日本文化の入り口マガジン和樂web
9月22日(水)
元始、女性は太陽であった(平塚らいてう)
日本文化の入り口マガジン 和樂web
日本文化の入り口マガジン 和樂web
9月22日(水)

元始、女性は太陽であった(平塚らいてう)

読み物
Art
2018.05.01

俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一、琳派とは?が3分で解決

この記事を書いた人

日本美術史上屈指のキラキラな美しさを放つ、江戸時代に京都で始まった「琳派」。金銀の華やかな装飾や大胆なデザインで、400年にわたって人々の心を虜にしてきたスターオブ日本美術です。そんな琳派の「きれい! 楽しい! カッコいい!」がわかる超入門。“琳派3分講座”をご紹介します。「そもそも琳派って?」そんな疑問を、10問10答で解決!

1 琳派って何?

江戸時代に描かれたのに、デザイン性の高さやかわいらしさ、華やかさ、親しみやすさがあることから、日本美術で伊藤若冲(じゃくちゅう)と並ぶ人気を誇るのが“琳派(りんぱ)”です。この名称は近代になってつけられたもので、もととなっているのは国内外で有名な絵師・尾形光琳(おがたこうりん)。美しい玉を意味する“琳”は、琳派の絵のイメージにもマッチしています。

2 なぜ“琳派”と呼ぶの?

光琳が生きていた時代に彼らを表す特別な名称はなく“琳派”など存在していませんでした。それが近代になると、光琳に通じる特徴のある絵を描いた絵師たちがひとまとめにされるようになり、いろいろな呼び名がつけられたのですが、昭和47(1972)年の東京国立博物館創立百年記念特別展「琳派」以来、“琳派”が定着しました。

3 だれが始めたの?

琳派の歴史の始まりは桃山〜江戸時代。芸術的センスの高さで有名だった本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)に才能を認められ、たくさんのコラボ作品を経て大作を手がけるようになった俵屋宗達(たわらやそうたつ)にさかのぼります。その作品を100年後に見た光琳が師と仰いで模写し、さらに100年後に酒井抱一(さかいほういつ)がふたりを手本にして、琳派の画風が受け継がれました。

4 琳派って家族?

狩野(かのう)派や土佐(とさ)派などが親子や兄弟で形成されていたことから、“○○派”と聞くと家族や親戚のようなイメージがありますが、琳派は全然違っています。自分の求める絵を自由な立場で描きたいと思っていた絵師たちが、時代を超え、宗達や光琳の作品を手本にしながらテクニックやセンスを受け継ぎ、自分流に発展させてきたのです。

5 狩野派とどう違うの?

狩野派は中国様式の水墨画“漢画(かんが)”をベースにした画風で、室町時代後半の足利将軍家や信長、秀吉、徳川幕府などの権力者の後ろ盾を得て、巨大にして強固な派閥を形成しました。それに対して琳派は、平安時代のやまと絵に憧れたフリーな立場の絵師たちを後からひとくくりにして呼んだもの。画風も社会的地位もまったく違っていました。

6 有名な人は?

桃山時代に京都でも最高の粋人として知られた本阿弥光悦と、その眼鏡にかなった俵屋宗達。呉服問屋「雁金屋(かりがねや)」の御曹司ながら絵師になった尾形光琳。江戸琳派を始めた酒井抱一とその弟子・鈴木其一(すずききいつ)。明治時代に琳派を復活させた神坂雪佳(かみさかせっか)などがあげられます。

7 有名な絵は?

宗達の「風神雷神図屏風」「源氏物語関屋澪標図屏風」「蓮池水禽図」、光琳の「燕子花図屏風」「紅白梅図屏風」など国宝絵画のほか、「舟橋蒔絵硯箱」(光悦)や「八橋蒔絵螺鈿硯箱」(光琳)、野々村仁清の陶芸など琳派は工芸でも国宝が目白押し! 宗達と光琳の「松島図屏風」、光琳と其一の「群鶴図屏風」など琳派ならではの競作も要注目です。

8 どんな特徴があるの?

屏風などの背景に金地や銀地のみを用いて、主題として描いた自然や人物、動物はそれまでの絵の常識にとらわれないもので、デザイン化や簡略化をして、ビジュアル的な面白さを表現しているのが琳派作品の最大の特徴です。その一方、6面の屏風を左右一対とした“六曲一双(ろっきょくいっそう)”というそれまでの常識をくつがえし、“二曲一双”というスタイルをつくったことも琳派の功績として見逃せません。

9 作品はどこにあるの?

根津美術館の「燕子花図屏風」、MOA美術館の「紅白梅図屏風」など花の季節に合わせて公開される光琳の国宝2作のほかに、琳派の絵師の作品は東京国立博物館や京都国立博物館など各地の有名美術館にあります。また、海外でも琳派の人気は高く、アメリカのメトロポリタン美術館、フリーア美術館で琳派の名画が大切にされています。

10 なんでこんなに人気なの?

金や銀の使い方や鮮やかな色使いなど、だれが見ても素直に美しいと感じられることが第一の理由です。それに加えて、装飾的・デザイン的に描かれた絵は難しそうなところが全然なく、現代の人の目にも新しくて、面白いと感じられるものばかり。自由で楽しく、わかりやすいことから、琳派の作品は今も高い人気を保っています。

俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一、琳派とは?が3分で解決酒井抱一「白蓮図」一幅 絹本墨画淡彩 江戸時代・18世紀 104.3×37.2cm 細見美術館 image:Artefactory/Hosomi Museum/OADIS

あわせて読みたい

ここまで同じ!でもこんなに違う!京琳派、江戸琳派の「風神雷神図」を比べてみました

▼琳派について詳しく知るなら! 和樂webおすすめ書籍
教えてコバチュウ先生! 琳派超入門