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2020.02.26

ゴッホのひまわりはなんで有名なの?国立西洋美術館のエース学芸員に初心者が質問攻め!

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いよいよ2020年3月から東京・国立西洋美術館で始まる西洋美術展「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の開催が近づいてきました。展覧会には、13世紀から19世紀末までの西洋美術史に名を残す作家56名の作品全61点がズラリと並ぶ予定。まさに2020年上半期最大の注目美術展と言っても過言ではないかもしれません。
※国立西洋美術館は2020年3月16日まで臨時休館のため、東京展の開始は延期になりました。

和樂Webでも本展を非常に注目していたところ、なんと本展を企画監修された国立西洋美術館・川瀬主任研究員にインタビューをさせて頂けることになりました。

そこで今回インタビュアーとして白羽の矢を立てたのが、和樂Web編集部のとまこさんと木村さん。編集スタッフとしては非常に優秀なお二人ですが、西洋美術については、実はゴッホとフェルメールの区別もついていない(?)くらいの超初心者なのです。

今回は、あえて普段美術館にあまり行かない初心者を聞き手とすることで、『初心者の初心者のための初心者による』ロンドン・ナショナル・ギャラリー展の見どころロング・インタビューを敢行いたしました!

「スリーショット写真」国立西洋美術館主任研究員、川瀬佑介さん(中央)。和樂web編集部スタッフきむらさん(左)とま子さん(右)

編集部お二人の素朴すぎる素直な質問に対して、非常に丁寧でわかりやすくお答え頂いた川瀬主任研究員。結果的に、展覧会の魅力やみどころだけでなく、美術鑑賞にも役立つような本質的な内容にあふれた、非常に読み応えのあるインタビューになったと思います!

それでは、早速前編からスタートです。前編はロンドン・ナショナル・ギャラリーについての解説からはじまり、展覧会に出品されているゴッホやモネなどの巨匠の作品の鑑賞法についてじっくりお聞きしています!

ロンドン・ナショナル・ギャラリーって何?

とまこ:まず、ロンドン・ナショナル・ギャラリーというのがどんな場所なのか、詳しく教えていただけますか?

ロンドン・ナショナル・ギャラリー外観 photo: Phil Sayer, ©The National Gallery, London

川瀬:ロンドン・ナショナル・ギャラリーは西洋絵画を専門とした世界有数の美術館ですね。ヨーロッパにはルーヴル美術館やプラド美術館など有名な美術館が各国にありますよね。そういった大きな美術館と比べたとき、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの一番の特徴というのは、市民たちが一からコレクションを持ち寄って作った美術館だということなんです。

きむら:他のヨーロッパの美術館とは何が違うんですか?

川瀬:ヨーロッパの古い美術館のコレクションというのは、基本的に王様が作ったコレクションをベースにしているんですね。近代になると、歴代の国王が集めた膨大な美術品を、王様の私有物として持っておくのは贅沢すぎるから、国民にも公開しようという流れで美術館が設立されていくわけです。もちろんイギリスにも王家は今でも健在で、王室コレクションというものが別途あるんですよ。でも、ロンドン・ナショナル・ギャラリーはそれとは全く別で、イギリスの一般市民達がプラドやルーヴルといった大陸の美術館にあこがれ、イギリスにも名画や彫刻などの素晴らしい芸術に触れられる場所を自分たちの手で作ろうとしたんです。

ゴッホのひまわりはどうしてこんなに有名なの?

とまこ:そんな経緯があったんですね。ところで、チラシを見ると今回のロンドン・ナショナル・ギャラリー展では、ゴッホの「ひまわり」が来日するんですよね。実は花瓶に活けられたひまわりの絵が7種類もあったなんて知りませんでした。でもゴッホのひまわりの素晴らしさ・・・みたいなものがいまいちわからないんです。その凄さの理由を教えて頂けますか?

フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひまわり」 1888年 油彩・カンヴァス 92.1×73cm ©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924

川瀬:ゴッホは、よく同じ絵を何枚も描くことがあったんです。だけど、7枚描いたのは例外的なので、それで有名になったということは一つあると思う。また、この絵はゴッホが亡くなる少し前に約1年半滞在した南仏のアルルというところで描かれたもので、この時期はゴッホが一番幸せだった時代なんです。

とまこ:幸せオーラが出ている絵だったんですね?!

川瀬:そうなんです。新天地に移り住んで、これからいっぱい絵を描くぞというポジティブなエネルギーが、ひまわりの花に反映されているんじゃないかと思うんですね。でも、意外かもしれませんが、実はこの絵で使われている「黄色」って、もともと伝統的には西洋ではあまりポジティブな色じゃないんですよ。

とまこ:えっ、そうなんですか?きれいな色なのに・・・。

川瀬:実は「黄色」は西洋絵画では裏切りの象徴なんです。でも、当然これは太陽の光の色でもありますよね。ゴッホはとりわけアルルに行ってから「黄色」にこだわっていました。彼はここでゴーガンという、もうひとりの重要な芸術家と一緒に共同生活をしようと思ってゴーガンがやってくるのを待ちながら描いた絵なんですね。だから、このひまわりはゴーガンに対するオマージュのようなものでもあるし、同じ目標に向かって頑張るぞという目標に向かう姿みたいなものも見えますよね。

とまこ:確か、アルルでゴーガンと2ヶ月だけ共同生活をしたんですよね。ゴッホはゴーガンにあこがれていたんですね。

川瀬:ひまわりの花は西洋では伝統的に「忠誠」の象徴でもあるんです。彼は精神を病んだ狂気の画家だったというイメージがありますが、実際には教職や牧師を目指したことがあるように、知識人でもあるんです。だから、確実にひまわりのもつ象徴的な意味も知っていたはずなんです。ゴーガンという尊敬する先生が来るので、彼に付き従って新しい芸術家村を興して新しい芸術を作っていくぞという。そんなゴーガンに対する忠誠心みたいなものをこめてひまわりを描いたのではないでしょうか。

きむら:つまり、この作品がこんなに有名なのは、ただ美しいだけじゃなくて、ゴーガンとのエピソードが感じられるからなんですね。

川瀬:もちろん。画家の伝記的な側面、つまりバイオグラフィが作品から読めるわけです。たとえば、ゴッホはもっと後に精神病院に入院しますが、その際によく描いたモチーフが渦巻くような「糸杉」を扱った絵は今でも大人気ですよね。糸杉は死の象徴なんです。ヨーロッパの墓地には糸杉が植えられていますからね。

きむら:糸杉って墓地に植えられていたんですか?!知らなかった・・・。

川瀬:こういうのは現地に行かないと、なかなか気づかないことですよね。ゴッホは、自分があとどれだけ生きられるのか意識していたのかはわからないけれど、ゴッホの晩年の糸杉の絵は、心を病んで療養所に入ったり、自殺を図ったりした彼のバイオグラフィに結び付けられないとあんなに人気になるわけがないんです。

ゴッホは印象派ではないの?印象派とポスト印象派の違いって?

とまこ:ところで、西洋美術史の中では、ゴッホはどういう立ち位置なんですか?

川瀬:ゴッホは、西洋美術史の大きな観点から見ると、ポスト印象派と呼ばれる一群の画家の中の一人です。これは彼らが自分達で名乗ったわけではなく、後世の研究家がそう名付けたんです。「ポスト」とは、印象派の「後」の世代という意味なんですね。ゴッホもそうだし、ゴーガンもセザンヌもみんなポスト印象派です。

ポール・セザンヌ 「プロヴァンスの丘」1890-92年頃 油彩・カンヴァス 63.5×79.4 cm ©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1926

とまこ:印象派にもいろいろあるんですね?!

川瀬:そうですね。せっかくなので、まず印象派について説明しておきましょうか。印象派は、目に見える世界を客観的に再現するのではなく、主観的に再現しようとしたんです。ものすごく単純に言うと、晩年のモネは目が悪く、こういうふうにしか見えなかったからこういう風に描いた。こういう風に世界が見えた白内障のお爺さんは世の中にモネの前にもたくさんいたはずなんですよ。だけど、誰一人としてモネが描いたようには描いていないんですね。

とまこ:それはなぜなんですか?

クロード・モネ 「睡蓮の池」 1899年 油彩・カンヴァス 88.3×93.1cm ©The National Gallery, London. Bought, 1927

川瀬:だって普通に考えたら、実際にこんな場に行ったらこんなにもやもやに見えるわけがないのに、これはあなたが個人的にこのように見えただけでしょう、これになんの意味があるの?と言われちゃうんです。今でこそ、僕らは小学校の美術の授業なんかで目に見えるように自由に描きなさいって先生に言われるけれど、それって昔は全然当たり前のことじゃなかったんですね。だから、目に見える世界を自分が見たままに描くということに、なんの意味があるのか?と言われれば、究極的にはモネが凄い芸術家だからということになるんです(笑)

とまこ:では、モネは何を描きたかったんですか?

川瀬:モネやルノワールといった印象派の画家たちは、目に見える世界は形じゃなくて「色」で作られているんだと主張しました。色というのは光が当たるからこそできるんですよね。ということは、光の当たり方によって色は変わってくるわけです。同じものを見ても、冬の朝、冬の昼、真夏の真っ昼間に見たのでは、色は当然だし、形の見え方すら変わってくるわけですよね。彼らはそこに興味を持ったんです。そうすると当然冬の朝の光と夏の昼間の光の下では、描いたものが同じに見えるわけもなければ同じに描けるわけもないんですね。それは当時の絵画のあり方からすると凄い発展、飛躍だったんです。

とまこ:それに対して、ポスト印象派の人たちは印象派と具体的にどこが違っていたんですか?

川瀬:ポスト印象派の人たちは、ある意味印象派の画家たちの試みに対する一種のリアクションを行ったんです。つまり、印象派の絵には形がないと。もやもやしていて何を描いているのかわからない。形がないと精神も座っていないような気がするので、なっていないと(笑)

きむら:印象派の人たちにある意味挑戦したわけですね?!

川瀬:ある意味はそうですね。彼らは、印象派が失ってしまった「形」の世界を取り戻そうとしました。でも、どうやって形の世界を取り戻すかには一工夫加えたんです。単に時計を巻き戻して、昔の巨匠のように目に見える世界をあるがままに再現したのでは芸がなくてつまらないので、自分の目で見えたように「主観的」に形を描いたんです。

とまこ:それって、ゴッホがまさにそうですよね!

川瀬:そうそう。もう一度、ちょっとゴッホのひまわりを見てみましょうか。花が活けられているツボなんかは、お世辞にも上手に描けているとはいえないですよね(笑)丸い壺としての三次元的な存在感がないし、影も描かれていないでしょう。だから描写の正確さという観点だけで見ると変なんです。だけどゴッホ達は、印象派の実験を経ているから、そこでただ単に形を描くにしても精密に緻密に描くことには戻らなかったんです。

ポール・ゴーガン「花瓶の花」1896年 油彩・カンヴァス 64×74 cm ©The National Gallery, London. Bought, 1918

きむら:では、彼らはどうやって「形」の世界を取り戻そうとしたんですか?

川瀬:ポスト印象派の画家たちは、「色」に対する関心がとても高くて、色で形を作っていこうとしたんです。モネやルノワールなどの印象派の画家たちは色で「光」を描いた。それに対してゴッホやセザンヌといったポスト印象派の画家たちは、今度は色で「形」を描いているんです。だから、描かれた全てのものに「輪郭線」があるんです。モネの絵には輪郭線はありません。印象派の絵には出てこないんですね。

きむら:本当ですね。ポスト印象派の絵には輪郭線がある!

川瀬:そうなんです。彼らは色を形として定義しました。でもその色は客観的な色ではなく、自分の目を通して見た心理的な色なんですね。彼らは主観的な色彩を通じて、描かれるものの形に人間の主観や描き手の主観、想いみたいなものを込めていこうとしたんです。だからやっぱり僕らはこういう絵を観ると、やっぱり盛り上がったこの絵の具の異様な盛り上がりとか花びらの踊りだしそうな形とかに、「狂気」が宿っていると言われた彼の精神の動きみたいなものが見えるような気がするわけです。ゴッホがその後気を病んで精神病院に行ったという事実を知るとなおさらですよね。

絵を見る前に、事前に予習したほうが楽しめるのか?

きむら:ところで、絵を鑑賞する時に描かれた背景や構図はこうだから、こう描かれたんだよという背景を知っていたほうが楽しめますか?

川瀬:それは見る人がどう思うかなんですよね。説明を聞いてもそれが実感として面白いと思わない人もいるかもしれません。別にそういうことを言われてもへー・・でしかないと。へーのボタンを押す気にもならないっていう人はいるんですよ。でもそれはそれでいいんです。別にそうじゃない楽しみ方もあって、純粋に色がきれいとか、画家の意図とは全然違うところでインスピレーションを受けて、違うストーリーを作り出す人もいますし、いろんな見方があって、それで全然いいんです。

とまこ:それを聞いて、ちょっと安心しました!

川瀬:ですが、僕達研究員、学芸員は美術史という学問に基づいて絵を理解してお伝えしようとしています。美術史というのは基本的に僕らが今絵をどう観るか、どう思うかではなくて、絵が描かれたその当時に絵を見ていた人たちがそれをどう見ていたかというものを再構成、再考証する学問なんですね。古い時代の美術になると、キリスト教や神話にちなんだ主題やモチーフがありますよね。その主題が何であるかということを理解できる前提で絵が描かれているんですね。だから、主題を読み解くことがその絵の面白さの一つでもあるんです。いつの時代でも優れた芸術家が優れた作品を残しているときには、やっぱりテーマがしっかりあるんですよね。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」 1829年 油彩・カンヴァス 132.5×203cm ©The National Gallery, London. Turner Bequest, 1856

とまこ:優れた絵には優れたテーマが必ず隠されているんですね!

川瀬:そうそう。たとえば、例としてこのターナーの作品を見てみましょう。海に船が浮かんでいるような絵に見えますけど、明らかに神話のタイトルがついているわけですね。そこで、見た人は「なんで?」と思うわけです。

とまこ:なんで・・・?!って思いました(笑)

川瀬:もちろん画家は意図して描いているんですね。また、敢えて裸の男女が画面全体にたくさんいるような典型的な神話画として描かなかった理由はちゃんとあって、それはちゃんと物語を読み解いてから、画家がどういうふうにこの風景にストーリーを埋め込んでいったのかが見えてくると、凄く面白いと思うんですよね。

きむら:優れた作品やいい作品というふうに言われているのは当時の時代背景も加味した上で評価され、傑作だと言われているんですか。

川瀬:そうでしょうね。ターナーが活躍した19世紀前半頃では、まず一番わかりやすい指針としては「技術」がありました。上手く描けるかどうかですね。西洋美術というのは、基本的に目に見える世界をできるだけあるがままに再現しようとする美術だったんです。そうすると、3次元の空間をどうやって2次元に定着させてそれらしく見せるかとか、遠近法とか人体の構造とか、そういうのはちゃんと描ける人と描けない人とでは絶対的にいるわけで。その点で上手い、下手は当然ありますよね。

パオロ・ウッチェロ 「聖ゲオルギウスと竜」 1470年頃 油彩・カンヴァス 55.6×74.2cm ©The National Gallery, London. Bought with a special grant and contributions from the Phillot and Temple-West Funds, 1959

川瀬:だけど昔の絵でも、技術が上手ければいいのか?といえばそういうわけではもちろんないんです。ただ上手くても面白くない絵はたくさんあるんですね。そうすると、上手い下手を決める様々な要素が浮上します。その一つが、主題をどう絵画化するかという問題なんですね。その主題が持つストーリーをいかに効果的に絵の中に表現できるか。

きむら:そこが画家の腕の見せどころの一つでもあるわけですね。

川瀬:そうそう。でもこれが結構難しいんです。たとえば、桃太郎を例にとってみましょう。おじいさんは芝刈りにいって、おばあさんは洗濯に行くと、川から桃が流れてきた、そして桃太郎が生まれたというストーリーですが、これらは時間軸に沿ってお話が流れていきますよね。だけど、これを「絵」にするとなると、時間のスパンを一枚の平面に描かなければいけないんです。この切り取り方が難しいんですね。その物語の中のどの場面を切り取って伝えるか、画家は悩むわけです。絵を描くなら、桃を割る前がいいのか、割った後がいいのか。割ったら絶対赤ちゃんを描けるのでわかりやすい。でも、割る前の「一体何が出てくるんだろう?」というサスペンスを敢えて伝えたほうがいいのか。そこが画家の腕の見せどころなんですね。つまり、ストーリーをどうやって2次元の平面に描き出すか。これが小手先の技術よりも、もっと大事なことだったんです。

ディエゴ・ベラスケス 「マルタとマリアの家のキリスト」 1618年頃 油彩・カンヴァス 60×103.5cm ©The National Gallery, London. Bequeathed by Sir William H. Gregory, 1892

川瀬:昔から西洋の画家たちは、自分たちは「芸術家」なんだと主張してきました。いわゆる手足を動かすだけの単なる職人とは違って、手も動かすけど頭も使って制作するからもっと偉いんですと。例えば詩人や数学者などと同じで、絵を描くことは学問の実践なんだと主張してきたんですね。そうじゃないと、パトロンである王侯貴族達に振り向いてもらえないからなんです。

とまこ:時代によってもパトロンの好みは違っていたんですか?

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 「ノリ・メ・タンゲレ」 1514年頃 油彩・カンヴァス 110.5×91.9cm ©The National Gallery, London. Bequeathed by Samuel Rogers, 1856

川瀬:そうですね。時代によっても求められた価値観は違いました。この時代はもっと派手なものが好まれたけれど、別の時代ではシンプルなスタイルのほうが好まれたといった、時代による好みの違いはよくあります。有名じゃないけれど実は優れた作品を発掘して紹介することはもちろん、時代背景を読み解き、絵にこめられた主題をわかりやすくお伝えすることが僕達の使命だと考えています。基本的には、有名な作品には有名になった理由というのが大概の場合はありますから。

とまこ:頼りになります!!

川瀬:確かに、作品が制作されて300年とか400年とか経った、地球の裏側に住んでいる僕らがぱっと見ても、よくわからないというのは当たり前なんですよね。だから、その絵が有名かどうかとか、教科書に載っているからというのとは関係なく、私が見てかわいいかきれいか、インスピレーションを受けるかどうかに従って見ていればいいんだという人は、それはそれで問題ありません。でも、なぜこの絵が有名なんだろう?と気になる人にとっては、絵が描かれた当時、この絵がどのようにして見られていたのかということを知ることが、絵を深く楽しむための重要な手がかりになると思うんです。(後編に続く)

聞き手:きむらゆう、北本とま子
文:齋藤久嗣

※アイキャッチ画像のクレジット
フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひまわり」 1888年 油彩・カンヴァス 92.1×73cm ©The National Gallery, London. Bought, Courtauld Fund, 1924

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の基本情報

展覧会名:ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
(東京展)
会期:2020年3月3日~6月14日
※国立西洋美術館は2020年3月16日まで臨時休館のため、東京展の開始は延期になりました。
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になる場合があります。
場所:国立西洋美術館(〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7)
公式HP:https://artexhibition.jp/london2020/

(大阪展)
会期:2020年7月7日~10月18日
場所:国立国際美術館(〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島4丁目2-55)
公式HP:https://artexhibition.jp/london2020/

書いた人

サラリーマン生活に疲れ、40歳で突如会社を退職。日々の始末書提出で鍛えた長文作成能力を活かし、ブログ一本で生活をしてみようと思い立って3年。主夫業をこなす傍ら、美術館・博物館の面白さにハマり、子供と共に全国の展覧会に出没しては10000字オーバーの長文まとめ記事を嬉々として書き散らしている。