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Gourmet
2019.10.07

大阪のミックスジュース発祥の店「千成屋珈琲」!レトロな喫茶店で本物の味を堪能!

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バナナやりんご、みかん…いろいろな果物のおいしさが一度に楽しめるミックスジュース。大阪人のソウルドリンクとも言える飲み物ですが、その始まりをご存知でしょうか?

大阪のミックスジュースは1948年(昭和23年)創業の新世界界隈にある一軒の果物店で、創業間もないころに発案されました。もともとは、“無駄なく最後まで使いきる”という大阪商人の「始末の精神」から生まれたものですが、甘味が最大になる完熟した状態の果物を使ったジュースが「おいしい」と評判になり、これがミックスジュースのはじまりといわれています。果物店はその後『千成屋珈琲』として喫茶店に業態を変え、その味は代々受け継がれ大阪人に愛されてきましたが、店主の体調不良により2015年に一時閉店。その後、閉店を惜しんだ地元のファンと企業がタイアップして事業を継承し、2016年に再オープンしました。そんな大阪人のミックスジュース愛と果物のうまみがたっぷりと感じられる『千成屋珈琲』をご紹介します。

観光客にも人気!大阪随一のディープスポット

新世界というのは通天閣辺りの繁華街のこと。昭和レトロな街並みが人気で、カメラを手にした人も多く訪れています。更にインバウンドの影響もあって、大阪の人気の観光スポットのひとつに挙げられています。

星野リゾートができるという計画が「そんなん無理やん」「あんなとこに作ってどないすんねん」と大阪人をざわつかせているのもこの近く。大阪でも何かと話題のエリアです。

昭和感漂うジャンジャン横丁

新世界の一角、通天閣の南東にあるジャンジャン横丁は、『じゃりン子チエ』にも登場する“ザ・大阪”とも言えるコテコテの場所のひとつ。『じゃりン子チエ』全盛期にはアニメのモデル・舞台となった場所を巡る「聖地巡礼」なんて言葉はありませんでしたが、世が世なら間違いなく「聖地」となっていた場所です。アーケードの中には立ち飲み屋や串カツ店の他、昭和の面影を色濃く残す将棋クラブも残っていて、ジャンジャン横丁は将棋の聖地としてもファンの間で有名です。

写真左手前が千成屋珈琲です。早速入ってみましょう!

ミックスジュース発祥の地・千成屋珈琲

店内はステンドグラス風のペンダントライトや、1970年に開催された大阪万博のポスターなどで、昔懐かしいレトロな雰囲気。地元の常連客も多いですが、土日は観光客が多く訪れます。店内はあまり広くないので、タイミングによっては満席ということも。そんな時は通天閣のあたりを観光して再度お店に戻ってくると席が空いているということもあるので、諦めずにトライしましょう。

BOX席のようになっていて、さりげなく施されている目隠しもオシャレなデザインです

これこそ大阪のミックスジュース!

千成屋珈琲を訪れたら、名物のミックスジュースはマスト!りんごも皮ごと使われているので赤い皮がジュースの中に見え隠れしています。大阪のミックスジュースは、他の地域のものと比べるとかなりとろみがあります。特に千成屋珈琲のミックスジュースは、ストローが立つほど濃度でまるでスムージーのよう。

これが大阪人にとっての本物のミックスジュース。大阪人が他の地域へ行った際にサラサラのミックスジュースを飲んでガッカリするというのはよく聞く話です。

ミックスジュースのモーニングがお得

9時から11時のモーニングサービスの間にミックスジュースセットを注文すると、ミックスジュースの価格でトーストとゆで卵がついてくるのでお得です。トーストとゆで卵より先にミックスジュースが運ばれてきたのですが、濃厚すぎてストローは微動だにせず直立したまま倒れません。

昔懐かしのレトロなメニュー

千成屋珈琲の名物はミックスジュースだけでは終わりません。ふわふわのだし巻き玉子をはさんだ「厚焼き玉子サンド」や、新鮮なフルーツとあっさりした生クリームをたっぷりと使ったフルーツサンドもおすすめ。

昭和世代から懐かしい〜!と人気の「鉄板ナポリタン」も。薄焼き玉子の上に山盛りに盛られたナポリタンに食欲がそそられます。

「冷コー」って知ってる?

今の若い世代で「冷コー(れいこー)」を知っている人はどれだけいるでしょうか。千成屋珈琲は、死語となった「冷コー」を注文できる貴重な喫茶店。「冷コー」というのはアイスコーヒーのこと。

「冷コー」だけではなく「レスカ」(死語:レモンスカッシュのこと)も健在です。

「冷コー」には水出しでじっくりと抽出するダッチ・コーヒーが使われます

平成・令和時代の千成屋珈琲

昔からの味を引き継ぐ千成屋珈琲ですが、再オープンしてからは新しいメニューも取り入れられています。SNSを意識したフォトジェニックなフルーツスムージーや、最近爆発的人気のタピオカドリンクも提供。これらは隣に併設されている千成屋珈琲スタンドでも気軽に楽しめます。一部商品はテイクアウトも可能です。

大阪人に愛される千成屋珈琲

惜しまれつつも一度は閉店した千成屋珈琲。日本各地には高齢化や後継者不足で同じような状況のお店も多いのではないでしょうか。千成屋珈琲のように地元のファンや企業が支えて事業を継承できるというのは稀かもしれませんが、他の地域でもこのような取り組みが広がり、受け継がれた技術や伝統、味が未来に繋がることを願います。

千成屋珈琲 基本情報
住所: 大阪市浪速区恵美須東3丁目4番地15
電話番号: 06-6645-1303
営業時間: 9:00~21:00
公式webサイト: 千成屋珈琲

書いた人

生まれも育ちも大阪のコテコテ関西人です。ホテル・旅行・ハードルの低い和文化体験を中心にご紹介してまいります。普段は取材や旅行で飛び回っていますが、一番気持ちのいい季節に限って着物部屋に引きこもって大量の着物の虫干しに追われるという、ちょっぴり悲しい休日を過ごしております。