内。三条大橋、五条大橋の欄干に見立てた長椅子席がユニーク。

志る幸 DATA

住所:京都府京都市下京区四条河原町上る一筋目東入る
電話:075-221-3250
営業時間:11時30分~14時(入店)、17時~20時(入店)
休み:第2・第4火曜 ※第1・第3・第5火曜は昼のみ。※懐石料理は要予約。
公式サイト:http://shirukou-kyoto.jp/

京都が誇る「国宝級うまいもん」シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年4・5月号)』の転載です。
※表示した価格は税込価格です。価格や営業時間などは2026年3月現在のもので、変更される場合もあります。あらかじめ公式サイトなどでご確認ください。
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和樂web編集部


撮影/石井宏明 構成/藤田 優、古里典子(本誌)
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※『和樂』2026年4・5月号 美術展カレンダーに誤りがありました。P.224で紹介しました、福岡県・久留米市美術館で開催中の「美の新地平ー石橋財団アーティゾン美術館のいま」の入館料は、正しくは一般1,500円となります。お詫びして訂正いたします。
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