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「TASAKI」70周年特別企画 パールジュエリーの常識を覆した「バランス」が導く! 至宝の真珠、伝統と革新の物語
豊かな海で大切に育てられる、最高品質のアコヤ真珠
「TASAKI」の真珠養殖場がある九十九島は、豊かな緑が海に栄養を運び、アコヤ貝が育つために必要なプランクトンが豊富。潮の流れがよく、波が穏やかなことも真珠養殖に適しているといわれています。長きにわたり、ここでは母貝となるアコヤ貝を稚貝から育て、「浜揚げ」と呼ばれる真珠の採取までを一貫して行ってきました。
小雪さんが訪れたのは、春から夏にかけて行われる、母貝に核と細胞片を挿入する「核入れ」の時期。それを終えると、貝は穏やかな内海で養生したのち、沖に移され、真珠をはぐくむ養成期に入ります。その期間は1~2年ほどで、水温などの環境変化に注意を払わなければなりません。また、貝の養分を奪う表面の付着物などを手作業で取り除く「貝そうじ」も定期的に行われます。
大切なのは、手間を惜しまないこと。どんなに機械化が進んだ時代にあっても、美しい真珠は海の恵みと人の手によってのみ生み出すことができるのです。
〝繊細な職人技〟といわれる、日本で生まれた真珠養殖技術
養殖真珠は1893年に日本で発明され、さらに10年以上の歳月をかけて真円真珠を生み出す技術が確立されました。天然真珠は、貝の体内に異物が入ると真珠袋がつくられ、異物の周りに真珠層を形成して真珠になります。それに対して、養殖真珠は異物に代わる核を細胞片と一緒に人為的に挿入。あとは天然の真珠と同じ仕組みでつくられます。
核を挿入する作業は「挿核」と呼ばれ、高度な技術が求められます。今回、小雪さんがその挿核を体験。専用の器具を手に、職人の指導のもと作業に挑みました。なんとか核は挿入できたものの、その難しさは想像以上だったといいます。
この核入れは本来、かなりの訓練を必要とします。「TASAKI」の養殖場では職人の育成も行い、養殖技術の継承に努めてきました。グローバルジュエラーとなった今、それも宝飾界における重要な役割だといえるでしょう。
大切に育てられた真珠は、海水の温度が下がって照り(光沢)がよくなる冬を待って、浜揚げ(採取)が行われます。あえて過酷な環境下で作業をするのも、真珠の品質を高めるため。世界一美しいといわれる日本の真珠は、こうした職人のこだわりと矜持がつくり出してきたのです。
日本伝統の養殖技術が世界一美しいアコヤ真珠を生み出す
問い合わせ
TASAKI 0120・111・446
創業70周年アニバーサリーエキシビション「FLOATING SHELL」を開催中!
ブランド創業70周年を記念した「TASAKI」のアニバーサリーエキシビションが、東京・神宮前のギャラリーにて、2024年5月12日まで開催中。会場では「バランス」の新作ジュエリーに加え、パールの装飾を施したスニーカーやアイウエア、イヤホンなど、日本発ブランドとのコラボによる商品が限定発売されます。
FLOATING SHELL
期間:2024年5月12日(日)まで 11時~19時
場所:BA-TSU ART GALLERY / StandBy 東京都渋谷区神宮前5丁目11–5
※詳しくは、TASAKI 70周年特設サイトをご覧ください。
https://70th.tasaki.co.jp/
撮影/鍋島徳恭 スタイリスト/押田比呂美 ヘア&メーク/三澤公幸(ペールマネジメント) ネイル/井上由美(Hands-On)