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Art
2016.10.06

ヘタうま?禅の心。日本美術のニューアイドル・仙厓(せんがい)降臨@2016年出光美術館

この記事を書いた人

仙厓こそ、若冲、其一に続く要注目のスター!

今年は伊藤若冲の生誕300年にあたり、様々な展覧会が催され、何度目かの若冲ブームが沸騰しています。今年はさらに、中国で臨済宗を開いた臨済禅師の没後1150年、日本における臨済宗中興の祖とされる白隠禅師の没後250年の大遠諱を記念して、禅をテーマにした展覧会が各地で開催されています。

 
禅と聞くと、難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれませんが、出光美術館で開催中の「大仙厓展 ―禅の心、ここに集う」で紹介されている、仙厓の禅画を目にすると、禅に対するイメージが大きく変わることは間違いなし!
 
なんとなくヘタうまで、とにかくカワイイ!。パッと見に禅とは結びつかない仙厓の絵は実は、江戸時代の庶民に禅の教えを説くために描かれたものでした。

ヘタうま?禅の心! 日本美術のニューアイドル〝仙厓〟降臨!@出光美術館

博多の仙厓さんは、なぜ禅画を描くようになったの?

仙厓は40歳で博多の禅寺・聖福寺(しょうふくじ)の住持(じゅうじ)になり、そのころから禅画を手がけているのですが、いかにしてこのような画法を身につけたのかは不明です。
 
40代から50代のころの仙厓は、正統的な禅の画題を描いていたのですが、描く対象はやがて一般の人々や日常的な生き物へと変わっていき、筆致も軽くやわらかくなっていきます。それが、60歳を過ぎて住持の職を辞して隠居(いんきょ)の身になったころから、画風は加速度的に変わっていきます。
 
禅の教えを基にしながら、自分なりに自由な解釈で描き、筆の勢いはとどまることなくど自由闊達(かったつ)になっていったのです。それはもしかしたら、由緒ある寺の住持という重責から解放されて、自由の身になったという安堵感が大きかったのかもしれません。

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「大仙厓展―禅の心、ここに集う」展示作品より、仙厓筆『一円相画賛』と『〇△□』 いずれも江戸時代 出光美術館蔵 それぞれに込められたメッセージは展覧会の会場でご確認を!

当時、博多の町衆と親しく付き合っていた〝仙厓さん〟は、気がついたらすぐ筆を取り、求められればいつでも気軽に絵を描いて渡し、即興的な作品をたくさん残しています。

DAISENGAI-043子どもを連れた布袋さんの図には「を月様 幾ツ 十三七ツ」の賛。禅の修行で目指すのは、布袋さんが指さした先にある満月のような円満な悟りなのですが、修業とは心細いもの。つい経典(指先)に頼ってしまいたくなるが、それでは禅の悟りは遠いゾ! そんな厳しい教えがこの禅画のメッセージ。仙厓の代表作であり、出光コレクションの記念すべき第一号でもある。仙厓筆『指月布袋画賛』 江戸時代 出光美術館蔵

なんとも言えないかわいらしさに満ちている仙厓さんの禅画――。その大胆かつ軽妙な魅力を伝える作品の数々を目の当たりにできるのが、11月13日まで出光美術館で開催されている展覧会「大仙厓展 ―禅の心、ここに集う」です。

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「大仙厓展―禅の心、ここに集う」展示作品より、仙厓筆『坐禅蛙画賛』と『堪忍柳画賛』 ともに江戸時代 出光美術館蔵 カエルを坐禅の姿に見立てるのは以前より作例があり、したり顔のかわいいカエルの横には「坐禅して人が仏になるならば 厓菩薩(がいぼさつ)」の賛。坐禅をして仏になれるなら、一日中座禅を組んでいる自分だって……、という心境か。問わず語りのようでいて、警句のようにも読み取ることができる。

「大仙厓展 ―禅の心、ここに集う」の見どころは4つ

●その1、仙厓ゆかりの地である博多にある福岡市美術館九州大学文学部、そして出光美術館初代館長・出光佐三のコレクションの〝三大仙厓コレクション〟が一堂に会します。132点もの仙厓の作品がそろうのは実に30年ぶり。仙厓の全貌を知ることができる絶好の機会です。(会期中一部展示替があります)
●その2、それぞれの禅画に込められた教えを現代人のためのメッセージとして詳しく解説されていて、仙厓の禅画がもっともっと味わい深く感じられるようになっています。
●その3、思わず〝カワイイ!〟とつぶやいてしまう禅画が大集合! お寺に集まっていた子どもたちや、犬や猫からトラ、トド(!)といった動物、河童や天狗まで、ユニークな作品から目が離せません!
●その4、仙厓にしては珍しい着色画「章魚(タコ)図」が東京で初公開されます!

開館50周年記念
大仙厓展 ―禅の心、ここに集う

50th Anniversary Exhibition
The Grand Sengai Exhibition ― Spirit of Zen Assembled

会期/10月1日(土)~11月13日(日)
開館時間/10時~17時(金曜は19時まで。入館は閉館の30分前まで) ◆10月22日(土)~30日(日)は「EDO TOKYO NIPPON アートフェスタ 2016」開催に伴い18時まで開館、10月27日(木)・28日(金)は19時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
入館料/一般1,000円、高大生700円、中学生以下無料(保護者の同伴が必要) ※障がい者手帳をお持ちの方は200円引き、その介護者1名は無料。
出光美術館 地図

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「大仙厓展 ―禅の心、ここに集う」ではミュージアムショップで販売されるグッズも見逃せない。おすすめは「SENGAI風呂敷」(薄梅ねずみ)5,600円(税込)