ART

若冲も、雪舟も!超絶技巧にびっくり!日本美術究極のベスト7!

日本美術は本物を観なければよさがわからないとよく言われますが、ここからの7作品はその極め付き! 

実際に相対して観なければ、緻密さや繊細さ、しみじみとした情感やド迫力の大きさといった絵の本質に、ぜったいに迫ることができない逸品ばかり。それぞれを所蔵する美術館の展示情報を逐一チェックして、一度は必ずや実物に出合うことをおすすめします!※この企画で紹介している作品は各美術館の所蔵作品ですが、必ずしも常時展示されているものではありません。

宮内庁三の丸尚蔵館

伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)
『動植綵絵・群鶏図(どうしょくさいえ・ぐんけいず)』全三十幅のうち一幅 絹本着色 142.6×79.7㎝ 明和2(1765)年ごろ・江戸時代 宮内庁三の丸尚蔵館

京都・相国寺に伊藤若冲が寄進し、後に相国寺から献上された『動植綵絵』全30幅。中でも本作は、織り重なるように群舞する鶏の姿を緻密な筆致で描き出した傑作。極彩色の羽根は驚くことにほとんど重ね塗りがされていない。なんという超絶技巧。これぞ必見の作。
塗り重ねのない細密描写が圧巻!『動植綵絵』

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※皇室より寄贈された美術・工芸品類約9,800点を一括で保存管理し一般に公開するため平成5(1993)年に開館。代表所蔵作品 伊藤若冲『動植綵絵』、狩野永徳(かのうえいとく)『唐獅子図屛風(からじしずびょうぶ)』ほか

毛利博物館

雪舟等楊(せっしゅうとうよう)『四季山水図【山水長巻(さんすいちょうかん)】』(部分)全一巻 紙本墨画淡彩 40.8×1602.3㎝ 文明18(1486)年・室町時代 毛利博物館 国宝

室町水墨の巨人・雪舟の代表作。山口の大名大内氏の庇護(ひご)を受けた雪舟が67歳のときに手がけ、大内氏に献上した。長さ16mにおよぶ長大な絵巻には春夏秋冬が描き出され、四季の風情が余すことなく描き尽くされる。画家の描く姿さえ想像がつくほど生き生きとした描写は実見して初めて体感することができるだろう。
描いている雪舟の息吹が聞こえる『山水長巻』

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※旧萩(長州)藩主毛利家に伝来した美術工芸品、歴史資料など国宝7点、重要文化財約9,000点を含む20,000点余りを所蔵、公開。毛利氏の本邸を博物館として公開しているほか、国指定名勝にもなっている毛利氏庭園も一般公開する。代表所蔵作品 雪舟『四季山水図』、『毛利元就(もりもとなり)像』、『古今和歌集(こきんわかしゅう)【高野切(こうやぎれ)】

正木美術館

能阿弥(のうあみ『蓮図(はすず)』)
一幅 紙本墨画 24.7×31.6㎝ 15世紀・室町時代 正木美術館

足利将軍家の文化に深く関わった能阿弥が、没年に描いた遺画。最後の静寂の境地が表された墨のやわらかな濃淡はえも言われぬ美しさ。しみじみとした蓮の風情をぜひ味わってほしい。 
しみじみとしたこの静寂よ『蓮図』

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※創立者・正木孝之(まさきたかゆき)が蒐集した茶道具を中心とする東洋古美術を収蔵、公開するために昭和43(1968)年に開館。現在、そのコレクションは国宝3件、重要文化財12件を含む、約1300点に上る。代表所蔵作品 小野道風(おののみちかぜ)『三体白氏詩巻(さんたいはくししかん)』、『建盞天目茶碗(けんさんてんもくちゃわん)』、拙宗(せっしゅう)【雪舟】『山水図』ほか

米沢市上杉博物館山

狩野永徳(かのうえいとく)『上杉本洛中洛外図屛風(うえすぎぼんらくちゅうらくがいずびょうぶ)』【右隻】 六曲一双 紙本金地着色 各160.4×365.2㎝ 永禄8(1565)年 米沢市上杉博物館 国宝

桃山画壇の覇者・狩野永徳の最高傑作とも言われる本作は、織田信長が上杉謙信に贈った「洛中洛外図屛風」。京の上京と下京の町並みが、繊細に活写されている。実際に屛風の前に立つと、あたかも京都の町を俯瞰しながら歩き回っているような気分が味わえる。
夏の鴨川では鮎漁が!『上杉本洛中洛外図屛風』

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※上杉家所縁の美術品などを収蔵、展示する博物館として平成13(2001)年に開館。常設展示室と企画展示室において、上杉家伝来の貴重な資料や文化財を随時公開している。代表所蔵作品 国宝・狩野永徳『上杉本洛中洛外図屛風』、国宝『上杉家文書』ほか

香川県立ミュージアム

『衆鱗図(しゅうりんず)』第三帖より「ウドン海くらげ月」
画帖(折本形式台紙五十枚のうち一枚) 紙本著色 各33.0×48.2㎝ 18世紀・江戸時代 高松松平家歴史資料(香川県立ミュージアム保管)香川県指定有形文化財

高松藩五代藩主松平頼㤗(よりたか)は、希代の博物学好きとして名を馳せた大名。彼が制作させた松平家の至宝とも言うべき博物図譜は13帖にも及ぶがこれは、その中のひとつで『衆鱗図』と呼ばれる魚類図鑑の中の一図。瀬戸内海に生息する海月の触手を1本1本丁寧に切り抜いて表すなど、他に類を見ない緻密な描写は、これぞ驚愕の超絶技巧。
若冲もびっくり!?の切絵による立体描写『衆鱗図』

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※香川県所縁の美術工芸品や歴史資料などを収蔵、展示する、歴史博物館と美術館機能を併せもつミュージアムとして平成20(2008)年にリニューアルオープン。香川の文化拠点として幅広い活動を展開している。代表所蔵作品 国宝・藤原佐理(ふじわらのすけまさ)『詩懐紙(しかいし)』、『高松城下図屛風』ほか

金刀比羅宮・高橋由一館

高橋由一(たかはしゆいち)『豆腐』一面 油彩・キャンバス 32.5×45.3㎝ 明治10(1877)年 金刀比羅宮・高橋由一館

高橋由一の代表作と言えば『鮭』がよく知られているが、この『豆腐』も本物と見紛うほどの写実的な質感描写が素晴しい。逆にあまりに普通すぎて描きがいがなさそうな物だからこそ、由一の力量が発揮されたとも言える。
これは絵なのか本物か…『豆腐』

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※「こんぴらさん」の愛称で古より多くの人々に親しまれている金刀比羅宮。その境内にある高橋由一館では、日本近代洋画の祖・高橋由一の油絵27点を常設展示している。また、金刀比羅宮の表書院には円山応挙(まるやまおうきょ)、奥書院には伊藤若冲のそれぞれ障壁画が伝来。貴重な美術品の集積地ともなっている。代表所蔵作品 円山応挙『表書院障壁画』、伊藤若冲『花丸図』ほか

MIHO MUSIUM

※2017年6月19日(月)〜7月31日(月)まで閉館中
曾我蕭白(そがしょうはく)『富士三保(みほ)図屛風』(右隻)六曲一双 紙本墨画淡彩 各172.3×376.8㎝ 18世紀・江戸時代 MIHO MUSEUM

つい最近収蔵された蕭白の大作で、富士山と三保の松原を雄大なスケールで描き出す。中でも注目は三保の松原にかかる虹。日本の絵画では近代になるまで描かれた例は少なく、また島影の向こうに消える描写は三次元的で蕭白の独創性を物語る作品として注目される。何より、水墨の世界に虹色を描き出した意義は深いものがある。 
さすが蕭白、水墨画に虹色って!?『富士三保図屛風』

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※世界的建築家・I.M.ペイが建築設計を手がけ平成9(1997)年にオープン。所蔵作品はエジプト、ギリシャ、ローマなどの古代美術から日本の絵画、工芸品や仏教美術に至るまで、約2000件を数え、それらを常設、企画展で随時公開している。代表所蔵作品 伊藤若冲『象と鯨図屛風』、与謝蕪村(よさぶそん)『山水図屛風』ほか

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