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大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Fashion&きもの

2023.12.29

何百回も「ペアリング?」と聞かれた指輪。気に入ったアイテムを長く身に着けるのが好き。阿部顕嵐が語る「あらん限りの歴史愛」vol.9

テレビドラマや舞台などで幅広く活躍中の阿部顕嵐(あべ あらん)さん。20代の阿部さんが、好きな日本文化を自由に語る、この連載。阿部さんに私服で来てもらい取材を行った。今回はファッションについて話を伺う。

尚、聞き手はオフィスの給湯室で抹茶をたてる「給湯流茶道(きゅうとうりゅうさどう)」。「給湯流」と表記させていただく。(取材日は2023年11月上旬)。

10年前親友にもらったデニムを修理に出して、今も大切に着ている

給湯流茶道:連載1回目は、アジアを意識した私服で来ていただきました。
命のやり取りをする刀剣に惹かれる。阿部顕嵐が語る「あらん限りの歴史愛」vol.1

阿部顕嵐(以下、阿部):今日は、ラフなアメカジ風です。このデニムは最近、修理してもらったものです。

給湯流茶道(以下、給湯流):デニムは古着なのですか?

阿部:はい。10年前に親友からもらった古着です。

給湯流:10年! 物持ちがいいのですね。

阿部:お尻や膝に穴が開いてどんどん大きくなってしまって。やっと綺麗に直してもらえました。これでずっと使えます。SDGsです。

給湯流:スニーカーは?

阿部:リック・オーエンスです。デニムなどは出さないモードのブランドなのですが、あえて古着のデニムを合わせることで楽しんでいます。しかもファスナーがついていて、履くのがラクなのもいい。

給湯流:ファスナー! いいですね。

欧米の文化だと思われがちなズボン。じつはアジアが発祥の地?

ちなみにデニムという言葉は、二つの言葉が合体したもの。デニムは、厚手の綿生地の総称だが、もともとフランスのニームという場所で作られていたためニーム産という意味で「デ・ニーム」と呼ばれたという説がある。

ちなみにデニムをはじめ、世界中の定番ファッションのひとつであるズボン。日本では明治維新で欧米からズボンが導入されたイメージを持つ方が多いだろう。しかし、とても大昔までたどっていくと、ズボンはアジアが発祥の地のようだ。

欧米のズボンの源流は、アジア北方の大草原にいた遊牧民族や騎馬民族だと考えられている。馬に乗って長距離を移動する彼らが二股に分かれ動きやすいズボンを発明したという。外モンゴルの古墳からは紀元前後の匈奴(きょうど)という民族の絹でできたズボンが見つかっているらしい。匈奴の一族であるフン族は西ヨーロッパまで到達した。アジアの騎馬民族が西ヨーロッパにズボンを伝えたという説があるのだ。

多くの人に愛用されるクラシカルなアイテムも、好きになってきた

給湯流:10年以上長く着る服をお持ちとのことですが、毎年シーズンごとに買い足すこともしますか?

阿部:少し良いと思ったくらいでは、服を買わないです。昔は、一目ぼれした服を衝動買いすることもありました。どんどん服が増えてしまい、後悔したんです。今は、一度見ていいなと思った服もその場では買わず、1週間くらい時間をかけます。

給湯流:服が好きな人にとっての試練ですね(笑)。

阿部:7日もたつと、本当に欲しいもの以外は忘れます。1週間たってもまだ覚えているものはもう一度お店に行き、買いますね。

給湯流:今日お召しのジャケットは、どんなものですか?

阿部:メゾン マルジェラの、クラシカルなライダースです。 昔は、有名ブランドの定番アイテムを避けてきました。みんなが持っている、みんなが着ているものに興味が持てなかった。でも実際に着てみると、良いものが多いですね、長く続いているものは魅力がある。これからはクラシカルなものに、なるべく触れてみようと思います。

16歳のときに買った、“ひとりペアリング”?

給湯流:ジュエリーについても教えてください。

阿部:今年の1月にフランスに行ったとき、シャネルで指輪を買いました。定番の、マトラッセです。以前はイエローカラーとホワイトカラーをミックスしたこともありました。でも最近はもっぱらイエロー系をつけますね。自分はイエローが似合うかな、と思います。でもまたミックスしたいと思うマイブームがくるかもしれません。

給湯流:ジュエリーも、クラシカルなものを身に着けておられるのですね。右手の薬指に2つつけているリングは?

阿部:この2つは、クロムハーツです。16歳ぐらいからずっとつけています。

給湯流:16歳から! それはすごい。

阿部:何百回も「ペアリング?」と聞かれてきました(笑)。

給湯流:ある日、阿部さんがひとつしかリングをつけていなかったら、「もうひとつは、誰のもとにいったの?」と大騒ぎになりますね(笑)。

阿部:当時、このリングをとても気に入っていて。ひとつだけだと物足りないな、と思って2つつけています。

給湯流:多くの人に昔から好まれてきたクラシカルなものや、ご自身が10年前から大切に身に着けてきたアイテム。 ファッションへの、阿部さんの熱い思いが伝わってきました。いろいろお話くださり、ありがとうございました。

インタビュー・本文/給湯流茶道  写真/篠原宏明  スタイリング/阿部顕嵐(私物)

参考文献/
野沢祐「世界が見えてくる身近なもののはじまり5 ジーンズとTシャツはじめは誰が着たの?」
レイノルズ・ヘレン「ビジュアルでわかる世界ファッションの歴史 [3] 上着とズボン」

阿部顕嵐 お知らせ

テレビ朝日&TELASA 恋愛ドラマシリーズ『BLドラマの主演になりました』出演決定

クランクイン編 / 地上波 : 2024年1月1日(月・祝) 深夜 0:25~1:25放送
クランクアップ編 / TELASA : 2023年12月24日(日) 朝7:00~配信スタート

公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/bl_drama/

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阿部顕嵐

阿部顕嵐 (あべ あらん) 1997年8月30日生まれ、東京都出身。 俳優としての活動を中心に、映画、ドラマ、舞台と幅広い作品に参加。 主演ドラマ『oddboys』(テレビ東京)、『BLドラマの主演になりました』(テレビ朝日&TELASA)、主演映画『ツーアウトフルベース』、主演舞台『桃源暗鬼』、PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『ラビット・ホール』(第31回読売演劇大賞・優秀作品賞受賞)『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage 等の作品に多数出演。 JR東海「そうだ京都、行こう。」では今年含め2年連続夏のPRキャンペーンを担当。 2024年は9月19日(木)より放送スタートのMBS 毎日放送 ドラマフィル枠『スメルズライクグリーンスピリット』にて柳田役、11月には自身初のプロデュース舞台作品 東洋空想世界『blue egoist』を東京THEATER MILANO-Za、大阪オリックス劇場にて上演する。 また、「7ORDER」のボーカルとしての音楽活動や、自身のオリジナル作品の企画プロデュースなど、活動は多岐にわたる。
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