優雅で繊細、そして躍動感に満ちた「ヴァン クリーフ&アーペル」のバレリーナ クリップ。1940年代まで遡るメゾンと舞姫の物語は、「バレエ プレシュー」コレクションに継承されて現代へ。そのコレクションに新たに加わった、クラシックバレエの名作を想起させるハイジュエリークリップをご紹介しましょう。
ヴァン クリーフ&アーペル「バレリーナ クリップ」誕生秘話とメゾンの物語はこちら
華麗なドレスを纏った『薔薇の精』の夢見る少女

1911年、バレエ・リュス (ロシア・バレエ団)によって初演された『薔薇の精』に登場する、夢で踊る少女がインスピレーション源。ロシア出身の著名なバレリーナ、タマーラ・カルサヴィナが少女を、ヴァーツラフ・ニジンスキーが薔薇の精を演じた。このクリップでは象徴的に、少女が薔薇の花びらをモチーフにしたドレスを纏っている。ドレスには、スノーセッティングされた大小のピンクサファイアが煌めく。
「スペクトル ドゥ ラ ローズ」バレリーナ クリップ[ダイヤモンド計0.75ct×ピンクサファイア計4.19ct×WG×RG]参考商品(ヴァン クリーフ&アーペル)
人形らしい衣装と動きが『ペトルーシュカ』の魅力

『薔薇の精』の同年、バレエ・リュスはイーゴリ・ストラヴィンスキー作曲による『ペトルーシュカ』をパリで初演。魔術師が人形に命を吹き込む物語で、美の象徴としてバレリーナが登場する。このクリップは、バレリーナのジャケットスタイルの衣装を再現。胸元を飾るピンクサファイアの下のフリンジは、纏う人の動きに合わせて揺れ動き、フレアスカートのダイヤモンドは光のレースを思わせる。
「ペトルーシュカ」バレリーナ クリップ[ダイヤモンド計1.08ct×ピンクサファイア計1.19ct×ルビー計0.15ct×WG×RG]参考商品(ヴァン クリーフ&アーペル)
バレエ・リュスの創造性と、革新的な作品への賛辞

艶やかな衣装をまとったバレリーナ クリップのモデルは、バレエ・リュスで活躍したヴェラ・フォーキナ。ロシア出身の彼女は、ストラヴィンスキー作曲の『火の鳥』の初演でツァレヴナ王女役を務め、 『シュヘラザード』や『謝肉祭』にも出演している。このクリップのコスチュームには、彫金技を用いて金の羽根を表現。真紅のルビーと黄色やオレンジ色のプレシャスストーンの対比も鮮烈で、エキゾティックな美しさは、まさにバレエ・リュスの『火の鳥』の舞台を想起させる。
「ヴェラ」バレリーナ クリップ[ダイヤモンド計2.42ct×ルビー計1.19ct×イエローサファイア計0.18ct×スペサルタイトガーネット計0.56ct×WG×YG]参考商品(ヴァン クリーフ&アーペル)
撮影/戸田嘉昭
※文中のWGはホワイトゴールド、YGはイエローゴールド、RGはローズゴールド、ctはカラットを表します。
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