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2026.10.02

10月中旬で会期終了! 見逃したくないおすすめ展覧会。【土門拳写真美術館、五島美術館、泉屋博古館東京ほか】

最新の展覧会情報を網羅した、『和樂』本誌の連載企画「全国厳選! 美術展カレンダー」。日本美術はもとより、写真や西洋画など、芸術の秋にふさわしい展覧会が各地で盛況です。会期も残り少なくなった10月12日終了の3館と、18日・19日・20日に終了する各1館の情報をご紹介。美術好きにはたまらないラインナップです。

土門拳写真美術館 ~10/12
特別展「Double Body 細江英公と土門拳」

ふたりの巨匠が撮った「肉体」

ともに山形県に生まれ、写真界に大きな足跡を残した土門拳(どもんけん)と細江英公(ほそええいこう)の、史上初となるふたり展。キーワードは「肉体」です。
土門は戦後の日本人の逞しさ・美しさを表現したいと、ヌード写真も多数手がけました。
細江は、小説家・三島由紀夫(みしまゆきお)を被写体とした代表作『薔薇刑(ばらけい)』をはじめ、実験的手法により強烈な視覚世界を提示。
独自の世界を確立した両者の軌跡を辿ります。
●入館料(一般)1,300円

左/土門拳 『女人目玉』 1940年ごろ 土門拳写真美術館 右/細江英公 『薔薇刑#32』 1961年

土門拳写真美術館 DATA(和樂提携美術館)

住所:山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
電話:0234-31-0028
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:12月~3月は月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館、翌火曜日休館)。4月~11月は無休。展示替え期間、年末年始
公式サイト:http://www.domonken-kinenkan.jp/

五島美術館 ~10/12
館蔵「秋の優品展 唐草文の美」

唐草文の多彩な魅力をたっぷりと楽しめます

植物の茎や蔓(つる)や葉などが絡み合った文様のひとつ、唐草文(からくさもん)。繁栄・長寿の象徴として、多彩な表現がされています。
たとえば中国・景徳鎮(けいとくちん)窯の『青花(せいか)唐草文輪花皿』。菊や蓮など複数の種類の花を組み合わせた「花唐草」が華やかです。
唐草を背景に、鳳凰(ほうおう)や天馬が旋回するように配された唐時代の華麗な八稜鏡(はちりょうきょう)も貴重な作例。
ほかにも染織や料紙装飾など、さまざまなジャンルの作品を展示。
●入館料(一般)1,100円

左/重要美術品 『[貼銀鍍金(ちょうぎんときん)]双鳳狻猊(そうほうさんげい)天馬紋八稜鏡』 唐時代・8世紀 五島美術館 右/『青花唐草文輪花皿』 景徳鎮窯 明時代・15世紀 五島美術館

五島美術館 DATA(和樂提携美術館)

住所:東京都世田谷区上野毛3-9-25
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館、翌平日休館)、展示替え期間、年末年始
公式サイト:https://www.gotoh-museum.or.jp/

泉屋博古館東京 ~10/12
特別展「没後100年記念 住友春翠-仕合せの住友近代美術コレクション」

春翠と作品との巡り合わせ=仕合せに思いを馳せたい

第15代当主・住友吉左衞門友純(すみともきちざえもんともいと)、号:春翠(しゅんすい)によって、明治時代中ごろから大正時代にかけて収集された住友コレクション。
しばしば「典雅清淡」と称される春翠の好みを反映し、格調高く、清らかな趣があります。
収集された時系列順に年表形式で作品を紹介するのもユニークな試みで、春翠の美意識を辿り、共有するような鑑賞体験が楽しめそう。
板谷波山(いたやはざん)をはじめ同時代の作家たちとの交流エピソードにも興味をそそられます。
●入館料(一般)1,500円

左/尾竹竹坡(おたけちくは) 『九冠鳥』(左隻・部分) 明治45(1912)年 泉屋博古館東京 右/クロード・モネ 『モンソー公園』 1876年 泉屋博古館東京

泉屋博古館東京 DATA(和樂提携美術館)

住所:東京都港区六本木1-5-1
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:11:00~18:00(金曜日は~19:00) ※入館は17:30まで。金曜日は18:30まで。
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館、翌平日休館)、展示替え期間、年末年始
公式サイト:https://sen-oku.or.jp/tokyo/

泉屋博古館 ~10/18
寛永行幸四百年記念 特別展「寛永行幸と花の都の文化びと」ほか

400年前の行幸の盛り上がりが蘇る!

「寛永行幸(かんえいぎょうこう)」をご存じですか?
江戸時代初期の寛永3(1626)年9月6日からの5日間、大御所徳川秀忠・将軍徳川家光が、御水尾(ごみずのお)天皇を二条城に招いて、最上級のもてなしをしたという出来事です。
その行幸から今年で400年。京都ではさまざまな記念行事が行われています。
そんな盛り上がりのなか、今こそ見ておきたいのが、泉屋博古館所蔵の『二条城行幸図屏風』!
二条城へ向かう天皇一家と公家、それを迎え先導する将軍と全国の大名行列、さらにその姿をひと目見ようと集まった人々を、驚異的な細密表現で描写した名品です。単眼鏡必須ですよ!

また、住友家伝来の美術品を公開・研究する美術館として誕生した泉屋博古館ならではの展示も。
昨年の大阪・関西万博で住友グループが出展した「住友館」での展示資料の一部が、1号館「饕餮(とうてつ)の間」で展示されているのです。
実はこの1号館自体、昭和45(1970)年の大阪万博の際、住友グループの迎賓館的性格を兼ね備えた建物として竣工された“万博レガシー”。歴史を感じます。

そしてもちろん、館名の由来にもなった青銅器も展示中。中国・宋時代の青銅器図録「博古図録」にちなんだ名をもつ「泉屋博古館」は、今、見どころ満載です!
●入館料(一般)1,200円

寛永行幸四百年記念 特別展「寛永行幸と花の都の文化びと」

400年前の行幸の盛り上がりが甦る!

『二条城行幸図屏風』(右隻) 江戸時代・17世紀 京都市指定文化財 泉屋博古館

行幸行列を活写する『二条城行幸図屏風』(京都市指定文化財)を中心に、寛永行幸を振り返ります。将軍の娘にして天皇の后となった東福門院(徳川和子)ゆかりの品々も見どころ。
小堀遠州をはじめ寛永文化のスターも続々!

住友館資料受託記念「大阪・関西万博 住友館のレガシー」


「住友館」の柱となった森を巡る冒険「UNKNOWN FOREST 誰も知らない、いのちの物語」から、どんぐりやランタンなどが出展。
人と自然との共生や、持続可能な社会の在り方について考える機会に。

特集展示「中国青銅器の時代 金文の世界」


古代中国の青銅器を専門に展示するブロンズギャラリー。この秋は銘文として鋳込まれている古代文字「金文(きんぶん)」をテーマに特集展示を開催。
下の写真の左の鼎(てい =3本足の鍋)には、匽侯旨(えんこうし)という人物の名とエピソードが!

左/『匽侯旨鼎』 西周前期(前11〜前10世紀) 泉屋博古館 右/泉屋博古館公式キャラクター、しきょうそん探偵。館蔵の中国・殷時代の青銅器でミミズクをかたどった『鴟鴞尊(しきょうそん)』がモデル。

泉屋博古館 DATA(和樂提携美術館)

住所:京都府京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
電話:075-771-6411
開館時間:10:00~17:00 ※最終入館は16:30。
休館日/月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館、翌平日休館)、夏季、冬季、その他臨時に定める日
公式サイト:https://sen-oku.or.jp/

足立美術館 ~10/19
「現代日本画名品選II ずらり100点」

日本美術院(院展)で活躍する画家の作品を多数所蔵する足立(あだち)美術館。
その現代日本画コレクションのなかから、作者それぞれの視点で生み出された個性豊かな作品を一堂に展示した展覧会を新館で開催中。
雑誌の表紙のために描かれた小さな作品から屏風サイズの大型作品など、多様な日本画100点から現代の日本画の魅力を伝えます。
本館では11月30日まで、秋季特別展「侍―日本画の革新に挑んだ7人―」も開催中。
●入館料(大人)2,500円

松尾敏男 『白糸の滝』 2012年 足立美術館

足立美術館 DATA(和樂提携美術館)

住所:島根県安来市古川町320
電話:0854-28-7111
開館時間:9:00~17:30(4月~9月)、9:00~17:00(10月~3月)
休館日:年中無休(新館のみ10月20日~23日、11月16日・17日)
公式サイト:https://www.adachi-museum.or.jp/

MOA美術館 ~10/20
「生誕150年 吉田博展」

水彩画の大作を初公開! 美しい風景画に癒やされます

明治から昭和にかけて活躍した風景画の第一人者、吉田博(よしだひろし)。
西洋の写実的な表現と日本の伝統を生かした新しい木版画を創造し、欧米でも人気を博したことで知られています。
その画業の初期に描いたと考えられる水彩画『街道と馬』が、近年アメリカで発見され、日本へ里帰り。今回、初公開されます。
みずみずしい水彩画、雄大な山岳風景を描いた油彩画、繊細な木版画と、吉田の画業を辿りながら、多彩な技法による名品を紹介する展覧会。
●観覧料(一般)2,000円

左/吉田博 『街道と馬』 明治42(1909)年ごろ 個人蔵 右/吉田博 『瀬戸内海集 帆船 朝』 大正15(1926)年 MOA美術館

MOA美術館 DATA(和樂提携美術館)

住所:静岡県熱海市桃山町26-2
電話:0557-84-2511
開館時間:9:30~16:30 ※入館は16:00まで。
休館日:木曜日(ただし木曜日が祝日の場合は開館、10月1日は開館)、展示替え期間、年始
公式サイト:https://www.moaart.or.jp/

◆『和樂』「全国厳選! 美術展カレンダー」とは?

『和樂』本誌では、発売期間中に全国で行われている展覧会を、作品情報とともに紹介しています。掲載しているのは全国の著名な美術館・博物館。お目当ての展覧会を見に、また旅先での美術館巡りなどで、ぜひともご活用いただきたい【和樂 提携美術館】の優待券を毎号お届けしています! 詳細は本誌でご確認ください。

【和樂 提携美術館】

山形「土門拳写真美術館」、茨城「笠間日動美術館」「徳川ミュージアム」、群馬「原美術館ARC」、千葉「千葉市美術館」、東京「永青文庫」「太田記念美術館」「菊池寛実記念 智美術館 ※11月13日まで展示室修繕のため休館」「五島美術館」「サントリー美術館」「泉屋博古館東京」「東京ステーションギャラリー」「パナソニック汐留美術館」「三井記念美術館」「三菱一号館美術館」「森美術館」「山種美術館」、神奈川「岡田美術館」「川崎浮世絵ギャラリー ~斎藤文夫コレクション~」「ポーラ美術館」、長野「軽井沢千住博美術館」「サンリツ服部美術館」「日本浮世絵博物館」、静岡「MOA美術館」、京都「泉屋博古館」「福田美術館」「細見美術館」、奈良「松伯美術館」「大和文華館」、和歌山「高野山霊宝館」、兵庫「芦屋市立美術博物館」、島根「足立美術館」(都道府県別・五十音順)

※本記事は雑誌『和樂(2026年8・9月号)』、『和樂(2026年10・11月号)』の転載です。
美術館の入館料は、特に明記のない限り税込表示です。
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和樂web編集部


取材・文/小竹智子 構成/剣持亜弥、鈴木智恵(和樂)
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