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Fashion&きもの

2026.01.12

鶸色の無地で雅なイメージに。「茶道会館」の茶会になじむ〝新春の上質美〟。美容家・石井美保の「和魂美才」vol.14

東京・高田馬場にある茶道会館で薄茶席を堪能した石井美保さん。今回は初めて染めから誂えた鶸色(ひわいろ)の色無地にふさわしい、新春の茶席メイクについてお聞きします。目立つことなく控えめに、それでいてエレガントなコツをチェックして。

四季の移ろいを楽しみ、豊かな時間を増やしたい

「最近やっと四季を楽しめるようになってきました」という美保さん。初めての茶会体験を通して、さまざまな四季の取り入れ方やおもてなしの心を学びました。気持ちの変化を穏やかに受け止め、広げていきたいと前向きです。

茶道会館の「山茶屋」にて、茶道文化振興会の北見宗雅先生と語らう美保さん。

茶道会館では、四季折々の草木が目を楽しませてくれる。冬は山茶花がそこここに。

和樂:本格的な茶会体験は、いかがでしたか?

石井:中学生のころは、学校の教室で指導を受けていたので、こんなふうにきちんと露地ろじ蹲踞つくばいがある施設に来たのは初めてです。でも、少しずつ俗世間から離れていく過程も楽しめて、本当によかったです。

和樂:茶道会館は、緑が豊かな落ち着く場所ですね。

石井:季節の花々や、その季節にしか食べられない旬の料理など、このところ、日常でも季節の移ろいを楽しむことができるようになりました。
そんな意味でも、この茶会はいろんなことが研ぎ澄まされて、きりっとするけれど、それが心地いい。日本ならではの文化が息づく、濃密な時間でした。これからも、四季をまるごと楽しめるゆったりした時間をつくっていきたいと思っています。

鶸色ひわいろの着物ですがすがしく、メイクは控えめに

鶸色に染めた色無地の着物は、槙をあしらった菱紋様の織り柄が。

帯は菊のような、立体感のある花柄。着物との同系色合わせが上品。

数寄屋袋は京都の老舗、「細尾」の西陣織。収納力があり、洋装にも似合う。

草履は京都の「伊と忠」でオーダーしたもの。手持ちの着物とコーディネートしやすいよう、鼻緒や底にお気に入りのパステルカラーをあしらっている。

茶席に金属製のものや鋭いものは禁物のため、かんざしなどの装飾はなし。

和樂:本日の着物は新年をイメージした鶸色。色無地のすっきりとした着こなし、こだわりはどんなところでしょう?

石井:茶会といえば、色無地。実はこの着物は、「着物を揃えよう」、と思い立ってから初めてあつらえた記念すべき一枚です。さまざまな地模様のある白の反物から選んで、染めてもらいました。

和樂:帯や小物合わせはいかがですか?

石井:帯は新年のめでたさを表現しつつ華美にならないように、立体感のある菊のような花柄に。帯締めはブルーグリーンで、帯揚げは薄紫と、帯の中にある淡い色でまとめました。バッグは「細尾」、草履は「伊と忠」です。

和樂:メイクのこだわりはどんなところでしょう?

石井:茶席ですので、質感や色味が極端に振れすぎないように心がけました。着物だと肌はマット仕上げが多いのですが、潤いのあるフェイスパウダー「スック シアー ルース パウダー E (01)」で、ナチュラルなツヤをまとう肌に。茶室は小さい部屋ですし、湯気でメイクが崩れてしまわないように、お粉を少し仕込んだほうが、きれいかなと思います。

目元は、アイカラー「ルナソル アイカラーレーションN(18)」の全色を使ってグラデーションに。チークは、「ルナソル カラーリングブリーズ(05)」を頬全体に広い範囲でふわりと入れています。リップは、「コスメデコルテ ルージュデコルテ ティント&プランプ(03)」の肌なじみカラーを。

また、手元が目立つので、朝の段階で手の甲だけに美白ハンドクリーム、「アルビオン エクシア エターナル エンヴィ ハンド」でハンドケアをしてきました。
茶席では、それこそノーメイクのほうがよいのかしら、とも考えたほどで、メイクはとにかく目立たぬように、と心がけました。

和樂:落ち着きと上品さの匙加減、さすがです!

お道具も空間もすべてが一期一会

茶席の持ち物の一例。手前から時計回りに、扇子、懐紙と菓子切、帛紗ふくさ古帛紗こふくさ(3種)。

軸:坐忘斉御家元筆「楽事萬々歳」 花:椿 千両 花入:竹一重切

釜:馬地紋 炉縁:木地

北見先生が点てたお茶をとる美保さん。お茶は席に戻ってからいただく。

お道具の拝見は、まず茶碗から。茶碗:扇面 清水六兵衛造

次になつめと茶杓を拝見する。棗:利休梅大棗 茶杓:鵬雲斉宗匠ほううんさいそうしょう作 銘「好年」

和樂:茶会体験、いろんな要素が詰まっていますね。

石井:茶碗はもちろん、お茶を入れる棗や茶杓、お湯を沸かす釜やその木の縁、水指など、茶室にあるすべてのお道具が、この日のために揃えていただいたもの。コーディネートといいますか、組み合わせはそれこそたくさんあるのでしょうが、特に「石井さんをイメージしました」と、北見先生が用意してくださった茶碗が素敵でした。華やかな扇が描かれていて、北見先生のお気持ちがうれしかったです。

和樂:お茶を呑み終わった後、お道具の拝見があるんですね。

石井:実際にひとつひとつ手にとって見られるのは貴重な体験です。お道具の銘など、北見先生からの説明もあり、茶会はお菓子とお茶をいただくだけではないのだわ、と思いました。

今日、この日のための特別な空間と時間を亭主と共有する、一度しかない出会い。「一期一会」は、人との出会いだけではない、と実感できました。美しいものを見て、触れて、心の美しさは肌にも現れると思います。

飛び石や木戸も風情がある茶道会館。

北見雅子:茶名・宗雅(そうが)
裏千家正教授、茶道文化振興会講師、伝統芸術振興会「子どものための日本文化教室」講師、みやび流和装道教授、華道師範、書道六段、剣道二段。茶道誌、教本のモデルの他、テレビやラジオ、雑誌などへの出演・指導経験も豊富。

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石井美保

美容家、トータルビューティーサロンRiche代表。深い美容愛とさっぱりした物腰で、幅広い層にファンが多い。自身の経験に基づく美容法とコスメ選びは、常に注目を集めている。

インタビュー・本文/國藤直子(STRIPE) 写真/目黒智子 着付け/星山奈保子 ヘア/高倉里美 撮影協力/茶道会館
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