職人を愛するブランドならではの輪島への思い
イタリアのラグジュアリー・ファッションブランド〝ブルネロ クチネリ〟。「働く者の尊厳を尊重する」ことを理念に掲げ、地域の活性化や職人の育成といった、社会貢献活動を積極的に行う企業としても、世界中から注目されています。クラフツマンシップを大切にするブランドだからこそ、日本の伝統工芸である輪島塗への思いもひとしお。今回の能登半島震災に際し、ブランドとしてできることをと考えたのは、ある意味自然なことでした。
支援活動の第1弾として行われたのは、輪島の漆器店「千舟堂」へのサポート。震災で工房を失った職人の作業場をつくりたいという同社の思いに賛同し、「ブルネロ クチネリ表参道店」ではこの夏、輪島塗の展示販売会が開催されました。会期中には、「千舟堂」の岡垣祐吾さんや、職人の方々を迎えたトークやデモンストレーションも。被害に遭われながらも、輪島塗の伝統を繫ぎたいと活動する彼らの姿に、訪れた人たちが皆、心打たれている様子はとても印象的でした。
イベントには、モデルや俳優、映画監督として活動する岡本多緒さんも来訪。自身も、2011年の東日本大震災が起きた際に、当時拠点としていたニューヨークで支援活動を行った経験があるのだとか。イベントでの話を聞いて、同じものづくりを行う立場として、輪島塗が生まれるまでの工程に、とても興味を惹かれたそうです。
「輪島塗は、多くの職人が分業で携わることで、ひとつの作品が完成します。その仕組みは、映画づくりと似ているなと。各々が仕事を全うしないと、いい作品が生まれないところも同じ。だからこそ、すべての職人が安心して作業できる場所を確保することが、輪島塗の伝統を繫ぐことになるというお話には、考えさせられるものがありました」
職人ひとりひとりの技術や情熱によって、作品が生み出される。それが輪島塗が秘めるパワーであり、美しさなのかもしれません。
Profile 岡本多緒さん
おかもとたお/2006年に渡仏し、数々のトップメゾンのショー、雑誌、ワールドキャンペーン広告などで世界のトップモデルTAOとして活躍。2013年に米映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で俳優デビューを果たし、ハリウッド作品を中心に数々の話題作に出演。2023年には初監督を務めた短編映画『サン・アンド・ムーン』が第36回 東京国際映画祭ほか数々の映画祭に出品される。同作は12月13日に『MIRRORLIAR FILMS Season 6』の一作として劇場公開が決定。
問い合わせ
ブルネロ クチネリ ジャパン
03-5276-8300
www.brunellocucinelli.com