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伝統の鵜飼と、涼を呼ぶ商家町「長良川」で、より道の旅しませんか?

山国であり、水の国

「飛山濃水(ひざんのうすい)」という言葉があるように、岐阜県は山国(飛驒)であり、水の国(美濃)。夏を迎える今月の散策は、川の多い美濃地方へ。長良川(ながらがわ)の中流域で、川湊(かわみなと)として栄えた商家町界隈(かいわい)を歩きます。5月から10月までは、伝統の鵜飼(うかい)の季節。商家の軒先に漁の様子を描いた提灯が揺れ、焼き鮎などを求める人々で賑わいます。また織田信長が城を構えた金華山(きんかざん)と、町家が織りなす和みの景色も見どころです。
岐阜長良郵便局の風景印。

見上げれば信長が住まった金華山。町家からも、佳景を発見

岐阜市を蛇行する長良川で、2017年も5月11日から鵜飼が始まります。1300年に渡り継がれてきた風物詩です。岐阜市街地とは思えない近世の川湊の街並みも保存され、ここには歴史の層が幾重にも。風通しのよい町家群は、昔ながらの夏の知恵を教えてくれます。約3㎞の散策路へ、いざ。
長良川の氾濫に備え、大人の背丈より高く石垣を組んだ水屋建築の蔵が特徴的。

午前、長良川の右岸から歩を進めます。住宅や商店の並びに、「鵜」が描かれた看板が。界隈は宮内庁式部職(しきぶしょく)を世襲(せしゅう)する、鵜匠六家(うしょうろっけ)が集住するエリアです。庇(ひさし)の下に、松割り木がうずたかく積まれ、鵜を運ぶ鵜籠が並んでいます。こうした鵜飼用具は、国の重要有形民俗文化財に指定されたもの。なにげない風景ですが風格が漂います。

鵜匠の山下純司さんが営む「鵜の庵 鵜」へ。鵜が住む鳥屋(とや)がある庭で、お茶をいただくユニークな趣向。鵜は体長約80㎝。こわごわ眺める客の緊張はどこ吹く風で、鵜は庭石を気ままに跳ね、水浴びに興じます。
鵜が近づいてきた!「鵜の庵 鵜」の庭で。

山下さんが来ると、一羽また一羽と足元へ。細い首を優しく撫でられ、うっとり。鵜匠は野生の海鵜(うみう)に手で餌を与え、日々世話を続けてこの信頼関係を築くといいます。
鵜匠の山下純司さん。水をはじき、体を冷やさない効果のある腰簑も自身でつくる。

夜には鵜飼が行われる長良川。川にかかる全長約272mの長良橋を渡って左岸へ。目前に標高約330mの金華山。1567年に織田信長は、斎藤家3代の龍興(たつおき)から美濃を奪取(だっしゅ)し、ここに居城を定めました。当地を「岐阜」、山を「金華山」と名付け、界隈の活気をつくりました。-2013年和樂8・9月号より-
金華山のふもとを長良川が流れる。

JR岐阜駅前には金色の織田信長像が。

長谷川の旅後半はこちらから!

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