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2020.11.15

『鬼滅の刃』とコラボ!歌舞伎発祥の地・京都南座を2倍楽しむ!

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2020年が終盤に近づくなか、今年一番の目玉といえば、やはり『鬼滅の刃』でしょう。原作漫画が書店で売り切れ、手に入りにくい状況も出ています。アニメ化が評判を呼び、映画も空前の大ヒット中です。

この話題の『鬼滅の刃』と、歌舞伎発祥の地とされる京都の劇場・南座でコラボ展が開催されています。人気キャラクターとクラシカルな趣のある歌舞伎の劇場とのマッチングは、新しい魅力を生み出しそうでワクワクします。地元民がより楽しめるようにと、探ってみました!

そもそも鬼滅の刃とは?

何となくは知っているけど、『鬼滅の刃』を知らないという人のために、ちょこっと解説!
『鬼滅の刃』は、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)による漫画。略して「鬼滅」と呼ばれています。『週刊少年ジャンプ』で2016年から連載が始まり、今年最終回を迎えました。シリーズ累計発行部数は、単行本22巻の発売時点で1億部を突破しています。

主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)少年が、異界の鬼と対決していく姿をダイナミックに描いた物語。舞台は大正時代、炭売りだった炭治郎は、家族を人食い鬼に殺され、そのために仇討ちを決心し、鬼になってしまった妹を人間に戻すために奮闘を続けます。やがて、鬼狩り集団「鬼殺隊(きさつたい)」に入り鍛錬を積む中で出会った仲間と力を合わせて戦っていきます。

こちらの『鬼滅の刃』の記事を読むと、より人気の秘密がわかりますよ!
『鬼滅の刃』はなぜ人気なのか?日本民話と鬼の正体から考察してみた

主要キャラクターが、歌舞伎の登場人物に変身!?

今回の企画展で話題になっているのは、物語の人気キャラクター13人が、歌舞伎の演目の役柄に扮しているところです。キャラクターの特徴を生かした配役が、漫画と歌舞伎ファン双方からスゴイ!という声が上がっているほど。

鬼退治で知られる平安時代の武将・源頼光が鬼やクモの化け物と戦う歌舞伎演目にちなみ、頼光とその家臣「四天王」に、炭治郎を含むメインキャラクター5人が扮しています。

炭治郎の役柄である「坂田金時」は、童謡にも出てくる金太郎の成長した姿です。荒事というジャンルに登場する強くて勇猛果敢なヒーロー。頭には力強さを表す力紙をつけ、特別な能力を持った存在を現す仁王襷(におうたすき)をかけていて勇ましいです。正義感の強い炭治郎にぴったりですね。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable (C)SHOCHIKU

数々の名優が演技してきた舞台に上がることができるって!!

今回の企画展では、TVアニメ『鬼滅の刃』の世界観を、‶歌舞伎の舞台装飾″で表現しているのも、見どころです。数々の名優がしのぎをけずり、名演技を見せてきた舞台に、衣裳をまとった描き下ろしキャラクターが設置されます。蜘蛛の巣の背景をバックに、照明があたったキャラクター達は、アニメとはまた違った存在感。

舞台入場ありのチケット購入者は、特別に花道を通り、舞台上へ上がることができます! 普段は客席から見ることしかできない舞台へ上がると、この場所でしか体験できない世界観が広がりそうです。写真撮影も可能なので、記念になりそうですね!

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable (C)SHOCHIKU

南座周辺は歌舞伎のルーツ

会場となる南座は、四条河原町から鴨川にかかる四条大橋を渡った場所にあります。室町時代から鴨川の河原では、田楽や猿楽※の興業が常設的に行われていました。

慶長8(1603)年に、この四条河原で出雲の阿国が「かぶき踊り」を演じたのが、歌舞伎の発祥とされています。派手な衣裳に太刀をつけた男装で茶屋遊びをする様子を演じたのが、大変な評判になったそうです。

※舞を中心とする芸能と、ものまねを中心とする芸能で、のちの能楽につながる。

『東錦絵』一勇斎国芳 国立国会図書館デジタル

劇場がとっても美しい!!

官許(かんきょ)の証しである櫓(やぐら)を備えた桃山風の破風造り※の外観を保ち、芝居小屋の風情を残した南座は、1996年に国の登録有形文化財、その後京都市の歴史的意匠建造物に指定されています。

2016年から2018年にかけて耐震補強工事を行い新開場しました。玄関からロビー場内の景色は以前のまま。昭和初期から受け継がれてきたモダンな電灯やシャンデリアは、修復して飾り金物を磨き上げて使われています。今回の企画展は、ロビーのスペースも使っているので、是非眺めてみてください。

※両端に破風を設けた屋根の造り方の1つ。

(C)松竹

師走に向かう京都の町の雰囲気と共に楽しむ!

南座周辺には和風雑貨や和菓子店が多く、土産物を選ぶのも楽しい場所です。近くには石畳の通りが風情を感じる花街、先斗町(ぽんとちょう)もあります。

毎年12月に歌舞伎の顔見世が行われますが、その時に欠かせない縁起物に「まねき看板」があります。ひのきの板に、江戸時代から使われている勘亭流(かんていりゅう)という芝居用の書体で、出演する役者名を書いて、南座の正面にずらりと掲げられます。この看板は南座だけに残る風習で、京都の風物時として親しまれています。鬼滅の刃のコラボ展示をきっかけに歌舞伎に興味がわいた人は、是非歌舞伎観劇と共に、この光景も見て欲しいですね!

(C)松竹

コラボ展は、2020年11月23日まで京都市東山区南座で開催中です。16日は休館。当日入場券は、ロビー展示のみが1400円。舞台展示も見る場合は2200円。
詳しくは、こちらのウェブサイトをご覧下さい!
「鬼滅の刃」×「京都南座歌舞伎ノ舘」公式ウェブサイト

アイキャッチ (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable (C)SHOCHIKU

     

書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。十五代目片岡仁左衛門ラブ。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。