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2026.09.25

兵庫・須磨で「一番摘みの海苔」を食べてみた!|絶品おにぎりに出合う旅 Part2

南北に長い島国である日本は、食文化が多様。その違いを楽しむ和樂が今回選んだテーマは「おにぎり」。おにぎりの味は海苔(のり)の風味が決め手、ということで、須磨浦(すまうら)で評判の海苔漁師さんを訪ねました。海苔の産地といえば佐賀県が有名ですが、近年は兵庫県が生産量の日本一に。勢いにのる海苔づくりの現場を拝見!

須磨の海で育った海苔は黒くて、厚みがあって旨みが強い。おにぎりと相性はぴったり!

12月から4月にかけて行われる須磨浦の海苔漁。天気がよく、海が穏やかな日は早朝から夕方まで、“潜り船”と呼ばれる海苔摘み専用の船で海苔を摘み取る作業が続く。海苔棚の網の下を船が潜ります。アイキャッチ画像は、船上で食べる昼食のおにぎり。食べやすい小ぶりなサイズ。

須磨浦の船泊まりから海苔漁を行っている沖合へは小型船の移動でほんの数分。
海上からは神戸一の繁華街・三宮(さんのみや)がすぐ近くに見え、その先には大阪のビル群も!
都会の景色とのギャップに驚きますが、須磨浦こそ兵庫県の海苔養殖の始まりの地。

須磨で漁師歴27年。「自分好みの海苔づくりは楽しい!」 すまうら水産代表・若林 良さん

海苔の芽は大阪湾の豊かな栄養を吸収し、その上、明石海峡の潮の流れを受けるので丈夫に育つ。
山と海が接近している須磨は山からの伏流水が海に注ぎ込む点でも、海苔の生育に最適。
若林 良(りょう)さんが代表を務める「すまうら水産」の海苔は、黒くツヤがあり、旨みが濃いのが自慢です。

左/海苔の養殖は、「支柱式」と呼ばれる海の干満の差を利用した方法が古くからあるが、兵庫県では沖合に海苔棚を張る方法を採用。船が海苔網を持ち上げ、網の下をくぐりながら頭上の海苔を刈り取る。右/海苔の胞子は、刈り取られた後も繁殖を続ける。写真は今季7回目の刈り取り前の状態。終盤は芽が開き、硬くなる。

漁業の閑散期の仕事である海苔の養殖は、秋から春がシーズン。
11月下旬、海苔網で培養した芽が1~2cmに成長したところで、沖合の海苔棚(のりだな)に投入。約2週間で30cmほどに成長した芽を摘み取り。
この新芽でできた海苔が「一番摘み」「初摘み」などと呼ばれる価値の高いもので、若林さんは一番摘みの海苔だけを自社の名前を掲げて販売しています。

左/“潜り船”の船上。特殊なカッターで海苔を刈り取ります。右/海苔の成長を確認する若林さんの手。

「一番摘みの芽は赤っぽい色で、やわらかい。ツヤがあって、感触もまったく違います」と口調に熱が入る若林さん。
コンビニおにぎりに代表される安価で無個性の海苔がスタンダードになりつつある現代に、若林さんが一番摘みの海苔を推す理由は、「海苔本来の味を知ってもらいたいし、自分好みの海苔をつくるのは、大変だけど楽しい」と思うから。
「パリッとした海苔が僕の目ざすもの。歯切れがよくて、それでいて海苔の繊維が程よく残る。ただ口どけがいい海苔はつまらないかな。口の中でほどける過程が、海苔の味わいなんです」

乾燥機にかけられた海苔。その日の気温や湿度に応じて機械を設定。「海苔づくりは、自然任せ。人間が世話できることは少しです」と若林さん。

最後に、おにぎりをおいしく食べるためのひと工夫を教えてもらいました。
「僕たち漁師は、ただ海苔を乾かしただけの『乾(かん)海苔』(主に寿司を巻くのに使う)が好きですね。直火で焙ると海苔の香りがたつので、それをおにぎりに巻くと最高です」。
すでに焼いて加工されている「焼海苔」でも、食べる前に焙ると風味が増すそうです。

若林さんのつくる海苔


種の育苗から乾海苔の加工まで一貫生産(味付け海苔の調味工程は委託)。年間生産量の3%という希少な一番摘みの海苔を「須磨海苔」の名で販売。一例として右から乾海苔550円、焼海苔600円(共に全形8枚入り)。
公式サイトのオンラインショップで販売中。

すまうら水産直売所


住所:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通4-9-8
電話:078-731-5001
営業時間:10時~17時
休み:水曜
公式サイト:https://sumaurasuisan.jp/

若林さんの海苔のおにぎりを神戸・三宮で食べるならここ!

カフェ リンクツリー

神戸市営地下鉄海岸線「三宮・花時計前」駅構内にある「カフェ リンクツリー」では平日限定の「おにぎりランチ」に「すまうら水産」の焼海苔を使用。
月替わり12種類のおにぎりがそろいます。
Instagram:@link_tree.mkr

※本記事は雑誌『和樂(2025年6・7月号)』の転載です。※掲載している価格(税込)は2026年9月現在のものです。
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和樂web編集部


撮影/石井宏明 構成/藤田 優、古里典子(和樂)
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