目元や頬にほんのりと赤みを。フィックスミストは持ち歩いています
和樂:石井さんは、和装のときはツヤを出しすぎず、コントラストをつけすぎずにメイクをされるとお聞きしました(連載vol.1)。夏だからこそのメイクのポイントというとどんなことでしょうか。
石井美保(以下、石井):普段の和装ではカラーレスなメイクで肌感もマットに仕上げていますが、薄い色の透け感のある着物にそのメイクだと夏の幽霊みたいに見える場合もあるので(笑)、夏はメイクで少しツヤ感と血色感を出しています。ベースは「クレ・ド・ポー ボーテ タンプードルエクラ II」のパウダーファンデーション。パウダーですがマットになりすぎず、ツヤ肌に上質なものを纏った仕上がりにしてくれます。
チークは、「SUQQU ブラーリング カラー ブラッシュ(06)」、「ディオールスキン フォーエヴァー グロウ マキシマイザー(ロージー)」の順に重ねて、ほんのり上気したようなナチュラルな血色感を引き出しました。アイシャドウは程よいツヤ感のあるベージュトーンの「アディクション ザ アイシャドウ パレット +(010)」、リップは「トム フォード ビューティ リップ カラー(06 オン リピート)」(9月6日発売)で品のよい赤みをさしています。
石井:正装のお着物のときハイライトはあまり使わないのですが、今回は夏の透明感とカジュアル感を出すためにほんの少し鼻筋に使いました。「ウプト パーフェクトベースパレット」のハイライトは肌なじみのいい繊細なツヤ感でよれにくく、使いやすいです。
和樂:これだけ暑いと汗でメイクくずれが気になります。メイク直しのポイントはありますか?
石井:何はなくとも、フィックスミストです。うるおい補給はもちろん、メイクの仕上げにシュッとするとメイクの毛穴落ちや色落ちなども防いでくれます。メイク直しで使うと汗をかいてテカリの出た肌も涼しげになりますし、何よりリフレッシュできるので欠かせません。私はこの夏、「クラランス フィックス メイクアップ」を常に持ち歩いています。
メイクは温度や湿度が変わるときにくずれやすくなるので、炎天下の屋外から今回のバーのように空調の効いた空間に入ったら、一度お手洗いでフィックスミストをシュシュッとするといいですね。楽しくおしゃべりをして盛り上がり、顔に熱気を帯びてきたら、そこでもまたシュッと。温度変化を感じるタイミングで使うのがおすすめです。
▼着物のコーディネイトについては、vol.5の記事をご覧ください
モダンな空間とのリンクを楽しむ、洗練された夏の着物スタイル。美容家・石井美保の「和魂美才」vol.5
暑いときこそ薄物を。着物で自分を心地よく正します
和樂:石井さんの夏のバッグの中身も気になります。
石井:今日のブルガリのバッグなら、メイク直しに使うファンデーションとフィックスミスト、リップ、あとはお財布とスマホとハンカチです。このバッグ、コンパクトですが意外と入るんですよ。
夏は扇子もマストです。大きなサイズであおぐと悪目立ちするので、コンパクトなものを帯に挿しています。この暑さだとハンディファンを使いたくなりますが、和装で使うと情緒もなくなりますから、ホテルやバーなどでは大人は扇子を使いたいものですね。
和樂:バーでよく飲まれるものはありますか?
石井:私はお酒に弱いので、もっぱらモクテルです。いつも「甘くないものを」とお願いするのですが、今日いただいたものは、パッションフルーツが効いていてとてもさっぱりとして、楽しめました。
和樂:今回、石井さんのお話を聞いていると、夏こそ着物を着てお出かけしたくなりました。
石井:ホテルでアペリティフを楽しんだり、京都の川床にも行ってみたいですね。
きちんとした場所にお呼ばれした時ほど、着物はおすすめです。夏は暑くて体もだるくなりますが、着物を着るとしゃんとします。特に着物は後ろ姿に視線が集まりがちなので立ち姿や歩き方もいつもより意識しますし。草履の鼻緒を足の指で軽く挟んですすっと歩くのですが、履き慣れないうちは筋肉痛になっていました。それだけ体幹もを使いますし、体幹がちゃんとある方は1日着くずれないとも言われます。夏、楽ちんなワンピースも捨てがたいですが、あえて着物を着て、心地よく自分を正してみるのも、大人の楽しみのひとつかもしれません。
インタビュー・本文/松田亜子
撮影/岩谷優一(vale)
問い合わせ
ブルガリ バー
住所:東京都中央区八重洲2-2-1 ブルガリ ホテル 東京 45階
電話:03-6262-3333(代表)
営業時間:12:00~24:00
定休日:なし
公式サイト
ブルガリ ジャパン 0120-030-142