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2017.03.09

根津美術館で開催!善財童子のかわいさにノックアウト!

この記事を書いた人

内覧会狂想曲続編

3月4日から開催されている、今回の「高麗仏画 香りたつ装飾美」に出展されている、たくさんのほとけ様の中で、私がもっとも興味を持ったのは水月観音像の作品群でした。

あまり聞きなれない仏様ですが、「水月観音」とは、華厳界の53人の賢者を善財童子が訪ね、仏法を求めるという物語の中で28番目に出会うほとけ様なのだそう。

この説話をもとにしているので、水月観音像の絵には、必ず教えをこう善財童子が描かれていて、これがまたとってもかわいい!のです。今回出展されている5点の水月観音像の中の善財童子だけをそれぞれ見比べる楽しさはっきり言って“ゼンザイ・ラヴ! ”な気分です。
写真4

それ以外にも、水月観音像の絵には共通に描かれているものとして、向かって左奥に柳の枝を入れた壺が、また、左手前には蓮の花の形をした香炉が描かれているので、これらの描き分けに関してもじっくり見比べて、楽しんでください。

なかでも一番の見所と言える大徳寺蔵の「水月観音像」(重要文化財)は、縦2メーター以上、横も125センチの大きな作品。みごとな文様で描かれた波の上に半跏の姿絵で描かれた仏様。善財童子は、補蛇落山(ふだらくさん)でこの観音様に出会ったとされ、補蛇落山は南海の海上にあるといわれたのでこの波頭が描かれたのでしょう。

同じく重要文化財の「水月観音像」(泉屋博古館蔵)や、大和文華館蔵の「水月観音像」などと、善財童子の描かれている場所、そのポーズ、表情をじっくり時間をかけて鑑賞して欲しいものです。
写真4-2

ミステリーとしかいいようがない!雲なき来迎図

今回の出展作品の中で、大阪の法道寺蔵の「阿弥陀三尊像」と泉屋博古館蔵の「阿弥陀三尊像」は、いわゆる来迎図(らいごうず、阿弥陀如来が臨終に際して亡くなった人を極楽浄土に迎えるためにやってくる場面を絵画化したもの)。ところが、有名な知恩院の「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」など、私たちがこれまでみてきた多くの来迎図で描かれている雲が描かれていないのです。来迎図では、阿弥陀如来は必ず紫雲に乗ってやってくると思っていたのに、そのあるべきはずの雲がないのはいったいなぜなのか?

写真5写真6

おまけにこ多くの来迎図が向かって左から右にやってくるように描かれるのに対し、今回の高麗で描かれた来迎図に関しては向かって右から左に向かうように描かれている・・・。

いつから来迎図の描き方が変わったのか。何のきっかけで変わったのか・・・仏教絵画をめぐるこのふかーーーーいミステリーについては、これからの研究の進展を待つほかありません。

他にも、地蔵菩薩がずきんをかぶって描かれていたり、その後の仏教絵画とは違った点や特徴にたくさん出合える今回の展覧会。細かいところをみればみるほど、仏教絵画の深みにはまってしまう・・・そんな展覧会ですので、できればディテール観察のための単眼鏡持参で行かれる方がいいかも・・・。

冒頭でも触れたように、世界中で確認されている高麗時代の仏教絵画はわずか165点。韓国には30点しかないのだそうです。日本で多く保存された高麗の仏教絵画。そのうちの26点を一挙に拝見できる機会は、今後もそうはないと思われます。

仏像ファンの方はもちろんですが、これまで「仏教絵画って、ちょっと難しい・・・」と思っていた方にこそ、みていただきたい展覧会。

会期は3月31日までなので急いで根津美術館へ!84

写真7

高麗仏画 香りたつ装飾美

会期/2017年3月4日(土)〜3月31日(金)
会場/根津美術館
住所/東京都港区南青山6-5-1 地図
会館時間/午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日/月曜日・展示替期間・年末年始

【内覧会協奏曲(根津美術館)】
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